吉木りささんラジオ現場、半年間ずっとヘブン状態

2010年9月27日(土)の「劇団サンバ・カーニバル」(FM-FUJI)放送分をもって、吉木りささんが半年間におよぶ番組アシスタントを無事卒業しました。

この番組は、劇団ひとりが毎週土曜日夜10時から2時間、東京・代々木のサテライトスタジオ「STUDIO VIVID」から公開生放送しているラジオ番組。半年ずつ、女性アイドル2人が順繰りにアシスタントを担当しています。吉木さんは同じグラビアアイドルの佐藤さくらさんとともに、3代目アシスタントを務めていました。

今年3月、ぼくが盲目的に好きだった番組「キャンパスナイトフジ」が1年間で放送終了。金曜深夜の明るくてバカバカしいお祭り騒ぎにまさかの終幕を告げられ、悲嘆に暮れていたのです。

そんな折、女子大生からなるキャンナイメンバーの中でもズバ抜けて好きだった吉木さんの「劇サン」レギュラーが決定。テレビとラジオ、金曜日と土曜日、いろいろ条件は違うけれど、毎週末に2時間の生放送が行われるという意味ではありがたすぎる抜擢でした。

「劇サン」がすばらしかったのは、劇団ひとりトークの安定感だったり、番組スタッフのいたずらっぽさだったり、といろいろあるのですが、やはり「公開生放送」であること、この一点に尽きます。

「劇サン」現場の魅力

吉木さんが登場した初回の放送こそ、何故かうっかりスルーしてしまったものの、第2回放送で吉木さんが楽しそうに話している声を家で聴いていたら、もういてもたってもいられなくなりました。今すぐ会いに行きたい。

ってことで放送の途中ではありながら、吉木さんの甘い声に吸い寄せられる愚かな虫のように代々木のスタジオに駆けつけたのです。携帯ラジオとイヤホンと財布だけたずさえて着の身着のまま。この日がひとつ巨大なブレイクスルーだったかも知れません。家から現場まで約30分で行ける距離だったのも実用的な魅力でした。

それからの半年間、毎週土曜日が本当に楽しくてたまらなかった。お金のことを言うのは野暮ですが、ラジオの公開生放送を観覧するだけなので、見るのは完全に無料なんですよね。しかもいくらお客さんが集まってもせいぜい平均30人程度なので、さほど苦もなく至近距離から吉木さんを凝視することができる。屋外からの観覧なのでガラス越しですが、それでも超ありがたいことです。

放送中もラジオブースの中から吉木さんと佐藤さんはホワイトボードを駆使して、ガラスの外のファンと積極的に交流を図ってくれました。基本お互いの声はいっさい遮断されているのですが、文字と表情、身振り手振りなどでリアクションを返してくれていました。2人とも礼儀正しく、ファンに向けて半年間ずーっと真摯。その様子からも人間性の良さは十二分に伝わってきました。

あと、これは吉木さんのレギュラー登用後しばらくしてから気づいたことなんですが、放送終了後には吉木さんと佐藤さんの2人がわざわざスタジオの外に出てきてくれて、「後説」というか、ファンへの挨拶みたいなことを直接してくれるんです。で、ひとしきり挨拶が終わったあとは、ファンと個別に交流会。

普通、握手会やサイン会って、お金払ってCDとか買ったりしたうえで、アイドルの人たちと机を挟んで、係員に背中を押されて、まるでベルトコンベアのように高速に、みたいな待遇を受けることが多い。でもこの現場では、基本的にはマネージャーが吉木さんたちの背後から監視しているものの、たまにマネージャーもスタッフも誰ひとりいないときがあったりして、よくもわるくもほったらかしでした。

到底ファンがお金を出さなきゃ計画すらされないようなイベントが、太っ腹というべきか、この場ではただあっけらかんと、あるがままに行われていた。お互いの信頼関係のもとで、時間に余裕があるときは2分くらい話すことができたり、握手さえしてもらえたり。そんなありえないことが毎週続きました。

毎週土曜日の夜、代々木に行けば、必ず吉木さんに会うことができたんです。

最後の夜

9月27日の「卒業公演」。

吉木さんは、習い始めて3カ月だという津軽三味線をスタジオに持ち込み、おそらくファンの前で見せたことのない三味線の演奏を披露してくれました。


(c)劇団サンバ・カーニバル

アイドルがこういう楽器を披露するときってグダグダになることも多いはず。ところが吉木さんは「アルプス一万尺」の伴奏をなんだかちゃんと弾けてました。三味線ケースから三味線を取りだした瞬間、いつも優しいはずの吉木さんの目つきがギリッと鋭く変化したのを今でも忘れません。

