2011年の個人的アイドル楽曲ベスト5

年末恒例の超たのしいイベント「第10回ハロプロ楽曲大賞2011」ハロプロファンがネットやイベントを通じて1年をワイワイ振り返ります。
この一企画として、たしか昨年度からスタートした「アイドル楽曲部門」は、主に今年度CDや配信などでリリースされた多くのアイドル楽曲から各自でベスト5を選んで投票してくださいね、という主旨のもの。ぼくも毎年なんらかの形で「ハロプロ楽曲大賞」には投票しているので、今年も「ハロプロ楽曲大賞」そして「アイドル楽曲部門」どちらともに投票したいと思っています。集計結果が発表されるのは来月12月30日深夜に新宿ロフトプラスワンで行われるイベント。本当に楽しみです。
まず今回のエントリではアイドル楽曲部門から。
AKB48PerfumeももいろクローバーZまで、さまざまなアイドル楽曲が618曲(!)ノミネートされており、そこから5曲を選び出します。本来ぼくなどは今年の場合、吉木りささんが3月に「yoshiki*lisa」名義でリリースした「Destin Histoire」がぶっちぎりの1位(8.0pt)ということで、ぜひお願いしたいんですよね。

ところがこの楽曲は「アイドル楽曲部門」には惜しくもノミネートされていませんでした。残念。ソロアイドル受難の時代やで……!!
というわけで、そのほかのアイドル楽曲の中から真剣に選考をしていきます。YouTubeとかでただぼんやり聴いていても、どれも本当にイイ曲ばっかりなのが贅沢な悩みですよね。ただ、そのアイドルさんとの縁とかはどうしてもあるわけで、個人的には今回エントリーされているほとんどのユニットに関しては、到底まともに聞いているとは言えないため、選考ポイントは一応「カラオケで歌って気持ちいい曲」ということで、5曲挙げることにしました。

5位:ももクロのニッポン万歳!/ももいろクローバーZ/2.0pt

ももいろクローバーさんとの因縁は2009年夏、地元・札幌市内のヤマダ電機でわずか20名ほどのお客さんの前で行われたフリーライブに始まります。当時まだ加入したばかりだった有安杏果さんが、たしか1曲「ももいろパンチ」だけ歌ったようなときのフワフワした空気感が、昨日のことのように思い出される。衣装も当時の一張羅、和の装いでピンク色で、みんながみんな幼い印象。ただ百田夏菜子さんのスマイルだけが、ともすれば狂気とも感じられるほどにバッキバキに全開で、これはとんでもないもの見ちゃったな、というファーストインパクトなんです。それから時代はももクロ6人、早見あかりさん卒業後の5人と紆余曲折を辿りながら、結局はみなさんご存知のとおり、2011年末にはさいたまスーパーアリーナで単独ライブを行うまでの上がり方をしてしまった。古参ヲタを気取りたいところですが、個人的に同時進行的に吉木りささんの全人間的な魅力にハマッてしまい、ついぞ百田さんとツーショットチェキを撮るようなこれまでありふれていたはずの機会も、すっかりスルーしてしまった。そして今は肝心の吉木さんがそのももクロさんにどっぷりハマっているというふしぎな因果応報。先日吉木りささんのDVD発売イベントが開催された際、握手会のときに吉木さんに「最近カラオケで歌ってる曲は何かありますか?」と尋ねてみたんです。いろいろとアイドルソングがお好きだそうで。「なんだろー??」って数秒間ふわふわ考えてくれた結果、吉木さんが導き出した答えが、この「ニッポン万歳」でした。アルバム「バトル アンド ロマンス」のトリを飾る曲です。ボリュームたっぷりアイデア満載で痛快。正直ぼくはカラオケで歌ったことがないのですが、吉木さんがこの曲を好きだしおそらく歌おうと思えば歌えるのだろうな、ということで、一心同体という意味を含めて今回のランクインとなりました。

4位:レーザービーム/Perfume/2.0pt

Perfume熱は昨年2010年11月の東京ドーム公演をきっかけに落ち着きました。3人が迎えたとびっきりの祝祭を共有して、これ以上のことはないとも思えた。それから1年。まるで何事もなかったかのように凄まじい安定感でリリースするシングルもアルバムも、そこだけアイドル戦国時代などという激流とは無縁のようです。かつては地の底から目を血走らせながら崖を這い上がろうとしていたはずが今は昔、時間が止まったかのようにポジショニングを定めたまま。特にこのレーザービームはご存知「キリンチューハイ氷結」のCMで使われた楽曲で、氷結といえばもうキラキラした缶の印象が強固で、その硬質かつ無機質で華やかなブランドイメージがPerfumeライブに飛び交うレーザービームの記憶を呼び起こすのは道理です。またレーザービームといえばイチローの外野守備位置からの強肩ぶりを喩えた言葉でもあり、今年200本安打に久しぶりに届かなかったイチローのぶんまでPerfumeはヒットをコンスタントに量産し続けるのです、とか別にうまいこと言うつもりもないですし適当な思いつきを書いてごめんなさいですけど、ともかくなにからなにまでハマッている。正直まだカラオケで歌ったことはありませんが、Perfume楽曲とカラオケとの親和性はさほど高くないのでそれもまた自然の摂理なのです。

