ハロコン処女喪失体験談

中野サンプラザで行われたハロー!プロジェクトの合同コンサート、「シャッフルデート」(8日夜公演)と「モベキマス」(9日夜公演、10日昼公演)に行ってきました。レポります。


いわゆる「ハロコン」を見るのは生涯でまったく初めてのことでした。はじめての経験。

これまで延々と飽きもせず北海道に住んでいた身の上においては、ほとんど東名阪でばかりおこなわれるハロコンは参加するのにいちいち精神的、物理的な距離がものっそい遠く離れているものでした。あと、これは怠慢なんですがDVDの映像ですらほとんどまともに見たことがなく、ぼくの中でハロコンは存在しないことになっていたのです。

ハロプロの歴史の一部を担ってきた数々の脱退セレモニー、シャッフルの常態化、エルダだのワンダだのといった分化、公演会場の縮小化などなど、さまざまな歴史を積み重ねてきたようなのですが、ほぼスルーでした。情報源はひたすらネットかマスコミ。逆によくこのていたらくでハロヲタ名乗れたもんだなと思います。もちろん人それぞれの楽しみ方があるということです。

ただ最近せっかく東京に移住してきて、事情が変わった。中野サンプラザは家から40分です。

たしかにハロプロは何百という理由によって徐々に地盤沈下を起こし始めてこそいますけれども、消滅してるわけでもなんでもない。むしろ未だになんとか命脈をつないでそれなりの規模でやってる。じゃ、一度は行っておかなきゃね! ということで足を運んできました。チケットの入手についてはかなりゴニョりました。いろいろ助かりました。

細部をレポっていくとキリがないですし、鳥頭なうえ目が節穴すぎるので細密なレポはできませんが、忘れないうちにいろいろ書きつけておこうと思います。もうややこしいのでシャッフルもモベキマスも全部ごっちゃにします。演じ手は同じわけですから1時間50分+1時間50分の合計3時間40分の公演を一度見た、という自分に都合のいい考え方です。



いい写真


出演者はモーニング娘。Berryz工房℃-ute、真野恵理菜(というか真野ちゃん)、スマイレージ、そしてハロプロエッグ。みんなキラキラした衣装で激しく整然と歌い踊るのです。

ぼくが見たすべての公演で、メンバーがひとりとして欠けることなく終始ステージに立っていました。それは当然のことなのかも知れないのですが、年頃の女の子をつかさどった正月公演としては、いい体調管理だなと思いました。

以下、「モ」「ベ」「キ」「マ」「ス」に分けて書いていきます。



新曲「女が目立って なぜイケナイ」は、説明的なタイトルで損しまくってるけど、悲しくなるくらいカッコイイ曲でした。

ぼくは楽器演奏なんてあまり縁のない人生ですけれども、絶対この曲でドラム叩きたいしギターをカッティングしたいしバイオリン弾きたい。またそんな曲をモーニング娘。が超カッコよく歌い踊っている。最高だ。中野サンプラザの充実した音響設備から聞こえてくる爆音に、肉薄してくる殺意のようなおどろおどろしさを感じ、完全に興奮して、気がついたら右膝に青あざが出来てました。

途中で歌った直近シングル「きまぐれプリンセス」も在宅でスルー気味でしたけど、構成がキッチリしてるしキャッチーだし、シングル20万枚くらい売れても別にふしぎじゃない曲だよなー、くらいの勢いを感じました。大音量で聴くから細部がボヤかされてそうごまかされるだけなんでしょうか。よくよく聞けば「ちょいエロ笑顔」とか歌詞でげんなりする、というのはあります。

メンバーに目を向けると、道重さゆみモベキマスメンの中で唯一現存するテレビスター。毒舌ナルシスという危ない橋を渡りながら、なんとか注目を集めていますが、アイドルとしてはかなり王道の人で、黒髪ロングの髪型は二つ縛りやポニーテールにはするけれどデビュー以来一貫してひたすらほぼ崩すこともなく、遠目から一目でそれとわかる存在感がいつかしら確立されてました。