そして圧巻だったのが「黒田節」。もともと民謡を習っていて歌は抜群にうまい吉木さんですが、それに加えてこの「黒田節」ではただ原曲を歌うのではなく、この半年間「劇サン」で自身の身に起きたことを全部替え歌にして、三味線で弾き語りをして見せたのです。

またこれが鳥肌モノ! 「よく噛む」とか「マンガアニメ大好きキャラだけど詳しくないので疑われてる」みたいなことを、全部おもしろおかしくネタとして昇華したうえで、黒田節にして仕上げてきたのです。

あの劇団ひとりも吉木さんの演奏後に「すげークオリティ高いじゃないか!」「この芸、超おもしれー」「三味線弾きながらボーイズラブって単語が出てくるだけでおもしろい」「感動したわちょっと」とベタ誉め。代々木のスタジオの外でもファンの拍手がしばらく鳴り止みませんでした。

あらためて言うのもアレですが、めちゃくちゃ美人なうえに歌がうまくて三味線が弾けて放送作家的な能力まで兼ね備えているグラビアアイドル。吉木さんはほんとに日本の至宝なんじゃないかと思ってやみません。すみません。

そんな吉木さん爆発の卒業公演は、意外なかたちで幕を閉じました。

最後はアシスタント2人の手紙の朗読で締めるということで、まずは佐藤さくらさんの手紙朗読。これはこれで当然万感込み上げます。

そしてトリが吉木さんです。番組への思いがたっぷりつまった本当にステキな手紙。普段ブログとかでも社交辞令的なことか「ぶふぅ」とか感覚的なことしか述べなかったりする超右脳的な発想の持ち主の吉木さんですが、実は秘めてるものがものすごく熱い。そして超まじめ。吉木さん自身も感極まって朗読は少し涙声です(それがまた奇跡的に可愛い……)。今聞き返してても泣ける。とにかく完璧な手紙です。

ただ、徐々にこの放送は異様な雰囲気になってきます。というのも、吉木さんの手紙が異常に長い! ぜんぜん終わらない!

で、なんとか最後まで辿り着いて、めでたしめでたし、ということになりそうなところで、劇団ひとりが一言、衝撃的な発表をするのです。

ひとり あの、感動的な手紙だったんですけども、吉木さん、おもったよりも手紙が長くてですね、あのですね、驚くんですけども、


あと10秒後に番組は終わってしまいます


吉木・佐藤 えーーーッ!?www

吉木さんの手紙があまりにも長かったため(5分ありました)、おそらく最後に用意されていたであろう劇団ひとりからの挨拶とかがすっ飛んでしまった。生放送なのでいかんともしがたい。

そしてラスト10秒。

ひとり もうこれでお別れですよ!
吉木 さびしい!www
ひとり また来週! 「劇団サンバ!
全員 カーニバル!!」

・゚・(ノ∀`)


そのままなし崩し的に本当に放送が終了! 吉木さん最後のアシスタントは、吉木さん自身が招いた事態でもあるのですが、なんだかわちゃわちゃしたまましかし賑やかに終幕を迎えました。


放送終了後のいつもの後説。

過去最高人数のファンが駆けつけて、代々木の現場は混沌としました。あまりにも長蛇の行列ができてしまい、ぼくは吉木さんとほんのり挨拶程度しか会話を交わせなかった。ただこの日初めて佐藤さくらさんともガッシリ握手できたりして、つまりは悔いを残すことなく、すっきり「劇サン」リスナーとして最期を迎えることができました。

吉木りささんを楽しめる現場として、コストにしろ、充実度にしろ、満足感にしろ、これ以上はもう何も望めないんじゃないか。想いを馳せるたび、代々木駅前で半分予定通りにしかし半分偶然に吉木さんに遭遇してキョドったことや、放送中に吉木さんひとりだけがブースに取り残される事態があって爆レスだったことなど、ちっちゃな思い出もたくさん甦ってきます。

あまりにも最高すぎる半年間でした。


そして今、尋常じゃない虚脱感に苛まれているのは道理です。

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