「ブログ」に関するそれぞれのスタンス

「週刊ファミ通」の発売日が、今売りの最新 9 月 3 日号を境に、創刊以来ずっと定着していた「毎週金曜日」発売から、「毎週木曜日」発売へと一日繰り上がりました。

そんな最新号を手に取ると、伊集院光の連載コラム『伊集院光接近につきゲーム警報発令中』が、これまでは「モノクロ」で「半ページ」扱いだったはずなのに、いつの間にか「カラー」の「 1 ページ」に異動してました。

「モノクロ→カラー」「半ぺージ→ 1 ページ」の流れは、一見すると「格上げ」のようですが、この動きに伴ってコラムの最上段に伊集院の顔写真が載り始めたりして、連載イメージの転換にかなりの戸惑いもあります。まるで 30 分の深夜番組から 1 時間のゴールデンに昇格したよう。

最近始まったばかりの次長課長・井上や矢口真里の連載コラムの並びに、伊集院が割り込んでいるようでもあります。たしかに同じ「芸能人ゲーマー」という大味なくくりはあるにせよ、ほのかに「ライト」な感じが、伊集院の立ち位置としてはあまりふさわしくない気がしています。

まるでアメブロとかの絵文字バリバリが主流の芸能人ブログに、ひとりだけいきなり大ベテラン女優の梶芽衣子のブログが紛れ込んでる感じです。ちなみに梶芽衣子オフィシャルブログ『女をやめたい』はこちら。顔文字・絵文字、いっさい無し！なぜアメブロを選んだ？

ところで芸能人ブログといえば、伊集院光は本人のブログをいっさい公開してません。

いかにも電脳パソコン魔人みたいな風体をしているのに意外なことです。しかしそのかわり本人がラジオで言うことには、「自分のパソコン内だけでローカルで書いているブログ」は、きっちり継続しているらしいです。それってただの旧来的な「日記」ということなのでは…と思いますが、あくまで「ブログ」ということです。

それこそファミ通に連載したり単行本を出したりしてるし、本人の口からほとんどノーリミットな駄弁を発することができるラジオの生放送もやってるから、ブログをやる意味もないんですけどね。

しかしこの伊集院の言いぐさには、一種のすがすがしさを感じます。以前「デイリーポータル Z 」でライターの方たちが「 24 時間ネット断ち合宿」に赴いて、無印良品 105 円の紙のノートを使った交換日記を書いては、いちいち「ブログ」だと言い張ってたのに似ています。

両者ともにもちろん詭弁であります。ブログでもなんでもない。インターネットを使っていない。

しかし詭弁も貫きとおすと「もともとブログってそういうものだったのかも？」と錯覚することになります。絶対的に信じるに値するものなんて見出せない。まったく現代社会の落とし穴ですね。

そのうちお米の粒にひとつひとつ筆ペンで写経したものを自分が飼ってる亀の甲羅に毎朝ぬりたくるオリジナルの儀式を称して「これが俺のブログだ」と主張してくる人が出てくるかも知れません。

誰にも迷惑かけなけりゃそれでいいんじゃないかと思います。

この「はてなダイアリー」も、いったいこの様式はいわゆる「ブログ」と言っていいものかどうか、よくわかりませんでした。「ダイアリー」と名づけられたほどだから、いにしえの「 WEB 日記」に属するんじゃないか、とか。

ところが最近でははてなダイアリーの画面に、見慣れない『ブログトップ』とかいう用語が出てきました。わー。なんだか「メガネトップ」みたいです。

ちなみにこれまでそこに当てはまる用語は『最新の日記』でした。『最新の日記』が『ブログトップ』へと改称されたわけですね。わーいきなりカタカナになった！バタくさい！ってことではてなのブログ宣言です。

こういうのって言ってみりゃ、「太陽とシスコムーン」が「 T&C ボンバー」になったようなもんですよね。ボンバー化したということです。「相原勇」が「 YASUKO 」に改名したようなものだ、という言い回しでも良かったのですが、 YASUKO は相原勇の本名らしいので今ひとつパンチに欠けるな、と思いました。

すべてに共通して言えるのは、へたに表面だけかっこつけてると、いつの間にかソッポ向かれちゃうゾ、ということです。

太陽とシスコムーンも T&C メンバーに改名して、すぐに解散しちゃいました。で、この 2009 年に 10 年ぶりとか久しぶりに再結成して復活ライブを計画してるようなのですが、そのグループ名には耳なじみのある「太陽とシスコムーン」をふたたび使用しているようです。また相原勇も YASUKO 時代を経て、現在はふたたび相原勇に芸名を戻しています。

今となっては猫もしゃくしもブログブログですけど、そんなブームに踊らされないような芯の強さが、どなたさまにおかれましても望まれたいところですね。やはりアメブロで絵文字も顔文字も使わない梶芽衣子が今のところ最強です。