続・美勇伝」という知ったこっちゃないユニット名のユニットで、道重はベリ菅谷とジュンジュンの間に挟まれてセンターでいるというだまし絵によって、ガリガリに痩せているように見えました。石川梨華の跡目を継いできっちり石川さん役を勤め上げているところなんざ、儚げなかわいさに加えて風格まで備えてきたようで頼もしいかぎり。あと歌を「顔で歌う」人なのでとても大型モニター映えしてました。

幕間トークコーナーで道重さんは「シャワーでおしっこを流す初夢を見ました。スッキリしました。私って超カワイイ!(大意)」という内容のトークを客席からの盛大なブーイングの中できっちり完遂するという地肩の強さを見せつけていました。

ガキさんの初というショートヘアはもともと小顔だからなのか、やたら似合ってました。まるでずっとそうであったように感じられるほど違和感がなさすぎた。昨年末、NHK-FMで懐かしい歌謡曲をアラフォー世代あたりに向けて送る長時間の生放送があり、この番組のアシスタントをガキさんが務めていて、その中でガキさんは「来年こそはショートにしたい宣言」を番組中にしており、もう有言実行なのでした。途中のトークコーナーで ( -e-) >ファンの皆さんが私の髪型が変わったことに翻弄されるのを内心ニヤニヤしながらステージ上から眺めていたのだ、みたいなことを言いながら、顔芸でこにくらしい表情を作っていてたまらなく面白かったです。

シャッフルコンのオーラス「恋愛レボリューション21」は、おそらく誰の耳にもタコで安牌すぎるのだけれど、日清食品太麺堂々」CMで使われたのもあるし、「ミュージックステーション」「しゃべくり007」などのテレビ番組で現役もしくはOGチームがたまに披露したりする機会が今でもあるし、2010年初頭の今になっても外せない選曲には違いありません。

恋レボは今回は珍しく「フル」で披露されたということもあり、発売から10年近くが経とうとしている今でもきっちり斬新に聞こえるし、サビの会場全体がフルスロットルになる一体感、昂揚感は得難いものがあります。「♪この星は(れいなー!) 美しい(ガキさーん!)」は全力で叫んで、あとで声カスカスになるしかありませんでした。



Berryz工房の「ライバル」はナマで初めて見て聞きました。めちゃくちゃいい曲でした。

新曲「雄叫びボーイWAO!」とそれに続く「HAPPY!Stand Up」は二曲続けて盛り上がってたいへん悦ばしことなんですが、曲のラストの締めが同じ「ワォ!!」という単語なのでワンパターンだなと思いました。「雄叫びボーイ」と「流星ボーイ」で「ボーイつながり」でカブッてもいる。清水ミチコ的にベリーズ作曲講座が開けそうな気もします。

くさすのはたいがいにして、Berryはいい曲が本当に多いです。「流星ボーイ」は、で聞いてるうちはAメロBメロの間延びした平坦な感じが本当に退屈極まりないなー、って想い続けて歯牙にもかけていなかったのだけれども、結局ライブではその間延びするところに「みやびー!」とかコールが埋め合わせするので、まったく問題なく、実はとんでもない曲でした。悔い改めた。大音量で聴く「流星ボーイ」は本当にずっと聞いて踊って飛び跳ねていたい。7人のメンバーのうちでは嗣永桃子の動きしか目に入りません。

モベキマスでは「流星ボーイ」のあとに同じダンス☆マン楽曲の「そうだ!We're ALIVE」が続いており、つなぎ方もよかったし、この気の利いた流れはホントに最高でした。

トークコーナーで、嗣永が「菅谷は涙を流せるとか女優魂が炸裂していてすごい」と誉めた返す刀で菅谷が「嗣永は弟といっしょに風呂に入ってる」と言ってたり、ジュンジュンがベリ清水に告白していたり、須藤茉麻が「魅力的な唇ランキング」で第一位に選ばれていたり、とベリはトークでも熱かったです。清水はモテていて、夏焼も「自分のつまらない話を佐紀ちゃんだけは笑って聞いてくれている」とありがたがっていました。ハロプロ楽曲大賞の推しメン部門でも年々着実に票を伸ばしているし、佐紀のスキスキ指数上昇中って感じがします。