3位:Z伝説〜終わりなき革命〜/ももいろクローバーZ/2.0pt

ももクロさんからもう1曲、本当に胸撃たれた楽曲です。震災後にヒャダイン前山田健一さんが日本を元気にしよう的な意味を込めて作ったという渾身の作品で、序盤のナレーションも1人1人の自己紹介も完全にはっちゃけて取っ散らかっているのですけど、そのわりにサビのメロディがいい意味で「泣き」を湛えて情緒的でなかなか沁みます。あとは瞬間的な情感の最高到達点として、イントロ開始から4分30秒を過ぎた頃、曲もクライマックスに差し掛かろうという段階での百田さんパート「ぜったい諦めないウィーアー!」。ここがもう。「ぜったい諦めない ウィーアーももいろクローバーZ」という文面で1つのつながりなのですが、この「ぜったい諦めないウィーアー!」という、音程もなにもない、てらいのない無邪気な、それでいてはっきりとした意志を持って力強い百田さんのセリフが、あまりにも純粋な魂が凝縮された宝石のようで、いつも聞くたびに一瞬で涙腺が緩んでしまいます。カラオケでは別の人が歌っているところに全力で「かなこぉおおおおお↑」などと合いの手を入れることのほうが多い気がします。

2位:Limited addiction/東京女子流/2.0pt

東京女子流さんはいま明らかに曲がダントツにカッコイイ! というのが悩ましい。これでメンバー本人たちに妖艶さが出てきたら、もう手がつけられない存在になってしまいそうです。かなり長期的な展望のもとでユニット活動が続けられていると明言されているので、ひょっとすると近い将来には誰しもが女子流ドップリになってるんじゃないか、という可能性もあります。「Limited addiction」の編曲はハロプロ関係でも「笑顔YESヌード」(2007年)、音楽ガッタス鳴り始めた恋のBell」(2007年)と超いい仕事をしていた松井寛さん。この方は東京女子流ワークスでは相変わらずキーマンで、いまAKB48勢を筆頭に豪華絢爛にぎやかお祭り騒ぎが日々続くアイドル楽曲の世界に、ともかく渋くて黒い要素を持ち込んでくれている。MVから衣装、アートワークの世界観などが、楽曲の渋さと見事な融合を果たしていて、にじみ出るカワイさが本人たちにはあるため、奇妙なアンバランスさが成立している現状です。2011年のシングル曲は「Limited Addiction」そして「鼓動の秘密」「Liar」などで完全に突き抜けていますし、小西彩乃さん(あーちゃん)というおそらくアイドル界に現存する屈指のボーカルも擁していて実に魅力的。この曲に関してはカラオケであーちゃんに若干なりきって調子こいて歌ってみるとめちゃくちゃ気持ちいいのでオススメです。

1位:フライングゲットAKB48/2.0pt

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AKB48のことシングル表題曲に関していえば、自分があまり音楽に定見を持っていないからかも知れないのですが、よくこんなハズさないなというくらい本気ですばらしいと感服してます。ラジオやコンビニでそれとなく流れながらもざっくりインパクトを残しつつ、ビジュアル的にも音楽番組からPV、街角で見かける看板まで、トリッキーかつ華やかに演出されていていつしか虜。AKB関連の握手会もまったく熱心には行ってないですけど、握手するしない関わらずに今年どれか1枚「盤」としてアイドル楽曲のCDを手にするとすれば、それは「フライングゲット」だな、です。最初このタイトルだけ聞いたとき、いわゆる俗語なわけで、もちろんみんなに知られてはいたのだけどそれは決して「公」ではなく、どこか宙ぶらりんではあった。そこに目をつけて、あまつさえAKB48のシングル曲のタイトルとして自信たっぷりに出してきたのが、あまりにも絶妙かつ的確すぎて、すっかり「フラゲ」も市民権を得た。日本語のあり方を少し変えた感さえあります。初夏から早々に売れに売れていた「Everyday、カチューシャ」からの勢いを微塵もそぎ落とすことなく、「総選挙」の結果を踏まえて上昇気流に乗りっぱなしのまま「フラゲ」が快調だったのは率直に凄い。歌詞もうまい具合に恋愛ネタとかかっていてトンチが効いてるし、曲中にギミック入ってて盛り上がりの意味でも素晴らしい。ハロプロを少し引き合いに出すと℃-ute矢島舞美さんのソロ曲「夏DOKIリップスティック」を彷彿させる夏向きのお気楽ナンバーで、これは歌っても楽しいんです。