松浦亜弥に鈴木 Daichi 秀行

さっそくですが「鈴木 Daichi 秀行楽曲大賞」の続きをやります。

何週間ぶりだ。もう誰も憶えちゃいないんじゃなかろうか。しかしぼくはひとときもこの案件を頭から忘れ去ったことなどないのだよ。いつも我がハロプロ魂は 鈴木 Daichi 秀行先生と共にあるのです・・・。

さて今日も今日とてそんなハロプロ御用達アレンジャー・鈴木 Daichi 秀行先生の手がけた松浦亜弥楽曲をここにリストアップしてみましょう。

ちなみにニューアルバム「ダブルレインボウ」には一曲たりとも Daicih 作品は収録されておりません。やった。いやそういうことではなく、そもそもつんく♂大御大の楽曲が一曲もないわけで、そこに付随してきた Daichi さんの不在は当然の報いといえるのです。ていうか高橋諭一さんや鈴木俊介さんなどおなじみのメンツの名前もいっさい見えない。

で、このアルバムね、耳に新鮮っちゃたしかにそうなんだけれど、旧来のこれでもかと慣れ親しんできた作品と比して音方面でクレジットされてる制作陣が今回ばかりはほとんどリニューアルされているってのは、一聴して、う〜んどうなんでしょう、とミスターばりに当惑するのもまた事実であります。洗練されてるっちゃされてるし、かといって、つんく♂流のいい意味でのお遊び感覚、もっといえばエグさみたいなものは微塵もない。

まぁでも CD 屋で火曜日にフラゲして以来、個人的には耳に入れっぱなしです。詳しい感想文とかは後述するかもしないかも。とりあえずアルバム表題曲「ダブル レインボウ」は最近めっきり連発気味のどバラードでありながらも迫真の歌唱と唐突な歌詞世界の展開との合わせ技でグイッと一本とられるので鬼リピです。他の曲はじわじわじわじわ。


話は戻って Daichi さんミーツ松浦さん楽曲としてぼくが個体識別をできているものを年代順に挙げていきまっしょい。

リミックスとかリアレンジ版のようなエキストラ的なものを除くと、まずシングル表題曲では「 The 美学」(2002)に始まり、「草原の人」(2002)、「 GOOD BYE 夏男」(2003)、「奇跡の香りダンス。」(2004)、「ずっと好きでいいですか」(2005・小西貴雄氏との連名)、「気がつけば あなた」(2005・名越由貴夫氏との連名)と数多い。

またカップリングやアルバム曲では「 LOVE TRAIN 」(2004・「×3」収録)、「友情 〜上カルビ〜」(2005・c/w「気がつけば あなた」)、あと渋いところでは河野伸さんアレンジの「恋してごめんね」(2004・「×3」収録)でなぜかベースアレンジ&プログラミングのみを担当しているらしいです。

アイドルあややとしての売れっ子急上昇ぶりを土台にした上での、シングルワークスを中心としたこの 2002 年以降の Daichi さん流れ。

はたして人気が定着して以降の松浦さんの音像を作りあげたのは Daichi さんに負うところが実際のところかなり大きいわけで。幸か不幸かなかなか密接な関係を築き上げてしまった。ベストアルバムの選からすら漏れてしまった「 The 美学」は、いったいアイドルあやや終了の引き金になったというのか?


で、大仰に論を進めようとしたところでやめまして、Daichi さんネタと関連したことを最新情報を織り交ぜて気楽に述べてみますと、ちょうど今日 10 月 13 日から松浦亜弥さん秋のコンサートツアーがハーモニーホール座間って場所で始まったんですって。初日。

あとこの先はネタバレしちゃうわけだけれども、セットリストとか市井の評判とかかいつまんでいろいろ見てたら、だんだん現物を観たくなってきちゃったよ。

なにより特筆すべきことだなと思ったのは、今回のツアーの曲目に、↑上ににつらつら列挙した鈴木 Daichi 秀行先生ゆかりの楽曲が、なんと一曲も名を連ねていないのだ。地球に優しいノー Daichi リスト。

そりゃ「 The 美学」もライブでは盛り上がるに決まってるし「気がつけば あなた」もぼくも北海道厚生年金会館で 2 年前に聴いたとき「あぁこの絶世の歌声はこのまま永久に聴いていたい」とかマジヲタ炸裂なことを思ったものだけれど、それでもなかなかに徹底した今回の Daichi 排除には、こうスッキリと溜飲の下がったような気が・・・。

(※ちなみに唯一 Daichi さんアレンジの「 GET UP ラッパー」が流される局面があるらしいけれど、いくら「×3」に収録されているとはいえ元来シャッフルユニット SALT5 の楽曲だしステージでも歌っちゃいないらしいからノーカウントで)


で、さっさと今日の結論。

Daichi さんが手がけた松浦楽曲でなんとか納得がいくのは、アルバム曲の「 LOVE TRAIN 」を置いて他にございません。あとはどうにもこうにも。

ラブトレイン。二十代後半のぐったり OL ワンルーム独身ひとり暮らしが舞台です。残業続きの平日仕事を終えて夜遅く帰宅したのちため息つきながらソファに寝っ転がり発泡酒を枕頭にメールチェック。今や惰性だけでつきあってる彼氏に茫漠と想いを馳せながらのため息ミッドナイト。そして外は降り止まない雨がしとしとしとしと。みたいな。

そんな死にたくなるような情景が思い起こされてたまらないバラード曲が「 LOVE TRAIN 」です。まぁ上記のようなことは歌詞にはまったく書かれてないわけですけど。空気感が本当にそう。名曲なのかどうかは微妙なれども、なんか「見える」。

ただし、もっと他のアレンジャーがやれば神曲になってたかもなァ・・・とかは、あー思わない思わないちっとも思いやしない。Daichi さんの良くも悪くもこぢんまりとした室内で完結するような音作りだから成し得た業なのでしょう、とここは素直に感じ入ります。


おわり