「あぁ!」が「FIRST KISS」を歌い出したとき、あの小さかった鈴木愛理(当時小学三年生)がこんなに大きくなって…と感慨もひとしお。しかもまっとうに育ってるどころか、特になんとも思ってなかったはずの幼女が、堂々唯一無二の立派すぎる超アイドルスターに成長してくれて奇跡という他ありません。

だいたいお嬢様すぎるお嬢様なわけで特に芸能界でがんばる必要もない人なのに、人一倍類い希なるスキルやセンスやルックスをもって生きしまえているのが呆れるくらい健気だと思っています。ちょっとどこにモチベーションを置いて仕事できてるのかわからず、その意味不明さ、ミステリアス加減を含めて、鈴木愛理という人はこれからも追い続けるしかないのです。

世にほとんど出ることがないであろう「夢と現実」の歌いっぷりは、どちらかといえば℃-uteに「SHOCK!」じゃなくてこっちを持ってくるべきなのでは? というくらいもったいないですね。

ただ、新曲「SHOCK!」はたいがいアレだけど、しいて見どころを挙げるなら、鈴木愛理ワントップの背後で、矢島さんに中島早貴ナッキー。以降nksk)が並列的に肩を並べたところは、今だからこそ意義が見出せる部分だと思っています。矢島がボーカル取らせてもらってないことはこの曲に関しては重要ではない部分だと思っています。それくらいの仕掛けはよくありすぎることです。明確に鈴木愛理体制が敷かれているのはハナっからそういう安室奈美恵とスーパーモンキーズ体制をよかれと思って狙っているからだろうし、この曲がウケてないのは、あくまで曲の出来のせいです。なんスかあのチャカポコしたアレンジ。

それよりも矢島さんとnkskが比肩する存在になってるのが、ひそかにものすごく地盤が固まっているように感じられて、ひたすらに興奮するのです。矢島さんは筋肉バカで無尽蔵の体力を持つ人だし、遠くからステージを眺めていてもその運動量やしたたる汗、身体の動きの大きさなどは抜きんでたものがある。そんな超人に対抗するnkskもダンスに関してはベリの清水キャプテンとのダンスバトルの例をひくまでもなく定評があるエキスパートで、細身の身体ながら動きについては矢島さんとなんら遜色がない。昨年末にソロ写真集も出したnkskの伸びしろ。これはもう青天井という他ないわけです。枝葉末節としては巨大モニターで見たnkskが口元を隠せばいよいよ矢島舞美と瓜二つ、というのもあります。たとえば次のシングルでnkskセンターとかになったら震えるでしょう!

nkskはもちろん、歌唱力の岡井ちゃんと、なんだかわからないマイマイが控えているのだから、依然として魅力的なグループであることはまちがいありません。さすがに鈴木愛理矢島舞美が脱退したら℃-uteはもう℃-uteじゃないよなとは思うけれども、まだ楽曲次第ではぜんぜんどうとでもなる魅力に溢れたユニットだと楽観的に思っています。



ハロコン会場の空気が一瞬にして変わるな、と思ったのは真野ちゃんの出番です。

キーボード置いてミディアムな「マノピアノ」歌い出したときは特にデカい。延々ギュルギュルの激しい曲ばかりが続いてきて「マノピアノ」というのは騒ぎたいヲタにはタルい休憩タイムかも知れない、というのは否定できないと思うんです。退屈に思う人もいるかも知れない。

でもぼくは真野ちゃんの指先の動きとペダル踏む足の動きとたおやかに微細に揺れ動く真野ちゃんのボーカルの呼吸ひとつひとつに全身全霊を傾けて注視、聞き入るしかないのでした。ピアノ弾きたいです弾けるものならば。真野ちゃんと連弾したい。

ラッキーオーラ」もアップテンポでそこそこノリのある曲のはずなんだけどヲタのいつものノリと微妙に呼吸が合わず、だからこそ面白い空気を醸しだしていて、KAN作曲・たいせいアレンジはこうも異色だ。ピアノの音で収束していく質感がたまらない。

