ファミコン実機を音源として超絶技巧でゲームミュージックを演奏するNES BANDの初ワンマンライブ行った話

ハロー!プロジェクトの音楽に耳を毒されている私ですが、あんまり誰にも言ってませんがゲームミュージックを聴くのもけっこう好きです。1978年生まれですから1983年に発売されたファミリーコンピュータどっぷり世代で、小学生から高校生くらいまで10年くらいファミッ子でした。その記憶を占める大きな1つにゲームミュージックというカテゴリーがあり、ゲームやってるときに自然に耳に入ってきた音はもちろんのこと、ドラクエの1から3までのBGMをたしかN響オーケストラが演奏したカセットテープや、やはりドラクエBGMを和楽器中心の編成で演奏したジパングワールドというCD、ファイナルファンタジー4のオリジナル音源がそのまま収録されたCD、スーパーマリオワールド渡辺貞夫アレンジのおしゃれな生演奏CDなど、よく聴いてました。今でも作業用BGMとして暇さえあればゲームミュージックを流してます。選択するのは自ずとファミコンディスクシステムPCエンジンなどのレトロゲームが主になってます。
そんな趣味があり、YouTubeニコニコ動画でオリジナル音源やいわゆる「演奏してみた」のアレンジ版などを探索していたところに飛び込んできたのが、NES BAND(ネスバンド。http://nesband.com/)の存在でした。
NESとはファミコンの海外版「Nintendo Entertainment System」の略称。NES BANDのみなさんは、主にファミコンで用いられたゲームミュージックの数々を、ファミコン実機の音源を使って演奏している方々です。音楽的な細かいことは詳しくないので説明を省エネしたい気持ちでいっぱいですが、ともかくリーダーのマツケんさんをはじめとするメンバー4名が、3和音+1ノイズにパートを分担して、もうファミコンで聴いていたそのまんまの音を、超絶な音楽的テクニックを駆使して鳴らし、再現していく。ライブ映像をご本人たちがオフィシャルにたくさん配信しているのを観まして、「ファミコン実機の音源を使う」という機材的な部分で余人には簡単に真似できない点や、どうやら音楽関係の仕事に携わっているメンバーの方々の演奏が明らかに超うまいこと、そしてもちろんゲームおよびゲームミュージックに造詣が深いこと、ユーモアやウィットなども随所に感じられることなどを理由に、だいぶハマってしまいました。
そんなNES BANDの初ワンマンライブがこの6月27日にお台場の東京カルチャーカルチャーで開催されたので行ってきたわけです。チケット発売は遡ること約5カ月前、2月1日のこと。NES BANDは2011年から活動していてイベント出演などは頻繁に行っているもののワンマンは初めてとのことで、これは争奪戦になるかもと思って万全を期してイープラスで発売日時ぴったりにエイヤと購入したところ整理番号なんと3番でした。案の定すぐにソールドアウトしたのでチケット取れて本当によかったです。以来、開催日までのあいだNES BANDに対する期待感はものすごく高まるばかりで、やっぱりライブはこうした待機時間が思いを熟成させるのに大事だなー、と思いました。
ライブ当日はきっちり最前の正面というベストの席で観賞することになり、休憩もありましたが、なんだかんだで2時間を超えるパフォーマンスを満喫できました。初ワンマンだけに気合みなぎってるって感じで、スーパーマリオメドレー、スターソルジャードラゴンクエスト4メドレー、ロックマン2メドレー、そのほかたくさんの演目が続きまして徹頭徹尾すばらしかった。ドラクエ4メドレーはただでさえ原曲が最高なうえ、人並みに思い出もあるし、あらためて圧倒的にものすごい演奏をされると、会場にゲーム画面とかは別に何もないのですが総合的にけっこうグッときました。また小ネタ「ゴルフ」とかも、しっかりフリが効いてて爆笑! Twitter上でもハッシュタグ「#NESBAND」やツイートまとめのTogetterでいろんな感想が読めます。
レトロゲームミュージックって、ノスタルジーも多少作用してるのかも知れませんが、かなりいい曲が多いと思うんです。当時のトラックメーカーさんたちは、容量などの関係で音数を制限された仕事の中で、いかに印象的な旋律を奏でるのか、みたいなことに腐心していたに違いない。その中でも特に実を結んだものが、こうして何十年と現在に至るまで受け継がれている。それどころかNES BAND、あるいはもっと別の志を持つ人たちが、いろんな手法を用いてレトロゲームミュージックに新たな命を与えて蘇らせてくれています。僕も影ながらぜんぜん別腹でしばらく楽しむことになると思います。