キャンナイ卒業生・吉木りさのエロいのにエロく見えない魅力

吉木りさ DVD『セキララ*彼女』
晋遊舎 (2010-03-27)
売り上げランキング: 790

吉木りさのことしか見えません。

放送終了して一ヶ月が経った「キャンパスナイトフジ」のレギュラーだった吉木さん。世の中的には微妙なマイナーアイドルでしかないのもたしかです。だからといって、別にマイナーだからって青田買い的に好きになるということでもない。どメジャーアイドルも相変わらずくそどミーハー的に大好きです。しかしそんな状況でも、今年に入ってからは自分の中でもっぱら吉木さんの存在感が圧倒的に図抜けてます。一択です。

たとえば、他人が自分のとうてい理解し得ないような、わけわかんない対象物を崇拝しているさまは超うすきみ悪いものです。ぼくもいま住んでる地域で、町中にたたずむお地蔵さんに朝な夕な腰をかがめて両手を合わせながらなにやらブツブツ拝んでいる老婆の姿を見るたび、言いしれぬ虚無感に陥れられる次第。今回の更新にその気持ちと似た感情を抱かれても仕方ありません。

しかし抗えないものは抗えない。好きなものを好きと言える気持ち抱きしめてたい。キャンナイが終了した2010年3月に話は遡りますので、興味のない人は次の更新までお待ちください。


HMV渋谷店と下北FM、2日連続で吉木さんと握手をしたぼくは、その翌日の忘れもしない3月19日金曜日、最終回の放送当日にもお台場ビーナスフォートの最初で最後のキャンパスナイターズ全員参加イベントに訪れました。そこでは握手こそできなかったものの、3日連続同じような黒コートと黒カバンで顔を出し、吉木さんが自分のことを認識していることは確定的になりました(妄想じゃないですよ!)。

でもってその翌週、3月27日に吉木りさイメージDVD「セキララ*彼女」の発売記念イベントがソフマップ秋葉原アミューズメント館で行われ、ぼくはDVDを2枚購入してイベントに参加したわけです。4000円近いDVD購入という決して低くないハードルがあったにも関わらず、会場は200人を超える客であふれ、この規模のイベントにしてはたぶん盛況。その人気がうれしい反面、「魅力がバレる……」というよくわからぬ妄念や嫉妬心に取り付かれもしました。ちなみに2枚購入したのは吉木さんとツーショットチェキを取るためです。

イベントでは、1組8人による1分間の写真撮影タイムや、握手会、そしてツーショットチェキの撮影などが行われました。ぼくはその直前に秋葉原のネットカフェで吉木さん宛てのファンレターを便箋5枚ほどにわたって書き記しており、握手のときにそれをイベントで手渡したりもしました。ほかにも花束などの豪奢なプレゼントを手渡している人もおり「気合の入ったことだな!」と斜に構えましたが、精神性は自分もさほど変わりません。

ちなみに「セキララ*彼女」は吉木さんにとって2作目のDVD。前回発売されたのはなんと「2004年11月」と悠久の時を体感するほどはるか昔のことです。それだけ実はキャリアのある人であり、また今回DVDが発売されたのもキャンナイでの人気が後押ししたもので、この5年以上にもおよぶブランクがあまりにももったいない……! と二度と戻ってこない過ぎ去った時間が悔やまれるところです。

内容的には、まぁその、なんていうんですか、清純派アイドルのイメージDVD以上、着エロ未満といった案配の露出度で、現在22歳のアイドルとしてみれば至極真っ当な扱われ方ではあるのですが、ノーガードで再生を始めた途端に後ずさりしながらうろたえるレベルでそこそこ過激。いかにキャンナイの水着ファッションショーがソフトなオブラートに包まれたものだったのか、というのが再認識させられます。

吉木さんは舞台などにもちょこちょこ出演してるんですね。4月11日に行われたトークライブ「ハコニワ」には当日券で赴こうとバリバリ予定を立てていたのですが、なんと気づいたときには前売りの段階で売り切れ、という人気ぶり。このライブにはキャンパスナイターズ3期生だった三弊恵理愛や武田るいなども出演するということで注目度もそれなりにありましたが、にしてもおそろしい。見通しの甘さには定評のあるぼくですがさすがにこれは萎えました。

今度は5月のゴールデンウィークに劇団古今和可集旗揚げ公演「ピテカントロプス・エレクトス」という舞台にも出演するらしく、なんとか早期に予約を済ませています。

この舞台出演にともなって、出演者の人たちがやってるインターネットTVにもこないだ吉木さん、ゲスト出演してました。番組内では誰も止める人がいないのをいいことに、ケンドーコバヤシと牧原俊幸アナを絡ませた往年の「BL紙芝居」を久しぶりに披露! また出演者の男性ふたりを相手どって「即興」のBL妄想を、およそ3分ほどにわたって繰り広げるという前人未踏の特技も繰り出していました。その様子はまるで稲川淳二の怪談話のようで、吉木さんが即興で「ゲイが初夜を迎える」的なストーリーをつむぐ中、男性陣はただ黙ってうつむいたまま、という真夜中の本当にあった怖い話を見せつけられました。サイトに付属しているチャットのコメント数は、それまで同じネットTVを放送してきたときに比べて10倍に膨れあがったそうです。ぼくも参加しました。

