これ何て玉音放送

傑物

長年にわたる健全かつ真摯なアイドル生活ですっかり人格が陶冶され尽くしまくりまくった石川梨華さんが CBC ラジオ「美勇伝石川梨華のちゃんちゃか☆チャーミー」においてお口から放つ一言一句のいちいちが、もはやあまりに尊すぎる。「これ何て玉音放送?」といった心持ちにならざるを得ず、こちらとしてはただ平伏するしかない。

かつて誰かが石川さんについて「筋の通ったことしか言わない」などと評していた記憶があるけど(つんく♂だったかな)、ほんとその通りで。ましてや「筋の通ったことばかり言う」んじゃないんだよ『筋の通ったことしか言わない』んだよ。少々行き過ぎた感すらあるよ。

先週 5 月 11 日の放送にて、己のプロ意識みたいなものについてリスナーからのハガキでベタ誉めされた石川さん。それに対して石川さんもありがとう嬉しいよって喜々として応えるという、まぁファンラジオ特有の半ば自作自演みたいな生ぬるいこともやってたけど、やはり言ってることは真っ当至極だしすげーなと思ったんです。

我慢できなくて以下に書き起こしちゃったんだから。

( ^▽^)

ハガキ「梨華ちゃんこんばんはー」


ハイこんばんは!


ハガキ「一切合切あなたにあ・げ・る♪ 買いました!」


あ、どうもありがとう。


ハガキ「めっちゃ聞きまくってます。つんく♂さんが(オフィシャルサイトの)コメントで、梨華ちゃんは『髪型や髪の色、メイクの仕方などを(自分に)聞いてくる』と書いていました。このコメントを見てあらためて、梨華ちゃんの音楽や、エンターテインメントに対する情熱を感じました。きっと梨華ちゃんに、こういう初心を忘れない心と、向上心があるかぎり、美勇伝は成長し続けるのだろうな、と思いました。こんなリーダーをもった三好ちゃんと岡田ちゃんは幸せですね」


ありがとうございますー。


いやーでもほんと嬉しいですけど、そうなんですよ。いつも、たとえば曲に合わせて、わたしはその曲の世界に入り込むために、やっぱり気持ちももちろん大事なんですけど、衣装もそうだったり、メイクもそうだったり、髪型とかも、もう全部ひっくるめて、やっぱり考えるんですよ。そうしたときに「自分に出来ることって何だろう」って。ただ、あの「こうしてください」って言われるだけじゃなくって、自分で最近はやっぱりアドバイス・・・ん、アドバイスじゃない、自分で、あのー、持ちかけるんですよ、「案」を。


だから今回、たとえば「髪型は何でもいいよ」って言われたら、「ちょっと曲に合わせて前髪を切ってみました」とか、「色もちょっと暗くしてみました」とか、メイクも、PV でのダンスシーンは、ちょっと衣装もセットも派手なので、メイクもちょっと、いつもよりも、目元を濃くしてみたりとか、なんか常に、そのー、固定の『石川梨華』じゃなくって、曲によって、やっぱり、曲が違うから、そのときに出せる『石川梨華』も違うと思うんですよ。でその曲に合わせて、なんか、変えるんですよね。


もちろん曲だけじゃなくって、たとえばミュージカルとかドラマとか、いろんなお仕事ありますけれど、フットサルとか、ま、フットサルはナチュラルメイクですし、なんかそうやってやってると、たのしいんですよね、自分で。


だから「しょっちゅう梨華ちゃん髪型変えるね!」って思ってると思うんですけども、もちろんそのときの気分もあるし、だからコンサートとかは、もうそのときの気分でガーッとおでこ出しちゃったりとか、ちょっとリボンつけちゃったりとか、二つ結びしちゃったりとか、もうほんっとに、なんだろな、ぜんぶ引っくるめて、好きでいて欲しいなぁ、と思いますね。


ちょっと微妙なときもあると思うんです(笑)。やりすぎちゃったときとかね。カチューシャ三個つけちゃったりとかさ、ほんとに、お花でっかいのつけちゃったりとか、もうみんなビックリしてると思うんですけども、ま、全部引っくるめて、「あ、梨華ちゃんだな」と思ってくれれば(笑)、嬉しいです。


ということで以上、梨華のこばなしでした。


「石川さんひそかにセルフプロデュースしていた」の巻である。


たとえば松浦亜弥が純然アイドルポップ路線から微妙に趣向をずらして「砂を噛むように・・・ NAMIDA 」みたいな渋い楽曲を自らの意向でシングル曲として選出してみたりあるいはコンサートでストリングスなどの生音楽隊を引き連れてみたりと、賛否両論あるけれどもこと音楽に関してはアイドルらしからぬセルフプロデュースが可能な環境を与えられている一方、ハロプロのちょい先輩であるところの石川さんは、 5 年前の、それこそ松浦も在籍していた三人祭とかあるいはカン梨華のときとかと今の「一切合切あなたにあ・げ・る♪」とでは衣装にしろ振り付けにしろ歌唱にしろ、ほとんどやってることが一緒でまったく進歩が無いのではないか? と思わせときながら、実は与えられた環境の中でひそかに最大限のセルフプロデュースを試みていた、という健気なお話である。


ちなみに参照サイトとしてはリスナーからのハガキもあったように、つんく♂オフィシャルサイトにおける美勇伝の新曲に対するつんく♂のコメント(http://www.tsunku.net/viyuden.htm)を挙げるしかない。

彼女なりに日々の努力です。 「前髪切ってみました」「髪の色はどう思います?」「メイクはどんな・・・」と、まあ、その前向きな情熱がこの美勇伝を大きく成長させていくんだな。と感じました。


ともすれば上意下達で義務化しがちなアイドル稼業などという、おそらく世に無数に存在している職業の中でも最大級にがんじがらめで窮屈であろう仕事の中で、なお自らすすんで愉しみを見つけていこうとするアグレッシブな意気込みなんざ、これもう労働者の鏡であってね。そりゃもちろん仕事だけがすべてではないですけれども、とても正しいお仕事との付き合い方だよなぁ、と思うのです。偉人すなァ、偉人すよォ。ていうか神に近い。



あと、ついでに不敬罪やも知れませんがそんな現人神さまについて僭越ながら余談を申し上げますと、最近ちょいちょい全国各地でおこぼしになっていらっしゃる石川さんの、自らの上乳、谷間、換言するところの両のおっぱい様について、ご自身ではいったいどのようにお考えなのか? いったいどういうおつもりなのか?? 何が目的なのか???  一度お聞きしたいところであります。


というのは 4 月に行った「ハロ☆プロパ〜ティ」の公演で、目の前で(もしくは双眼鏡を通して)繰り広げられたあまりのことに、僕は結論として「あッ! 石川さんのおっぱいなどこの世に存在しませんよ、これはしませんよ!」という妄念に泣きながら囚われる羽目になった昨今なのであって、今にして思えばあれは浮遊する幻、エクトプラズムに過ぎなかったんじゃないかと。あそこまでいくと一種の心霊現象ですよ。