あと「マ」でもうひとり特筆すべきなのはシャ乱QまことのMC。ここに触れるのは10年遅れって感じで忍びないのだけれども、本当に初めてまともに見たので感想を述べると、おもったよりひどくなかった。「はい、なるほどー、わっかりましたー」で大部分のトークを締めようとするボンクラぶりはどうかと思うけど、時間の制限もあるだろうし、メンバーによるアドリブトークも拾うところはそれなりに拾っていたし、男性だけれども性的なにおいはまったく感じさせず、淡々と「影ナレ」的に進行してました。

もちろん別にまことじゃなくていいし、もっとうまい人は芸能の世界には五万といるのだろうけど、そんなこと言ったらハロプロの曲だってつんく♂以外の優秀作曲家にどんどん作ってもらえればいいわけで、結局はアップフロントの軍門に下るしかない。贅沢は言いません。もう邪魔にさえなんなきゃいいです。



これまでのハロコンの噂を総合すると、曲と曲のあいだのトークのくだりは、なんかろくでもない○○アワードみたいなのをして興ざめだとか、よろしくない評判ばかりで今回も不安だったのだけれど、杞憂でした。

それぞれのユニットの出番が終わったあとのよきところで、テーマに沿って大喜利っぽいトークをしたり、エピソードをちょい暴露しあうとかやっていて、これが意外すぎるほどまともというか、メンバーの個性に頼るところも大きいけれど、まっとうに成立していました。詳細はこちらに詳しい。

で、特によかったのが真野ちゃんスマイレージを擁した大喜利です。ネタふりが「ケータイ大喜利」っぽくてテレビ的な実用に耐えそうなものばかりだったのもそれなりに練られてる印象でよかったです。回答のクオリティはさすがにアイドルさんらしく、そこそこで、真野ちゃんと最年少のサキチィには少し厳しかったかも知れないけれど、ゆうかりんとかにょんとDAWAの回答は、いずれも「大喜利に答える人」として心得たものでした。

これは現地で観てないんですが、お題「犬のおまわりさんが迷子の子猫ちゃんを家に送り届けた後、さらに困った事がおきました。さて何でしょう?」に対するDAWAの回答「自分が誰かわからなくなった」はちょっと凄いです。


連日はしゃぎすぎて全身筋肉痛でキーボードもまともに打てなくなってきたので、あとはもうサラッと思いついたこと書いて止めにします。

亀井ちゃんがまじめに主力っぽくやってるのにびっくりした。モーニング娘。「すべては愛の力」って今さらだけど意味深なタイトル。Buono!はぜんぜん会場の熱気が違って一歩間違えば社会現象。ライブのチケットは争奪戦みたいだけどなるべく行きたいです。ZYX-αとかユニット名はどうでもいいけど往年の「行くZYX!FLYHIGH」も「白いTOKYO」も持ち歌シングル2曲がいずれもハロプロ楽曲史に残る名曲なのでズルいし、シャッフルコンはこの2曲を擁している段階で既にとんでもない。プッチモニVもユニット名は頭おかしいけど「ピラッ!乙女の願い」は真野ちゃんとnkskが一緒に踊ってるというだけで価値があるし、案外スルメ曲でバカに出来たものではなかった。他にも「LOVE LIKE CRAZY」「好きすぎてバカみたい」「C/C(シンデレラコンプレックス)」「恋するエンジェルハート」などが終盤に並んでいるシャッフルコンは盛り上がった。ハロプロエッグは有能な人材をだいぶ飼い殺してると思う。

誰でも大好きを自称する、いわゆるDDという身に堕した自分としては、細かい部分さえ考えなければ、あるいはイヤなことがあってもとりあえず一時的に忘れてしまえるという都合のいい鳥頭さえ持っていれば、ハロプロは未だに十分すぎるほど楽しめます。ハロプロすごい。「シャッフルデート」も「モベキマス」も行けて良かったです。


女が目立って なぜイケナイ」は本当にしびれました