KANの「カンチガイもハナハダしい私の人生」とぼくの人生

KANの全国ツアー「芸能生活23周年記念逆特別 BAND LIVE TOUR ルックスだけでひっぱって」が凄いことになってるみたいです。

3月13日(土)にZEPP TOKYOで行われた初日公演に、サプライズゲストとして、Mr.Children桜井和寿が登場したそうです。

KANと桜井は昔からFM802や「ap bank fes」などで交流がある仲。ライブでは、KANのアルバム「TIGERSONGWRITER」(98年)で桜井が覆面ギタリスト“キヌガサ”としてギターやコーラスで参加してる「Oxanne -愛しのオクサーヌ-」や、音楽雑誌「LuckyRaccoon」イベント出演のために2人が共作で書き下ろしたアカペラ曲「弾かな語り」などを歌ったそうです。

翌14日(日)。同じくZEPP TOKYO公演で行われたツアー2日目のゲストは、aikoでした。aikoはKANのファンを公言してるミュージシャンのひとり。KANのアルバム「MAN」(96年)に収録されている2曲、「8 days a week」と、まだaikoがデビューして間もないころに関西ローカルの番組「freebeat!」でKANのピアノ伴奏で気持ちよさげに歌っていた「今度君に会ったら」を披露した、らしい。

KANの単独ライブにミュージシャンがゲスト出演すること自体、あまり記憶にないことです。極めて異例。たとえばダンサーでコーラスの野沢トオル扮する「アーバン宝田」とか、KAN自身によるニセゲスト「恵比寿・スレプリー」とか「スティーブ・椀田」「マイケル・弱小」みたいな小ネタならありました。

初日の桜井だけならまだしも2日目のaiko出現に、「続くツアーに誰が出演するのか?」ファン界隈では議論が紛糾しています。東京公演だけの企画に終わるのか、それともツアーの土地土地でKANにゆかりのあるゲストが登場するのか。

一週間後の3月19日(金)ZEPP OSAKA公演はツアー3日目。ゲストは、山崎まさよしでした。東京のみならず大阪にもゲストが出てきた。山崎まさよしはデビュー当時から北海道のSTVラジオアタックヤング」パーソナリティとしてKANと親交があり、ライブではKANの「カレーライス」、また自身のデビュー曲「月明かりに照らされて」や代表作のひとつ「One more time, One more chance」を歌ったそうです。

ツアー4日目の3月20日(土)。同じくZEPP OSAKAにゲスト出演したのは、平井堅! だんだんおそろしくなってくる。メジャーな人ばっか出てきます。平井もKANファンを自称しており、aikoと「どっちがよりKANファンか」討議したことがあるそう。ライブでは、KANが平井堅に提供した楽曲「Twenty!Twenty!Twenty!」や、平井堅が大のお気に入りだという「君が好き胸が痛い」を歌ったみたいです。

KANはこのツアーを「芸能生活23周年記念逆特別」と位置づけています。デビュー20周年には特に何も無かったものの、「数字の中では『素数』が好き」というKANらしい理由で「23周年」が決行。大胆なゲスト企画を放り込んできました。いずれもサプライズなのでどこに誰が来るやらさっぱりわかりません。

で、ちなみに、ぼくは無職なので、どの公演にもまったく行ってません。96年以降のツアーはこれまでほぼ参加しているのですが、なにしろ使えるお金がない。ネットで今回の豪華共演を知って、ひたすら臍を噛む日々が続きます。


ところが、2010年3月10日。

私事ながら、なんとバイトを始めてしまいました。

無職じゃなくなりました。約1年4ヶ月にわたる無職生活にいったんピリオドを打ちました。自虐ネタをするには最強のカードと言える「無職」という切り札を手放したのは、テキスト書きにとって大きな痛手ですが、収入源を失うよりよっぽどマシです。最近当サイトを更新できなくなったのも、ほとんどこのせいなので、ちょっと心苦しかったりもします。そのわりにはTwitterガンガンやりまくってるんで、要は時間の使い方がヘタなだけなんですけれども。

ぼくがバイトを始めた日は、奇しくも今回ツアーの下敷きにもなっているKANのニューアルバム「カンチガイもハナハダしい私の人生」の発売日でした。2010年3月10日。まったく奇遇です。

また、そのバイトというのも、もしかすると「カンチガイもハナハダしい私の人生」というアルバムタイトルにぴったり符合するような仕事なのかも知れない、という気がしています。ハナハダしいカンチガイに基づいて、地元の実家を離れ、のこのこしゃしゃり出てきた赤面モノの場違い感。ちなみに始めたのはもの書き仕事です。この先きっちりこなせていけるだけの自信や確証は、まだありません。

4月25日(日)にZEPP TOKYOでKANライブの追加公演があります。今のところツアー最終公演の予定。今回アルバムで「予定どおりに偶然に」という曲で共作をしているASKAのゲスト出演が、なんとなく有力視されています。このチケットを、先日一般発売で入手しました。仕事を始めたことによって、経済的・精神的困窮からはひとまず脱出できそう。働くと好きなアルバムも買えるし、好きなライブにも行けるので、まずはこれから働きます。

ちなみにこのアルバム自体は購入して5回くらい通して聴きました。9曲入りだけど15曲分くらいの濃密さ。ほとんどネタバレせずに初めて聞いて、1曲目でいきなり爆笑しました。もう、良いとか悪いとか、最高とか最低とか、そんな次元での評価は不能。詞も曲もアレンジも理路整然と組み立てられているのに、完全に頭おかしい。これだけの作品を放っていれば、ミュージシャンには慕われるだろうし、KANのカンチガイも当然です。