5 回目[抑揚]

冒頭の吉澤のセリフというのは
「いつも、ずーっと一緒やったから、気づかへんかった。なんで、遠くにいってもうたん?」
というもので、関西弁を用いていることの是非はこのさい置いておくとして、まず一聴して、「なんで」の部分がイントネーション的にはっきり奇妙に感じられる。当方別にネイティブ関西人ではないが文法としておかしい。

これ「なんでぇ〜?」とちょっとだけ語尾が上がり気味になっているのだが、その後の「遠くにいってもうたん」とのつながりを考えると、あくまでこの「なんで」は平板アクセントであるべきではないのかぃ。「なんで」単体で疑問形にするとニュアンスがおかしくなってくるし、あまつさえ「なんでぇ〜?」と語尾が弛緩してるのも気になるところだ。

もちろん吉澤も製作者サイドもそんなことはわかっているに決まっていて(そうじゃないと死刑)あとは吉澤自身のマイクに向かった際の心意気ひとつというか、要は「で」の部分の音階があとほんの少しだけ下がっていれば、そしてキリッと研ぎ澄まされておれば、こんな重箱の隅を突かずに済んだのによ、というお話である。

あと「 AS FOR ONE DAY 」の例をひくまでもなくこの手の関西弁セリフは加護ちゃんにやらせたい。加護ちゃんならもっと拒否反応を起こさずに済んだのでは。