逃げるアイドル

日テレ系「ウタワラ」で、タッキー&翼が「 Venus 」を歌っていた。

そんな彼らの周囲をファンらしき女性たち数十人が、黄色い声援をあげながら、ぴょんぴょん跳ねながら、手拍子をしながら、そして振り真似をしながらぐりぐりと包囲していた。

これ、こないだのテレ朝系「 M ステ」で見たのと同じような演出である。「 M ステ」ではタッキーがどっか海外に行っていて、日本の今井翼とは「合成」の画で歌っていたのだけど、そのときもやはりファンらしき女性たち数十人が、今回の「ウタワラ」とまったく同じような空気感を醸し出しながら彼らをやはりぐりぐりと隙間なく包囲していた。

なにこれファンを装ったプロのダンサー?

とは一見率直に思った。ただのファンにしては妙に統制が取れすぎている。そんな振り付けまで覚えているファンなら超至近距離のタッキーとか今井翼に興奮しすぎて卒倒するとか、興奮の仕方なんていくらでもあるもんだろうけど、あまりにきっちり手振りしすぎ。

いや、しかし逆にファンだからこそ統制が取れている、とは言えそうだし、ビジュアル的にも、正直あまり垢抜けてない方々ばかりではあったのである。ふつうプロダンサーなら、もっとこう、いやらしく滲み出るプロっぽさがどうしても隠せないはず・・・。

あの不自然なファンらしき女性たちの正体は「ジャニーズのファンクラブ会員から抽選で選ばれたエキストラ」とか、そんな感じなんでしょうかね。みんなギャラも手弁当で参加してたり。どっかで調べればすぐわかりそうだけど(※わかりました)。

当サイト、最近ハロプロファンだけじゃなく、ジャニーズファンからの視線もうすうす感じているところなんです。どうも。すみません自意識過剰で。

本筋とは関係ないけど、「ウタワラ」での亀梨君の「青春アミーゴ」のソロ歌唱は、口パク丸出しでそこはたしかに唖然としたわけだけど、サビでの足の上げ方とかはやっぱりビシッと切れ味が実に鋭いなーって思った。自分で振り真似してるだけによけい凄さがわかる。


そんなことよりどうしても考えちゃうのは、タッキー&翼の演出に女性ファン(らしき人々)を使ってやってることを、ハロプロでそっくりそのまま転用してみれば、いったいどれほどの惨状になるか、ということですね。

ごっちんが新曲を「♪インマラー」とかわいく踊り歌っている周囲で、 100 人のファンクラブ会員のヲタ男たちが一斉に飛び跳ねながら、そしてヲタ芸やりながらうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ・・・あ、ところがこんなのは既に「 M ステ」とか歌番組でさんざんやり尽くしていたのだった。悪評以外の評判を聞いた試しがなかった。

もし一口にヲタといっても、あっさり爽やかイケメンもこみち風味が集ってるとかならば多少は見栄えもいいんだろうけど、なにぶんファン層的にはどう足掻いても禿頭、肥満体、特効服、裸など、とにかく非人のオンパレードで目も当てられないものだから・・・。

カジュアルディナーショーみたいに衣服にも気を遣うよう事務所側からお達しがあれば良いんだけど、滲み出る負のオーラはおそらく打ち消せません。よほど厳選してオーディションをする必要があるだろう。あと、どうでもいいことなんだけど、こないだ TBS 系「大バク天」でやってた「完全メイド宣言」の歌披露も、 OAD とかヲタ芸打ちまくりで凍ったね。


で、今般の「ウタワラ」演出では、最初スタジオの外らしきところで最初歌ってたタッキーが、どうやら歌が佳境にさしかかったところでスタジオ内に歌いながら駆け込んでくるのを女性の集団がズドドドドドと追いかける、って一幕があった。

・女性ファンに走って追いかけられるタッキー&翼

これがそれなりに「画」になっちゃうわけだ。まぁ「追っかけ」という言葉もあるくらいだし、まるで違和感がなかった。またこういうちょっとしたコミカル演出って、どこかテレビ芸能的な「古典」という気もする。たとえば 80 年代とかに学ランのたのきんトリオが女子学生の大群に追いかけられる、とかそんなドラマや映画があっても不思議ではない(・・・内容薄っぺらそうだけど)。

じゃあ、逆にこれはどうだろう。

・男性ファンに走って追いかけられる後藤真希


ここでもっとも肝心なのは、後藤がどんな顔をしているのか、ということである。シリアスな顔、半分泣きそうな顔、それともキャッキャと満面の笑顔。

シリアスな顔だとミステリアスな雰囲気を演出してるようで「ゴマキ」っぽい。半分泣きそうになってたら最悪だね。犯罪がらみ。だいたいヲタはいったい追いついたらごっちんをどうする気だ、というか何が出来るのか。ペタペタ触ったりするのか。半径 1m 以内とかの射程距離に捉えたら、もうそれ以上はいいやって近づこうとしない気はする。

いや、そもそもごっちん足速いから、ヘタすりゃ逃げ切れちゃうかも知れない。