大の大人がほめたキャンナイ


またしても「キャンパスナイトフジ」の話です、すいません。もう終了してしまった番組(認めたくはないですが!)の話題ですので、おのずと弾切れを起こすまで、どうぞご容赦ください。

「妄撮」プロデューサー・小林司さんによるブログの2010年3月14日の記述で、キャンナイで数回にわたって放送された「エロくないのにエロくない歌」のオープニング映像がすごかった! と述べられていました。

ぼく自身もテレビを見ていて「本当にすごい!」とビビった数少ない事例ですので、この期に及んで引用します。


明日の正統(キャンナイ、あと2回)


思えばこの数回の「エロくないのにエロく聴こえる歌」の
オープニングテイクは凄かったな!!


1回目(※引用注:2010年2月12日放送)は
フジテレビの正面玄関の黒田の挨拶に始まり
吉木、藤岡、高橋、新地、そしてこの川島らのカメラを誘惑するような疾走
進んでいくカメラに次々とチームがフレームインし
どんどん前チームを追い抜いていくというミュージカルのような構成。
(杉の階段でのソロもGOOD!)


そしてフジテレビ5階見学コースを舞台に
あの大ベテラン牧原アナをして
「私が入社以来もっとも魅力的に見学コースを映像化した」
と言わしめた回(※引用注:2010年2月19日放送)。


リムジンの正面玄関到着で幕を開け
3チームがそれぞれ別の場所で歌いながら
最後搬入駐車場に集合し
総勢27人が走ってスタジオになだれ込むという
クレーンワークまで導入したもっとも大掛かりな回
(※引用注:2010年2月26日放送)。


どれもが一見して生放送とは信じがたいクオリティで
かつ
疾走感と緊張感がビンビンに溢れる
痺れる4分間だった!!


もろもろの都合で見たことなかった方は、ネットとかで探して、「これは生放送だ」ときちんとセルフ洗脳した上で一度ご覧ください。こんなテレビ見たこと今までなかったんです。


この方はキャンナイ生放送の収録現場にも立ち合ってらしたようで、裏話が続きます。


そしてこれは密着してわかったのだけど


ほんとうに本番2分前までなんどもなんどもリハーサルを重ねる
手抜きのない仕事ぶり。


カメラの動きと重ならないように踊り走る動きを確認するため
女の子たちは走らされる。
何度も何度も。


きれいな女子大生たちがヒールを履いて
真夜中の無人のテレビ局を全力で疾走し踊り歌うという
この最高にシュールでロマンチックな試みは
もっと称賛されてよかったのに。


この最後の段落の文章がチョー泣けるんですけど。頭おかしいでしょうか。



あるいは、演出家・大根仁さんによる回想。


SPA!」4月20日号の連載コラムで、キャンナイのことを長文にて総括されていたんです。おもわずこの号のSPA!を購入しました。ほぼ全編にわたって誉められていて嬉しいので、一部抜粋します。

リアルタイムで「ANF(オールナイトフジ)」で盛り上がった世代のオレは
懐かしさ半分、ひやかし半分で観始めたのだが、
夏を過ぎたあたりから完全に虜になり、
毎週ほとんど生放送もしくはHDD録画して観ていた。
それほどにこの「キャンナイ」は後半に異常な伸びを見せた。

ただ、スタート〜夏までのモタツキがもったいなかった。


後半の異常な伸びをリアルタイムで体感してしまったせいで、ぼくは今こんなです。


大根さんのコラムの続き。


「エロ女子大生×売れっ子若手芸人×フジテレビ生放送」


という形態は個人的にはそれなりに弾けるんじゃないかと思っていた。
案の定、キャンパスナイターズ
かつてのオールナイターズとは比較にならないほど可愛くてエロいし、
ケンコバ、はんにゃ、ナイツら芸人も予想以上の跳ね方
(特にナイツの塙は凄かった)だったのだが、
足りなかったのはスタッフの「悪ノリ感」だ。


(中略)


「キャンナイ」にはその破壊精神が足りなかったように思う。
とはいえこれはスタッフだけのせいではなく、
規制だらけのテレビ界の中でやんちゃを冒すことのリスクが
四半世紀前とは比べようにならないほど大きくなったせいでもある。

「オールナイトフジ」と「キャンパスナイトフジ」の比較論という、両方ちゃんと観てた人じゃないと説得力を持たないような論が真摯につむがれています。

そして続く文章の〆もまた沁みるんですよ。

「キャンナイ」スタッフの世代って
もうテレビ局が超一流の就職先になってからの入社でしょ、
色んな意味で頭いいんでしょうね。


ただ頭がいい分やんちゃはしないけど学習能力は高く、
それが「キャンナイ」後半の異常なまでの輝きの起因となったのではないかと。
完全な「悪ノリ」はしないけどそれ風には見せるテクニックを身につけたのではないかと。


夏以降の「キャンナイ」は
オープニング曲「エロくないのにエロく聞こえる歌」、
芸人と女子大生の絡み、
各コーナーの完成度、
全てにおいてかつての「ANF」を凌駕し、
21世紀型のフジテレビ深夜生放送バラエティになっていた。


せめてあと1年はやり続けるべきだったと思うし、
そこから未来のスタッフが育つポテンシャルもあったとも思う。

ほんと惜しまれます。


そんなキャンナイのメンバーだった吉木りささんが、5月2日から5日にわたって「ピテカントロプス・エレクトス」という舞台に出演するので、ぼくも観に行く予定なんです。

で、その脚本を書いている笹木彰人という方が、自身のブログ4月13日付けの記述で吉木さんのことを超ほめてました。

好きな人がほめられるのは最高なので転載します。


本日ご紹介するのは「吉木りさ」ちゃんです。


この公演のキャスティングを相談された際に
「華のある女優を参加させてほしい」
と座長に提案したところ、白羽の矢が当たったのが吉木りさちゃんです。


彼女はつい先日まで
フジテレビの「キャンパスナイトフジ」という番組にレギュラー出演していて、
そこで人気が一気に爆発した若手注目株で、
現在もラジオのレギュラー番組を持ってる売れっ子さんです。


そんな赤丸急上昇の吉木りさちゃんですが、
偉そうな素振りは全くなく、
「関東で一番腰が低い演出家」の俺様よりさらに腰が低い方です。


彼女はいつも笑っています。


モノ作りを本当に楽しそうに、
でも真剣にやってるのは稽古を見ていれば一目瞭然です。
稽古場のムードメーカーで、みんなのいじられ役に徹しており、
おばかキャラ全開ですが、
このカンパニーで一番頭がいいのは間違いなく彼女です。
他人の気持ちを思いやる想像力は頭の良さの賜物だからです。


吉木りさちゃんは歌でCDも出しておりマルチに活躍されていますが、
この芝居を観ていただいたお客様に
吉木りさっていい女優だね」と言ってもらえるよう、
演出家として彼女の才能を開花させたいと思っています。


あぁ絶賛だ。「彼女はいつも笑っています。」って何気ないようでけっこう凄絶な一文だと思います。悩みのない人間なんていないけど、なかなかそうやって他人に評される人っていませんから。


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