ごっちん三部作の完結

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後藤真希さんの最新シングルは 1 泊 2 日のレンタル CD で 100 円で借りてきた。今のところカラオケでなんとなーく歌えるくらいのレベルには自分の身体の中に叩き込んでいる。

シングル曲としては、傑作「ガラスのパンプス」とあと「 SOME BOYS! TOUCH 」に続いての、おとなちょいエロ路線、かつ時流に逆らえず倖田來未もうっかり意識しちゃいました三部作、の第三弾だと勝手に思っている。アップテンポを二作続けてからの、満を持してのバラード。前作から約 5 ヶ月の間隔が空いてしまったとはいえ、リリースバランスとしては悪くない。

楽曲をじっくり聴いてみるとこれがなかなか丁寧な作りを誇っていて、大サビみたいな箇所にも迫力があり、後藤さんの歌唱力の向上なども相まってそこそこ聴きごたえのある作品になっていると思う。メロや歌詞に「あれ? つんく♂変態?」と感じさせるような部分が無い。まぁ、それはそれで物足りなかったりもするんだけれど。

そうだ、トータルのイメージとしてはいい意味で「重厚」、わるい意味で「遊びがない」だ。つんく♂さんがソロ歌手に提供する気合い十分の渾身バラードには特性があって、松浦さんの「 THE LAST NIGHT 」も「青春宣誓」も、安倍さんの「 22 歳の私」もそうだったけど、こう肩に力の入った息が詰まるものばかりで、なかなかカラッと突き抜けない。

あまり関係ないのだがジャニーズの「テゴマス」の新曲とか、CM くらいでしか聴いてなくって曲名も知らないものの、バラード調なのに初聴きの印象だけで爽快で春めいていて、すっかりなごんだよ。


で、ちなみにこの曲の全体像を構築したといえるアレンジャー田中直さんの仕事は、ピアノを基調にして特に余計な装飾を挟むこともない律儀なアレンジぶり。やっぱり遊びがないし、むしろストイックともいえる。3 曲目のインストだけを聴いてみると、実に透明な印象で心洗われます。

カップリングの「インナーチャイルド」は、いかにも『ゴマキ』全開といった雰囲気満載のロック歌謡で、なんともカップリング然として収まりのいい曲でございます。