藤本美貴に鈴木 Daichi 秀行

Miki 1

終わりの見えない鈴木 Daichi 秀行さん楽曲大賞。貴重な休日を使いまして、よりによって今回は藤本美貴編へとまいります。

かつてソロ時代の藤本美貴に提供された鈴木 Daichi 秀行アレンジ作品「会えない長い日曜日」(2002)「ボーイフレンド」(2002)「ブギートレイン'03」(2003)「満月」(2003) のすべてを、今あらためていろいろな傷跡をほじくり出すように聴いている。

するとどうでしょう。すべての楽曲に関してそのアレンジに何の違和感もなく、ふつうに愉しく聞こえてしまうのだ。我ながら驚嘆すべき事実がそこにあった。

Daichi さん作品をわりと本能的に忌み嫌うようになって久しいが、それは単なる先入観、偏見によるもので、もしかするとリアル聴覚ではハナッからまともに聴こうという気さえなかったのではないか、と思い始めている。Daichi さん、実はけっこうイケるのではないか。

ただし自分に言い訳をすると、そんな好評ぶりも、あくまで Daichi さん作品ばかりをほぼ集中的に聴いているがゆえ他のハロプロ優秀アレンジャーとの相対評価をすることが無くなり、Daichi さん絶対評価、によるものが大きい。

変則的な無人島レコードみたいなもので、たとえばもしも世界中の優秀アレンジャーというアレンジャーが、なんかこう不毛な「アレンジャー狩り」みたいなものに遭って不幸にも次々と消息を絶ってしまい、この地球上にただひとり Daichi さんだけがなぜか元気に生き残っていると仮定すると、これはおのずと Daichi さんに頼らざるを得ないわけです。これは Daichi さん崇拝に容易に陥る。

デビュー曲の「会えない長い日曜日」ね、これカップリングの「 Let's Do 大発見!」のほうが藤本もフェイク全開で終始鳴ってるギターやよきところのブラスもきめきめでファンキーで、テレ東系「新・美少女日記」のテーマソングだったし、うろ憶えだけどたしか最初は「大発見」のほうがシングル表題曲の予定だったんですよね。そんな予定がなくてもその可能性は十二分すぎるほどあった。

それが実際は「日曜日」のほうだったわけで、もったいないような気がずっとしていたのです。悪くはないけど、だって Daichi だし・・・って。

でも今聴いてみると、多少こうるさいけど、徹頭徹尾四つ打ちドカドカでつんく♂もアーイェーアーイェーうざいくらいに張り切ってて、とても勢いがあるじゃぁないですか。いいんですよこれでも。

余談ですが、「どうにかして土曜日」と「会えない長い日曜日」という楽曲タイトルは、ともに週末生活の一部になっています。


「ボーイフレンド」は音圧がやたら高めに設定されてるような印象。曲が始まるや否や鼓膜がちょっとびっくりする。

しかし曲調やメロディラインがおとなしいのだから、アレンジも無駄を省いたおとなしいものであり、かつ緊張感や女の子のかわいらしさを保ったような雰囲気作りができなかったものか・・・となんとなく AKIRA 編曲のバラードによくあるような作風と比較して無いものねだりのアイウォンチューをしてしまいそうになる。後藤真希の「 LOVE 缶コーヒー」みたいな、ね。サビが同じように「♪ねぇ」から始まるという類推に基づいて申し上げます。

いや、でもこれはこれでいいのか。「ボーイフレンド」にいわゆるシングル曲っぽいゴリ押し感を付与するとなれば、適性は AKIRA よりも Daichi さんのほうにありますしね。そうだそもそも「ボーイフレンド」は地球上のアレンジャーで唯一の生き残りこと鈴木 Daichi 秀行さんの手によるものなんですよ。だから逆らえない。なにより亡き子の年齢を数えるように AKIRA のことなど思い出してしまうのがいけなかった。そう、Daichi さんはハロプロ絶対神。打ち込み音圧爆裂バンザーイ!


なんだか本音を語ればいいのか妄想による強弁を繰り出せばいいのか自分でもスタンスを定めにくいことこの上ありません。そんな文章が結果的に皮肉に読み取れるのだとすれば、それはそれで結果オーライなんですけれども。うーん、何が言いたいんだ。