そして、これはかなりメジャーな仕事で吉報だと思うのですが、劇団ひとりFM-FUJIで毎週土曜日に放送中のラジオ番組「劇団サンバ・カーニバル」にレギュラー出演を始めています。半年ごとに2名の女性アシスタントが交代で就任するとのこと。2010年4月から半年間、吉木さんは佐藤さくらというアイドルとともに、劇団ひとりのラジオ番組に出演することになったのです。かつてキャンナイは毎週金曜深夜25時からの2時間生放送という最高のシチュエーションで放送されており、それゆえに虜になった側面もあったのですが、こちらのラジオも毎週土曜22時からの2時間生放送、と実はあまり変わりません。番組自体も劇団ひとりの司るものなのでちゃんとおもしろいです。

特筆すべきは、この番組が公開生放送であること! 代々木の「STUDIO VIVID」というサテライトスタジオで、屋外の窓ガラス越しに放送中の様子を見ることができます。ブース内の生声をダイレクトに聴くことはできませんが、無料だしかなり至近距離だしでお得。

4月10日、第2回放送のオープニングを家で聴いていたぼくは、トークがハネてて超楽しそうな様子であることにだんだん辛抱たまらなくなってしまい、結局放送中に30分かけてオープンスタジオを訪問、途中からナマ鑑賞するにことになりました。ブース内外でお互いに声は届きませんが、そのかわりブース内の吉木さんたちからホワイトボードで積極的に筆談コミュニケーションを取ろうとしてくれるのです。超ありがたい。しかも翌週、第3回放送の終了後には、ぼくは行けなかったのですが吉木さん&佐藤さんコンビがわざわざブースから出てきて、リスナーと一緒に記念写真を撮るという大胆なサービスが執り行われたそうなんです。吉木さん公式ブログにその画像も掲載されてました。劇団ひとりからは「放送に集中しなさい!」とかツッコまれることもありますが、このご時世に心温まる話です。

吉木さんはブログも好調。その日の挨拶に「こんにちわ変態です!!」と表明するのも厭わない爽快さがあります。いわゆるところの腐女子属性があり、キャンナイ内でも自分をさして「エロいです」と表明。それでいながら、DVD発売イベントの内容を伝えるニュースには「キャンナイの清純派」というレッテルが貼られたりしている。「“キャンナイ”随一の清純派、吉木りさが絶体絶命……!?」なんて記事がそれですね。「エロくないのにエロく聞こえる歌」がキャンパスナイターズの歌なら、「エロいのにエロく見えない顔」が吉木さんなわけです。

そしてなんといっても最大の特徴は声! 超朗らかなアニメ声。それでいて年齢相応の落ち着きも兼ね備えていて、正直もはや何を喋ってくれても許せるレベルです。笑ってくれてるとそれだけで楽しい。それでいて高田純次アンタッチャブル山崎にも迫るような適当トークの使い手でもあり、ときどき心がまったくこもっていないように聞こえるときもありますが、またそれがいい。あと「夜桜お七」で演歌デビューしているように、昔から民謡を習っていたらしく歌もきっちりプロです。もはや自分の好みのタイプを公表するも同然で恥辱にまみれるんですが、声がかわいく、基本的に笑顔で、歌心があり、身の程を知った女性とは、だいたい結婚したいです。

ぼくなどあくまで一ファンの立場ですが、仕事現場での評判もいいらしく、「妄撮」プロデューサーによるこの「吉木りさという逸材」というエントリでは、撮影レポにかこつけて、吉木さんのことが全編にわたって褒めちぎられています。

一部引用します。

吉木りさという逸材
黒目がちの控えめ(←これが肝)な美少女ルックスと
高校生とおっさんを同時に虜にするアルカイックスマイル
そして腹から出るアニメ声のようなスイートヴォイス
そこに少々の毒もある頭の回転の早さと
演歌歌手として鍛えた打たれ強さや場慣れ感が備わっているのだがら
現在のリアクションと好感度を同時に求められる
日本のTVバラエティ界でも屈指の人材になるはず

ほんとそのとおり。同意です同意。

とはいえテレビ芸能の世界ってたぶん才能ある人が必ずしも売れるわけじゃなく、運やタイミングなど売れるにはいろんな要素が左右してくると思うので「屈指の人材になる」かどうかはなんとも言えないです。キャンナイメンバーになったということ自体がきっかけとしてかなりな幸運だったとは思います。

キャンナイも大学もこの3月に卒業してしまい、裸一貫でタレントとして新たなスタートを切った吉木さん。この先、はたしてどれだけ売れるかは誰にも予測がつきませんけれども、当面はただ笑って適当にむっつりスケベなことをひたすら言い続けて欲しいですし、新しいDVDも発売して欲しい。あと、願わくは本人もファンも臨んでいる「歌」の方面でいろいろ切り拓いてくれると嬉しいです。

個人的には、たぶん現場行きまくったせいで吉木さんに顔を覚えられてるとは思うんですが、だからって吉木さん、イベントとかで「おつかれさまでーす」って事務的なニュアンスの挨拶をするのは頼むからやめてください! それだけはお願い! DVDイベントで「おつかれさまでーす」聞いたときちょっとヘコんだわ! こちとら仕事で来てるんじゃないんだ!