板東英二ブームの正体


さて年の瀬、2008 年もいろいろありましたが、今回は「板東英二ブーム」について振り返っておきます。「てれびのスキマ」さんが今年のテレビバラエティ界を振り返ったエントリの中でさらっと触れられていたのでハートに火がついてしまいました。

(参照:板東英二-wikipedia

これまで板東英二といえば、甲子園、中日ドラゴンズ、実業家、俳優、「マジカル頭脳パワー!!」などの司会、借金まみれなど数々の大味なイメージがありました。

しかしここにきて「ゆで卵」だの「ブログ」だのという小ネタが次々と覚醒。その結果、雪だるま式に新たな「板東英二」像が膨れあがっていったのです。

以下、小分けに。

ものまねとゆで卵

「ボクほんまゆで卵だいすきやねん」と真摯に語ってしまえる無邪気がすてき。

よりによって「ゆで卵」のことが大好きだと公言して憚らない板東英二に「庶民的」などと好感を抱く人も多いかと思います。そもそも板東英二という人が庶民なのがどうか疑問点もありますが、「新幹線の中で 6 個食う」などのガチゆで卵 Love エピソードの微笑ましさ具合と、あと板東自身がなんかゆで卵みたいなシルエットの顔してるのがおもしろいんだと思います。

もとを辿ればナインティナイン岡村隆史によるものまねが奏功してそうですね。

オールナイトニッポン」の投稿コーナーで岡村は数々のものまねを披露していますが、そのレパートリーのひとつ「板東英二」がわりと以前からハマってました。

そして 2007 年以降、岡村は「めちゃイケ」「ぐるナイ」など数々のテレビ番組で板東英二のものまねを、「ゆで卵好き」のエピソードと共に披露し、それに乗っかっていくかたちで板東本人の新たなキャラクターも世に幅広く知れ渡ったといえそうです。

ものまねに関しては他にも「かみじょうたけし」という芸人がいますよね。こないだ日テレ系のナイナイ特番で、岡村隆史、かみじょうたけし、松村邦洋、そして板東英二本人が相まみえて、板東英二ものまね祭りが行われてました。松村邦洋も決して代表ネタではないにも関わらずうまいです。


「本物の板東英二はどれ?」

公式ブログ効果

驚異のタイトルが名付けられた「板東英二のブレイクしたいねんっ!」というブログが立ち上がっています。「ブレイクしたいねん」。はい完全な出オチです、ありがとうございました。この年代このポジションの人にこんなタイトルつけられたら平伏するしかありません。

文章そのものは事務所のスタッフが書いてるようですが、エントリーごとに添えられた板東英二の写真が、いちいち愉快です。


その目は・・・

プロ野球選手やで

個人的に今年いちばん感慨深かったのは、板東英二がラジオのプロ野球の実況中継で、ちゃんとまともな野球解説をしていたことです。これまで板東英二の解説って聞いたことなかった身の上には斬新でした。

板東節というか、いつものように軽妙な脱線トークをたまには展開しながらも、選手やコーチ、監督などへのバックネット裏での取材をよりどころにした、とても堅実な話しぶりだったのです。

正直驚きました。

これは日本一になった西武のデーブ大久保が打撃コーチをうまくやっていたのと同等のサプライズですよ。「あ、できるんだ!」って。

偏見って怖いですね。

バラエティタレントとして

そもそも関西ローカル方面ではとっくの昔から多くのレギュラー番組を抱えているようで、その意味でも今さら「板東英二ブーム」とか言い出すのは見当違いだと思うんです。

ただ全国区のバラエティ番組に顔を出す回数は明らかに増えました。

世界ふしぎ発見」のレギュラーは盤石ですが、たとえばくりぃむしちゅーの「シルシルミシル」では素人のおっさんに混じっちゃミニコント的な VTR に参加したり、「ジャンク SPORTS 」では「昔は王長嶋よりすごかったんやで」ってな自慢話を浜田雅功につっこまれ、「ヘキサゴン」では旧知の島田紳助とよろしくやってる。今年は本当にちょこちょことよく見かけました。

いわゆる「イキッている」人だとは感じるんです。不遜な態度を取ることが多くて、自慢話も堂々と。

ところが生来の愛嬌の良さというか、「ふしぎとにくめない」という表現を使えばいいんでしょうか、特に老害という感もなく、むしろ若手中心のバラエティ番組にも当たり前のように適合している。ましてやいじられ役にさえも寛大なスタンスを崩さない。

老境にさしかかったベテランのみ発揮できる妙味が炸裂しております。

そんなわけで

板東英二の新たな魅力が幅広く伝わった 2008 年でした。

あとはブログ本が発売されてヒットすれば本人の念願らしい「ブレイク」ってことになるんでしょうか。板東英二ならば 100% 出版はするでしょうし、またその宣伝にかこつけてバラエティ番組に出まくる姿は今から容易に想像できます。

板東英二 68 歳、まだまだ元気です。

元気なおじいちゃんです。



おつかれさまです