男闘呼組

昨今のジャパニーズポピュラーミュージックいわゆる J-POP について評する際にはもううんざりするほど「70年代」ないし「80年代」といったワードを用いた評され方がなされることが非常に多くて、それはたしかに一理あるのかも知れないけど、「スパン 10 年とか漠然としすぎだろう日進月歩の音楽を評するのに」などと思ってやまないのであるが、 M-6 の「Tea Break」の場合は 70 年代的とか 80 年代っぽいとかそんな「何か重大なこと言ってるようで実は内容のあることは何ひとつ言っていない」というようなインチキ占い師レベルのしょうもないレッテル付けではなく、はっきりと、しかしふわふわと「たぶん 1988 年に発売されたアイドルポップスでこんなのあった」と断言したい。だってメロディラインが昭和だもの。しかも末期の。いわゆるバブル絶頂期。飽食日本の経済的な繁栄とそのすぐ先に兆しの見えつつある急転落の予感が混沌と絡まり合った愛と欲望に盲目の時代、とか適当すぎることを言うけどこの「Tea Break」だって歌詞的には「女の子のお茶飲み話はいつもとりとめなくてなんだかな〜」みたいな戯言を言っている極めて日常的で些末な内容なのに音的には超 B 級シリアス街道まっしぐらなのであって、そのカオスぶりがたまらないのである。だいたいサビの「♪Tea Break!!」ってのが、なんかもうすごいかっこいい必殺技みたいだもんな。大映ドラマ? 所詮「お茶飲み休憩」の歌なのに。そしてぼくは男闘呼組の「DAY BREAK」という曲のタイトルをなぜか思い出したりもしている(どんな曲かはまったく知らない)。ちなみに鈴木 daichi 秀行大先生はこの曲で '05 ハロプロシャッフルユニットのエレジーズ印象派 ルノアールのように」からの流れを汲むハイテンションのお仕事を忠実にしてらっしゃって、さすがに偉大なお方である。いやこれはほんとにほんとに。高音がやたらとこうるさいのもライブじゃどうせ盛り上がるんでしょ。どうせ、どうせ・・・。