「オモコロ」イベントに行ってきたよ

12日(土)に「オモコロ」のイベント「あたまゆるゆるナイト2 コンクリートをつきやぶって」が新宿ロフトプラスワンで催されました。L コードの数字「32181」を「ミニ遺灰」と覚えるとよい、という語呂合わせがドンピシャだったのでローソン店頭端末機 Loppiで前売りをさっくり購入。

当日行ってきました。


昼の 12 時 30 分に始まって、たしか 15 時 20 分くらいに終わるという、超健全な時間帯。まっとうなインターネット好きならこの日の 19 時から同じロフトプラスワンで行われた「Twitter Night vol.4」を観覧するべきだったんでしょうが、このオモコロの「コンクリートをつきやぶって」というタイトルが「コンクリートを“つぶやき”って」に見えたので、それで万事収まりました。

「オモコロ」といえば、学校や家庭、地域の手に負えなくなった札付きの不良(バカ)どもを集めて海洋訓練(ネットサーフィン)を強いる更正施設(ポータルサイト)として有名ですが、その管理体制(世間の目)の厳しさゆえに脱走者が後を絶たず、収容者(オモコロメンバー)はそのあまりの凶暴性ゆえ「地下施設での会合(イベント)は防犯上あまりに危険」との関係当局(ネットの神様)の判断から開催の中止も検討されていたようです。

しかしメンバーの中でも選りすぐりのワル(ヨッピーさん)が SM 的に全身を縄で緊縛されながら股を開くという処刑画像の公開に踏み切ったことで「私たちは奴隷であるし丸腰である」との政治的主張がアピールされ、ようやく開催にこぎつけたそうです。

イベント開始の合図と共にメンバーは拍手で迎えられました。僕がひとつ奇異に感じたのは、ステージに並んでいたのが、左から、黒縁おしゃれメガネ、黒縁おしゃれメガネ、黒縁おしゃれメガネ、という黒縁おしゃれメガネ三人衆だったことです。最初その光景を目撃したときは「さっそくオモコロ流のギャグが飛び出した」「ポーカーでいうスリーカードみたいな諧謔なのかな」と期待に胸躍らせたものですが、いくら待ってもその件に触れられることは一度としてありませんでした。ただガチで黒縁おしゃれメガネが丸かぶりしているだけだったのです。寒気がしました。

とはいえ、あらためてリアルを目の当たりにしてわかったのが「オモコロメンバーはイケメン揃い」だということ。これまでも動画や画像などでメンバー方々の顔や裸は幾度となく見せつけられてきました(全部トラウマです)が予想以上のハンサムボーイぶり。イケメンがバカを標榜しているのです。福山雅治にエロトークやらせたらお笑い芸人の立場が無いのと一緒でしょう。ブサイクがバカをやることでようやく「面白い」という上乗せでイケメンと同じスタートラインに立てるのに、おもしろの分野にまで浸食してくるとか、イケメンのくせにどんだけモテ乞食なのかと。

そういえばグッズ販売用に製作したらしいオリジナル T シャツも「OSYARE&HANSAMU(オシャレ&ハンサム)」というブランドらしいですね。「OSYARE(オシャレ)」だの「HANSAMU(ハンサム)」だのという単語をわざわざ堂々と入れてしまうことで「あえてダサい」を標榜するおもしろい狙いもあるのだと思いますが、シモダ編集長がインナーとして普通に着こなしているように、意外と実用に耐えてしまうあたり、ネタ的なアプローチに留まらず金銭的あるいはモテ的な実利にも目が眩んでいるのだろうなとも思いました。

ところで無職がトレードマークの原宿さんが、このイベントでオモコロの主軸のひとりとして堂々活躍されていました。特に序盤ではすべてのオモコロメンバーがマイクスタンドに設置されたままのマイクを通して発言する中、原宿さんひとりだけはそのマイクをがっちり手に持って、握りしめて、VTR や他メンバーの発言につっこんだり、のっかったり、独自の詭弁を弄したりるなどの前のめりの遊撃体勢でイベントを盛り上げていたのです。あそこまでの主要メンバーとはちょっと想像していませんでした。

しかし原宿さんについてひとつ疑問なのは、他のメンバーが漏れなくドラえもんウォーリーを探せのコスプレ、全裸、半裸、男なのにストッキング、ハゲ頭にヨーグルトを垂らされる、ハゲ頭に垂らされたヨーグルトを舐めるなど、太田プロの若手でもかくやというような芸人はだしの身体を張った宴会芸を見せている中、ひとりだけ特に汚れ仕事に従事していないのでは? という気がしたことです。たまたまでしょうか。特に「オモコロ編集会議」を紹介する VTR のラストではカメラに向かって小動物のような媚態を見せるなど、どちらかといえばカワイイキャラとしての扱いなのです。ひどいもんです。

オモコロはシモダ編集長による強権的なファシズムがまかり通っていると聞きます。よもや原宿さんはそんなシモダ編集長に己の尻を差し出すなどの枕営業に勤しむことで他のメンバーとは一線を画した身分を勝ち取ったのではないだろうか。そう邪推せざるを得ません。オモコロ上では一見知的遊戯にばかり精を出している知性派の原宿さんですが、実際その身も心ももはやドロドロに穢れきっているのかも知れませんね。いつの時代も権力者に取り入ることが出世街道の第一歩だということでしょう。

地獄のミサワさんとガンダムのなにかの写真の強引なモーフィングの反復、あるいは「咀嚼王タケル」がよくよく聞いてみると DA PUMP の「if…」を咀嚼しながら歌っているというシモダ編集長の強弁によってなぜか二度も見せつけられる羽目になった動画については、アンディ・ウォーホルの反復によるポップアートを想起しました。「最小限の素材(の反復)から最大限の効果を得ようとする」という意味において「原稿の締め切りわずか 2 時間前から準備して完成できた!」と内輪な満足感に浸っていた咀嚼王タケルの狙いと合致しています。またシモダ編集長は咀嚼王タケルが口ずさむ歌を「if…」にするべきか「ごきげんだぜっ!」にするべきか迷ったといいますが、「if…」のメロウなタイム感と咀嚼のリズムとが、うまいこと噛み合っていたと思います(咀嚼だけに)。

あと終始右端に座っていたヨッピーさんが、前半戦はひたすら的確で大人なつっこみを入れる有識者的なポジションにいたのにも関わらず、休憩を挟んだ後半になると一転してドラえもんに変身して出オチ要因に堕し、また「白塗りで真顔」という原初的な手段でも笑いを取っていました。それでいながら「俺の取材のときの苦労を聞いてくれ」という身も蓋もない愚痴話の披露に終始していたのでげんなりです。ドラえもんに似せる気が毛頭ないのと、あと永田兄弟さんが裸になったのには何の意味もないのだろうな、とステージの両端を眺めながら、「でもやっぱり黒縁おしゃれメガネ三人衆のビジュアルも無意味という意味では同じ……」と頭が混乱しました。

ところでヨッピーさんって、サンミュージックの大ベテランコンビ「ブッチャーブラザーズ」のぶっちゃあさんじゃない方=「リッキーさん」ととても似ているな、というかたぶん本人なんだろうな、と思いました。名前も似てますし。

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冗談はともかく、緻密な笑いを志向するオモコロだけに、今回のイベントは度重なる機材トラブルだけが心残りなものの、その他はほとんど WEB 上でのオモコロ色そのままに、いい意味でバカバカしさが突き抜けた楽しいイベントでした。いっぱい笑わせてもらいましたよ!