「森君」という SMAP 公然の秘密


森と共に生きる


31 日にテレ朝系で放送された「 SMAP がんばりますっ!!」という 3 時間に及ぶ生特番には、「 SMAP の歴史を追い続けてきた」と自負するテレ朝が昔からの VTR を駆使して SMAP 結成のいきさつを振りかえる、という「通し企画」がありました。

こういう SMAP が過去を振りかえります系の企画のたびに、いつまで経っても発生してしまっているのが、 SMAP の元メンバー「森且行」をどう扱うのかという問題です。

いつも「そんな人は SMAP に最初からいなかった」という実に不自然な扱いになります。詳しくはわかりませんが「所属事務所の意向」というもっぱらの噂です。

そして今回も基本的には「最初から存在しない人」という扱いをされていました。

今のジャニーズの若い人たちが演じていた再現 VTR に、森役は不在。テロップやナレーションでの「公式的な見解」として、「森君」の名前が出されたり、「メンバーが最初は 6 人だったこと」などに言及されたりということは、ついぞ一度もありませんでした。

不可抗力として、デビュー曲「 Can't Stop!! -LOVING- 」の歌番組でのお披露目シーンや「稲垣吾郎ジェットコースター拒否事件」のときの映像など、どうしても森が映り込まざるを得ない場面では、モザイクこそかからずその顔が見られました。

しかし「できるだけ排除しよう」という執拗なカット割りが貫かれていたことに変わりはありません。

「ひょっとすると V6 の坂本昌行TOKIO 国分太一SMAP メンバーになってたかも知れない」

などという if 〜もしも的なちょっとしたおもしろトリビアはまっとうに伝えるのに、ものすごく根本のところで大きく歴史がねじ曲げられているんですよね。別に幻でもなんでもないのに。

辛うじてデビュー曲のジャケ写ではっきりと森の顔が映っていたのが、せめてもの救いでしょうか。


それでもスタジオトーク木村拓哉

「僕の記憶では森のハイキックがカットされてますよね」

と口火を切ったのは 2009 年 1 月 31 日 22 時 08 分、放送開始から 1 時間 8 分が経過したとき(放送中メモってしまいました)のことです。昔の番組で催された騎馬戦において SMAP と視聴者がヒートアップしてプチ乱闘騒ぎになったという猛々しい VTR を受けての発言です。

木村の発言はもちろん生放送ですからカットはされませんし、そのあとも森が直近のオートレースで優勝したことに触れて、スタジオ中に「おめでとう!」の拍手が巻き起こったり、中居が「いつ戻ってくるの?」と囃したてたりと、このくだりで瞬間的に「森君フィーバー」が沸き起こりました。

とにかく不自然な VTR 編集が続いたところで、この木村拓哉の発言。やっと溜飲を下げた、という視聴者の人も多かったと思います。


しかしここまで盛り上がるというのは、森の存在がテレビではめっきりタブー視されていることを、 SMAP メンバーも視聴者も、みんなが十分に認識しているからに他なりません。

たしかに今回の放送でモヤモヤしっぱなしだったのを解消してくれたのは SMAP 本人たちです。

ただ、ふだんからあまり正面きって言及してくれない、それどころか「うそつき」なのも、また SMAP サイドなのです。

いや本人たちは間隙を縫ってちょこちょこ言及してるようですから、正確には SMAP サイドの事務所というべきか、テレビ局というべきか。


ちょっと自分の思考の整理をうながすために、「森を取り巻くこの状態はいったいなんなのか」というのを、手書きで図解にしてみました。


図解「森とみんなの相関図」

すべてが雑ですが、だいたいこんなイメージで捉えています。

あと広告代理店の陰謀とかオートレース開催者側の事情とか放送作家の台本とか、 SMAP を縛り付けるものはいろいろあるんでしょうけど。

それにしても、ネットや週刊誌が真実を明らかにする、とかいうレベルの話でもまったくありません。


森且行はたしかにいた。いまくった。

なのに、画面の向こう側で「素知らぬふり」をし過ぎているし、それに「抵抗」する SMAP メンバーも、画面の向こう側から「こっち」のほうへ呼びかける。その訴えは決して「上」には届かない。

あまりにも為すすべなく「公然の秘密」すぎる。

そんな状態が、ただひたすら、もどかしいんです。