Perfume イベント@ 札幌 KRAPS HALL

さてさて。Perfume イベントの話です。

最新シングル、ベイベークルージンラブの CD に封入されていたミニライブ抽選はがきに応募してみたところ、ラッキーなことに当選したので行ってきた。生イベントです。先週あたりに東京かどっかで催されたという Perfume の本腰フルライブがあまりにも凄かったという各所のレポートを指くわえて眺めていたものだが、2008 年初頭、その興奮の一端でもリアルタイムで味わえるだろうと、ずーっと愉しみにしていた。

場所は札幌 KRAPS HALL。以前 KAN の弾き語りコンサートで来たことがある。なんだかどこで何やっても思い出が KAN とつながるな。まぁいいや、とにかくそんなに大きな会場ではなく、今回は整理番号がジャスト「 200 番」ということで、別に死ぬ気で前のほうで見ようという気もないので開演時間の直前になってから社長出勤でのろのろと馳せ参じて最後列からまったりノッてもいい☆カナ? と邪気が生まれたりもしたが、生来の律儀さゆえ開演 1 時間前にはきっちり行列に並んでしまった。

案の定、時間を持て余した。そのうえ半分外気に晒されて並んでいたので超寒かったし、またどのみち整理番号は 200 番台半ばで打ち止めだったため、結局いつどのタイミングで会場入りしてもスタンディングの鑑賞ポジションに変わりはなかったな、とこれは本気で失敗こいた。

ちなみに並んでいるあいだ、自分の眼前に並んでいる男性と自分の背後に並んでいる女性がちょうど知り合いらしく、ぼくのことをサンドウィッチマン状態にして、前後でペチャクチャ喋りまくっているのがたいへん疎ましかった。iPod美勇伝オリジナルベストでも大音量で聴きながらその場をやり過ごそうとしたが、イヤホン越しに聞こえてくるおしゃべりがそれ以上にノイジー

この状況は逆手に取るしかない。とやがて妙なネタ拾い精神に駆られたぼくは、イヤホンを片耳だけ外して、そのおしゃべりがいったい何を話しているのか、一言一句聞き漏らすまい、とガン聴きすることにした。盗み聞きするわけじゃない。仕方ないじゃないか勝手に耳に入ってくるんだからと自己正当化。

すると意外となかなか濃いトークが展開されていて心奪われる。「 YouTubeニコニコ動画でこんな動画があるよ」だの「 mixi でこんなコミュやってるから覗いてみてよ」だの。ファンクラブ入っただの入ってないだの。今後の全国ツアーがどうの。振り付けがどうの。淀みなく話され続ける内容はいちいち充実のヲタぶりで雑誌連載やテレビ話まで的確な固有名詞も次々と繰り出され、こちらとしては強制的に聞かされているだけだったが、変な満足感が味わえた。いい暇つぶしになった。ただ当の本人たちは総じてチャラい雰囲気を醸し出していたため、決して関わり合いにはなりたくないなとは思った。

やがてホール内に入場。

開演まではそれでも 30 分近くの間があるため、場内でうすく流されている Perfume 楽曲に耳を傾ける。ベイベークルージンラブ、SEVENTH HEAVEN 、エレクトロ・ワールド、Twinkle Snow Powdery Snowチョコレイト・ディスコ、パーフェクトスター・パーフェクトスタイル・・・今さらながら、どれもこれも、いちいち超がつくほどの名曲ばかりだ。もう本人たちがわざわざ出てこなくても、フィルムコンサートというか、大音量で Perfume ×中田ヤスタカ楽曲ばかりが流されるクラブイベントなどがあればそれで事足りるんじゃないか、などと不埒なことを考えたりもした。


と、本人たちが登場!

挨拶
SEVENTH HEAVEN
チョコレイトディスコ
MC
ジェニーはご機嫌ななめ
マカロニ
MC
ベイベークルージンラブ
ポリリズム
挨拶

やっぱりこの 3 人だな、最高だな、と開演前の不埒な考えをすぐにあらためるのだった。

シニカルなキャワ声トークはどこまでも果てしなく、独特のダンスは映像で見る数倍の迫力とキレ味。ゆたかな表情におもわずこちらも顔がほころび、巧みな客煽りにはむしろ「こんな小さい会場で盛り上げようとか、もったいない! 申し訳ない!」とさえ思わされた。盛り上がり的にはもっとデカい会場でぜんぜんおつりがくる。

またルックス的にはハロプロほど見どころが無いと思われた 3 人ではあったが、今回はかしゆかが前髪パッツン切っていたのが新鮮で、またこの新ヘアスタイルがかなりのキャワワ具合を発揮しており個人的にはほとんどロックオンであった。相変わらず目ちっちゃいちっちゃいだったけど逆にそこが日本人形のようなわびさび風情を醸し出していた。

そしてそもそもどこを切り取っても神曲連発のセットリスト。なによりひそかに、かの名盤「コンプリートベスト」に収録されていた曲を、今回一曲もやってない! 「ベイベークルージンラブ」と「ポリリズム」というブレイク後シングル A 面 B 面中心の控え目な選曲とはいえ、いい方向いい方向へ転がり続けている最新系 Perfume の好調ぶりが伝わってくるステージで、これはニューアルバムへの期待感も否応なしにブリブリ昂ぶらざるを得ない。単独ライブも行く一択です。

ひとつ心配性の身の上として気がかりなのは今後の客サイドの問題で、今はまだおとなしくしているものの、最近ファンクラブが結成されたということもあり、徐々に「ヲタ文化」みたいなものが不文法的にとはいえ形成されつつあるのが、なんかヤだ。わがままなのは重々承知の上で。だってアレでしょ次第に一見さんお断りの合いの手とか誕生したり、やがてハロプロのノリそのままに「オイ!オイ!」のノリとか気持ち悪いヲタ芸とか始まって、一気に堤防決壊してしまうんじゃないか。そこんところがやたら不安で仕方がない。まぁこんなものは Perfume サイドのやってることとは特に関係ないんだけどね。まだ客サイドの空気が十全に確立していない今だからこそ客として居心地がいいのかも知れません。

ちなみに退場時には無料で配っていたベイベークルージンラブのポスターをもらってきて、超ご満悦で家まで帰ってきましたとさ。そして部屋の壁に、未だに鎮座ましましている「マツケンサンバⅡ」のポスターと、上下に並べて貼っておいた。Perfume のが上。ちなみに横には美勇伝。壮観だ!


あと帰ってきてから「 R-1 ぐらんぷり 2008 」と「爆笑レッドカーペット」 3 時間スペシャルと村上ショージの「ガキの使い」とケンコバ陣内の「新堂本兄弟」を見て、笑って、力尽きる。