書き逃げ美勇伝

美勇伝さんのコンサートに関しては感じることが山ほどあったが、いざそれらを記載してみようといった段になると身構えてしまい、まとまらず、いわゆるセットリストというか曲目の順番ごとに何かしら記していけばとりあえずはお茶を濁せそうだ、という歪んだ価値観に従ってこれから書いていくことにする。



01.恋する♥エンジェル♥ハート
コンサートでみんなで盛り上がれるような曲を、という意図で製作されているため曲調もそうだけど振り付けがフリコピ推奨余りある出来。つんく♂さん公式サイトでのこの曲に関するコメントが的確にそのことを裏付ける。「まごころの道」セルフカバーの一件でもそうだが、つんく♂さんは石川さんに対してメールで「ご意見うかがい」をすることが多いようであり、なんなら逆説的に石川さんが作曲家つんく♂にプロデュースを施しているようでもある。石川さんの価値観を信頼しているつんく♂さんが愛おしくもある。この曲はしかしフリコピ推奨を意識しすぎているせいかスケール感というか横の広がりに欠ける印象。わりとこぢんまりとしてた。


02.キョウモマッテマス
リリース当時から石川さん自身が大好きだと自認していた曲。ところがいかんせん安っぽい。三流アイドルがアンダーグラウンドで数十人の客に一生懸命アピールしているようなステージに見えた。


03.曖昧ミーMIND
B メロでの騎乗位ダンスは最初の美勇伝説での発表当初は度肝を抜かれたものだった。しかし今やお三方の谷間さんがこっそり上下に揺曳したところでた、た、た、た谷間ががががと軽く動揺するくらいで失神するまでには至らない。慣れたものだ。個人的には品川ステラボウルで催された美勇伝説 2 でこの曲が披露されたときぼくはライブハウスのスタンディングだというのにこの騎乗位フリコピをステージ上の美勇伝さんたちを無視して地べたに這いつくばりながら完遂してしまったこともあり、観るより踊るのが優先ではレポも何もあったもんじゃないだろう、と一テキストサイト人として激しく自己嫌悪に陥ったことを覚えている。


04.唇から愛をちょうだい
タオルぶん回しっぱんしのすっとんだ曲でありながらも客席では身の危険も感じる。サイリウムぶん回しているキチガイもいるからな。当たったら一溜まりもないので細心の注意を払いながらタオルを頭上で軽くかざすくらいが関の山だ。本来ステップも真似したいのだけど全員がそれをし出すと死者が出かねないので控えざるを得ない。「曖昧」から「唇」へ、というこの曲目の流れは美勇伝のカラーを象徴している。タオルぶん回しだけではない石川さんのキレキレな動きにも注視されたし。


MC
和洋折衷的な衣装ですよみたいなことを言っていた気がする。


05.紫陽花アイ愛物語
意外とコミカル。


06.クレナイの季節
シングル DVD を購入して何百回も繰り返し観、むりやり振り付けを覚えてしまったがために、比較的ミディアムテンポの曲調であり周囲のヲタが乗り方に困っている中、これみよがしに完コピでフリやら歌やらを客席からやりまくるという見苦しい行為に終始一貫してしまう。悪い癖だがこの曲だけはどうしてもやめられない。美勇伝には入りたくないが石川さんにはなるべく同調していきたい。


07.カッチョイイゼ!JAPAN
「♪世界の人と手と手をつなぐ」の部分でいつも隣の客と手を合わせようかどうしようか一瞬悩むが結局一度としてやった試しがない。


MC 石川梨華
ありがたいありがたーいピン MC は古き良きちゃんちゃかチャーミーの「梨華のこばなし」そのもので三公演とも喋る内容がまったく違っておりこの部分で心底満ち足りた。紅白での和田アキ子を思わせるあえてマイクを捨てた生声での「ハッ、ピー!!!」二連発は何ごとにも代え難くたいへん良かったが、同時に「声量無いなァ」とも思った。またコンサート会場のサイリウムが綺麗で好きだという話題で、場内が暗転し、暗がりに広がる客席のサイリウムを目の当たりにして、「あッ、ワァ〜!」とものすごい高音で少しばかりのわざとらしさも含みながら感嘆していた声は、痺れるくらいものすごいかわいかった。


