意図的な曲解

『スイートルーム=suite room』って実は和製英語らしい。広辞苑にそう載ってた。スイートルーム:『ホテルで、寝室、居間、浴室などが揃った続き部屋』とある。suite は「ひとそろい」などの意味を持つことばらしく、もちろん「sweet room(甘い部屋)」みたいな意味ではない。ぼくが美勇伝の「スイートルームナンバー1」に相対する際もっとも畏れていたのはおそらくつんく♂が名付けたであろうこのアルバムタイトル「スイートルームナンバー1」の意味について彼自身「これ甘さでいったらナンバーワンの部屋やで! どや!?」と華麗な誤解をしているのではないか? ということで、まぁそれはそれでつんく♂らしいなと笑い飛ばせる感動的な出来事にはなり得たのだけれど、実際ジャケットの表記を見るとちゃんと「suite room」になっていてとりあえずは安心した。でも和製英語だっつんならそもそも異国情緒も何にもないと思うんだけれども。ただそれでいてつんく♂はやっぱりスイートといえば「甘い」という意味であるという解釈をしたくて仕方ないらしく M-3 の「愛〜スイートルーム〜」という愉快痛快楽曲では歌詞ブックレットに「♪SWEET ROOM LOVE」とか記載されていてスイートが完全に「SWEET=甘い」の意味と化していたのである。やっぱりそうか! とはいえ、この曲全体を覆い尽くす明らかに度を超した歌詞の意味不明さに比べれば、そんなものは些少なことだ。『旅立ちの立心偏 西口乗り換え中  はりきったら御名答 飯とったら出前中』 誰もなにもわからない。音の響きがすごぶる良好であることは否めない。