ソロの恩恵

「吉木さん好きを公言するのは言い訳がきかないことだなぁ」
と常々思っています。
たとえばいわゆる“箱推し”みたいな感じでユニットアイドルそれ自体をまるごと好きだと意思表示するのはぜんぜん普通なことですし、そのメンバーの中で誰が一推しかを表明するのも当然だと思うのです。ただ、いま特にユニット活動をしているわけでもないソロの女性アイドルさんをただかわいいとか継続的にずっと言っているというのは「アイドルとして好き」というような「公」の言い訳を失って、ダイレクトに1人の女性として好きみたいな意味になっちゃう。まことにお恥ずかしいかぎりです。
世に言う女性ユニットアイドル群雄割拠みたいな2012年の状況。
そんな言い訳きかない愛情注がれ放題な「ソロのアイドル歌手」というポジションの人は比較的不遇をかこっている。なぜなら「アイドル≒ユニット」みたいな概念が生じつつあるような現状な気もするし、女優さん、声優さん、モデルさんなどがそういった役割の代替もしくは兼任者ということになっているのかも知れない。もちろんAKB48前田敦子さんを筆頭にユニットから続々とソロデビューしている余波もあると思う。
継続的に活動している「ソロの女性アイドル歌手」がほとんど注目を集めていない。
ユニットにはとうてい収まりきらない、はみ出しちゃうような圧倒的な実力だったり魅力だったりがソロの女性アイドル歌手には必要なのだと思う。たとえばライブやイベント会場の現場にしても、十数人いるグループアイドルの現場とソロユニットの現場では、いろんな女子にも会えるし楽しみが何倍にも……という意味でソロはユニットと比べて根本的に勝負にならない。そこを覆すくらい、宇宙を掌握するくらいのソロが理想的。そんな人が出てくるかどうかというのはほとんど10年に1人くらいのスケールになってくる。
でも裏を返すと、たとえ絶対的な存在ではなくっても、本当にその人が縁や運を伴って好きという場合には、ソロ歌手でいてくれることほどありがたいことはないと思う。ひたすら一途にその人だけ。アイドルさんの内心を知るよしもないけど、あちらはあちらで「私だけのことを見に来てくれている」というモチベーションが生じるんだと思う。ユニットだとほかのメンバーと何かと比較されたり、自分で比較してせつなくなったりするような気がする。
吉木さんも2009年後半から2010年前半にかけては「キャンパスナイターズ」の一員として主に活動していて、もちろんそれはそれで適材適所で最大級によかったのだけど、キャンナイ以降、この2年間はもっぱらソロという活動形態でいてくれたのは、なおのことよかった。あまつさえソロ歌手・yoshiki*lisaとして歌手活動もしてくれることに、歌の実力からいえば当然とはいえ、たいへんなラッキーさを感じている。なぜならユニット云々ではなく、ぼくが吉木さんを超好きだから。
グラビアアイドルとして名を成し、そこをひとつイメージの母体として、しかし決してイロモノとしてではなく、きっちり正統派な歌手活動の命脈をつなげている。テレビやラジオ、舞台でも多岐にわたる活動をしていて、機会があればアカペラなりカラオケなりでよく歌っている。吉木さん本人が「マルチに活動していきたい」と言っていて、本当にそのまま有限実行が続いているさまが、あまりにもまぶしく誇らしいと思うのです。
そんなyoshiki*lisaさんの1stアルバム「Poche(ポッシュ)」が3月28日に発売。すでに予約しましたし、それと関連した発売記念イベントも東名阪で行われるそうなので少なくとも東京には足を運びます。なにより吉木さんの歌が聞きたい。

Poche
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yoshiki*lisa
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