08.シュワッ 岡田唯
岡田さんは歌が年々ヘタクソになっていってる気がしてならない。


09.ひとりじめ 三好絵梨香
回転ベッドで寝そべりながらの登場で三好祭の本領発揮。ボディコン風味の露出度高めな衣装であり、ここで双眼鏡を用いたら負けだなと思ったので双眼鏡を覗くようなことはなかった。


MC 三好絵梨香岡田唯
石川さんを除いたこのふたりでレギュラーのラジオ仕事をしているというが、喋りには妙な間がところどころに空いたりもし不安感にさえ苛まれた。MC の内容は三公演とも違っていて(大阪公演とはカブっていたようだが)それなりに聞き応えはあった。


10.ロマン 石川梨華
この曲に対する想いは数日前の日記にたっぷり書いたので省略。かえすがえすも衣装が抜群に宜しい。


11.Tea Break
自分の耳がバカなのか音響がダメだったのか、この公演中トータルでずーっと音の歪みがひどいと感じ、美勇伝さんの歌唱もめっきり音がハズれていたような気がした。石川さんの歌がはずれっぱなしとかそういうのはよくあることなのでむしろ構わない。そのレベルではなく、ただでさえホールで細部まで聞き取りにくい音全体が妙な圧力をもってぐわんぐわんあらぬ方向へ飛んでいってしまっているようで、まったく耳が安定せず、曲に乗っかろうという気力を失った。他の曲ではいっさいそんなことなかったのだけれど。アレンジャーのせいにはしたくないが鈴木 daichi 秀行さんの手による楽曲で、不信感も増大せざるを得ない。モーニング娘。の「元気+」および「歩いてる」でも CD 段階で豪快に音割れを実現させていたし。なにかあるな。


12.パジャマな時間
岡田さんの B メロでのハイトーンボイスでの絶唱美勇伝説 2 のときのほうが口パクでも無かったろうにまだ「聴けた」はずなんだけれど。ちょっと聴くに堪えなかった。そして曲の世界に入りこみっぱなしの石川さん百面相には狂気さえ感じる。


VTR〜人形劇〜
これも数日前の日記に書いた。岡田さんの「スタッ」と三好さんの「グヘッ」が未だに脳裡に貼りついておる。石川さんとの拭いきれない 1 vs 2 の構図が、ここだけは下克上。


13.まごころの道
仕切り直しの一曲は落ち着きすぎ。若干退屈だと思う素直な心を許して欲しい。


14.クラクラ ディナータイム
自分では完璧にクラクラクラップできていると思い込んでいたのだが、あとで念のため曲を聞き返すと「おぼえまちがっていた」部分があったことも判明。ヘコむ。サビ直前に三発連続でパパパと鳴っているところは、てっきり要らないもんだと思っていたけど、パパパ叩くべきだった。失敗したー。


15.恋のヌケガラ
デビュー曲は裏切らない。


16.美〜Hit Parade〜
滑稽ダンスが美勇伝ならでは。


17.一切合切 あなたに あ・げ・る♪
本編ラストツーでスタンドマイクもわざわざ設置してオリジナルに忠実なのはとてもいいこと。でもノリにくい。フリコピに走ろうとするも茫洋としながら上半身の動きだけを真似ているため身に付かない。サビ前までは意外と全身運動であるため、まずはそこからスタートしたい。


18.愛〜スイートルーム〜
本編ラストはいちばんの鉄板。どうしてこんないい曲なんだ。


アンコール


19.愛すクリ〜ムとMyプリン
日曜夜公演でぼくは本気で半壊した。というのは周囲の環境にいろんな意味で影響を受けたせいで、とりあえず通路席だったため右半身使い放題の踊りまくり可能というのが、まずあるにはあった。しかしそれでいて左隣のお客は推定体重 100kg の巨大な御仁で圧迫感がハンパ無い、というこのギャップ。その御方はわりとノリノリだったのはすばらしいことなのだが、リズム感が絶望的に悪く、手拍子もちぐはぐで合ってなけりゃ「まごころの道」等のバラードで手拍子をするという腐った展開が訪れたのだ。

いっぽう前方のヲタは連番二人組で公演前に「美勇伝ってなんでこんなに愉しいんだろ?」と泣かせるような会話をしていたのだが、そのぶん天然というか、今時めずらしいピッカピカの特効服を着用なさっており、しかもそのうちひとりがバリバリの三好さんヲタ、もうひとりが岡田さんヲタという絶滅危惧種であった。三好さんヲタは「みぃぃぃぃぃよぉぉぉ!」と叫ぶだけだから特に害はなかったものの、問題なのは岡田さんヲタ。杉浦太陽みたいな声変わりしたかしてないかくらいの関西弁を口にする彼は、右手に複数本のサイリウムを派手派手しく持ち、岡田さんが歌っているパートでのみ、跳びはねながらそのサイリウムをぶんぶん振り回す。これがものすごい振りかぶるので後方のぼくにも当たりそうだった。叱りたくなった気持ちは、自分が二歩下がって鑑賞することで沈めた。

そのあいだにも隣の巨大ヲタは、ことあるごとに「フォ〜〜〜ッ!」と超音波の奇声を発しておりそれがまた身体のデカさに比例して声量あるもんだから鼓膜破れるんじゃないかってくらいうるさい。

この天国のような地獄のような悪環境に途中までかなり苛立っていたのだが、正直これは自分が壊れるより他に術がないな、と判断したため、ふだんは双眼鏡プレイに執着することも多い「愛すクリ〜ムと My プリン」だが、その公演に関してはひたすら踊ることに専念したのだった。フリに忠実に回転もするし胸も寄せるしお尻もさすります。で、自分もタイミングとか無視して「フォ〜〜〜ッ!」とか裏声で絶叫。いやぁたのしかったですよだいぶキレ気味だったけど。


MC


20.LET'S LIVE
恋する♥エンジェル♥ハートのカップリング音源で初めて聴いたときはメロが変にこちゃこちゃ細かい動きをしていてスケール感に欠けるなぁという気がした。しかし曲名のとおりライブ向けらしく見た目に愉快な振り付けや石川さんの煽りがかなりの昂揚感を生み出していて、公演を重ねるごとに新たな定番曲としてのポテンシャルを感じさせ始めた。客の側が慣れただけってのもあるんだけれど、意外といける。石川さんの煽りというのは、サビ前に 1 番で「右手を上げて〜」と音に合わせて腕を振るよう客に要求、そして 2 番では「両手もアリだよ〜、ハイッ!」と両手を振っても宜しいと許諾するもの。実になごみますね。平田祥一郎さんの音色も「愛〜スイートルーム〜」などと同様、なんだかんだいってハズれがない。家に帰ってきて聴いてみてもシンセブラスが途端に活き活きとして聞こえてきます。エンディングはだいぶ SMAP の「 Dear WOMAN 」みたい。


で、最後はプチサプライズで堕天使たちが再登場して不穏な空気の中、幕を閉じるのだった。アナログな上下運動に苦笑い。



反省点としては、なんかほとんどフリコピのことと印象批評くらいしか書いてない気がする。自分で読み返してみてもライブ評としてはなかなかに見苦しい。その場ではこれ書いてる二兆倍のテンションで愉しめたので自分の中では別にいいのだけど、それを言語化することができないのがひもじい想いだ。ハロプロを取り巻くさまざまな状況の中で、徹頭徹尾「石川さんはありがたい」、というのが偽らざる本音です。