わたしの頭の中の 10 曲ナウ


いきなりですが、2008 年 7 月現在、わたしの頭の中をイヤでも流れてしまっている楽曲を 10 曲ほどご紹介いたします。


#1「同級生〜おさえきれない夏の恋」おがまな

(1)かなりキャナァーリ

(1)かなりキャナァーリ

「(1)かなりキャナァーリ」収録。歌うはキャナァ〜リ倶楽部のおがまなこと小川真奈。あんまり知ったかぶって細かいことは書かないけど、とにかく声がいい。まだ成熟しきってない、かぎりなく大人に近いけれども、でも不安定なところも残っている子どもの声。単にとても魅力的だということです。メロは若き日= 1995 年頃のつんく♂の手によるものだけれど、いい意味でつんく♂らしからぬ、マイナー調のまっとうかつ真摯な仕上がり。カラオケで歌いたくて歌いたくて仕方ないのに、このご時世、なぜかどの通信カラオケ機種にも入っている気配がない。


#2「 love the worldPerfume

love the world(初回限定盤)(DVD付)

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アルバム「 GAME 」バカ売れ後初の最新シングル。日付的には 2008 年 7 月 9 日と今日発売であるが既にがっつり聴いている。今にして思えば、エレクトロ三部作→チョコレイトディスコ→ポリリズムの大まかな流れってやっぱりものすごかったんだよな、と感じる。というのは楽曲イメージがだんだん具体から抽象へって感じにシフトチェンジされているようで、ラブザワールドと言われたところでざっくりしすぎでいったい何が肝要なテーマなのかよく分からない。大味ラブソング。ジャケ写とか PV のイメージも伴って、よくもわるくも、この曲からはすごーく白っぽーい感じを受ける。キャッチーでポップな引っかかりとしては唯一、サビの♪チュチュチュ、があって、それですべて救われているような気もする。音は一分の隙もなくヘッドフォンで死ねる。


#3「C\C シンデレラ\コンプレックス」High-King

C\C(シンデレラ\コンプレックス)(初回生産限定盤)(DVD付)

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ハロプロ最新急ごしらえユニットのデビューシングル。いわゆるシャッフルユニットの系譜にあたるのでしょうか。その意味では 2003 年の 7AIR 「壊れない愛が欲しいの」と SALT5「 GET UP! ラッパー」の味付けをそのまんま継承しているような曲調ではある。でもアレンジは 2003 年の 2 曲を形作った鈴木 Daichi 秀行ちゃんではなく AKIRA ちゃんなのね。またこの AKIRA ちゃんの変態アレンジが冴えていて、間奏のリズムとか素人の耳にはしっちゃかめっちゃかであり、おそらくライブでフルサイズとかで披露されてもたぶんほとんどの客席のヲタはぜんぜんいつもの単調なノリではノリ切れず、煮え切らない身体動作にてその場を終えるのであろう。と、そんな様子を思い描いては意地悪くほくそ笑んでいる。架空のヲタ他人にまで牙を剥こうとするこの性根の腐れ具合。


#4「 FANTASY 」美勇伝

ぼくは美勇伝に関してはかぎりなくマジヲタですし、シングル・アルバム・ DVD と、世に出ている音源やら映像やらの商品はファンクラブ限定品とかを除けばだいたい身銭を切って買ってはいるが、白状するとこのおまけつきベストだけはどうにもいろいろ納得いかなくて未だに買ってない。唯一新録されている「 FANTASY 」の世の評判も当時からめっぽうよろしくなく、たしかにレンタルで済まして実際自分で聴いてみても、まぁそこまで批判されるような曲じゃないけどベースラインとかサビの合いの手とかショボいしなー、相変わらずの Daichi ちゃんクオリティだしなー、と半ば放置気味であった。しかしところがですよ、すべてが終わってみた今、さてどうでしょう。ラストツアーのアンコールでのあのたいへんな大ばか騒ぎといったら。過去にしがみつくみみっちさ丸出しで言うけれど、「( ^▽^)< でも、このままじゃ終われない!」なあの演出、あの顔、ぜんぶひっくるめたあの光景が未だに頭を離れず、いつしか iPod のふつうな音源で聴く臨場感ゼロの「 FANTASY 」さえも、いいイメージだけがひたすら勝手に補完されて他の何物にも代えられない一曲となっているのです。


#5「思い出は彼方」石川梨華

美勇伝のラストシングル「なんにも言わずに I LOVE YOU 」収録の石川梨華さんソロ。やっぱり美勇伝コンでの石川さんの堂々たるたたずまいとそれに応ずるこちらサイドの盛り上がりが合致して、こと石川さんに関してはなんらかの新しいスタートを予感させるソロコーナーではあった。一曲まるごと石川さんワールドが堪能できるのはやはりデカいし、たとえどんな曲調でも、ぜんぶ自分色に染め上げることができるような気がする。全編をとおしてぜんぜんヒネリらしいヒネリを入れてなさすぎのようでもあるが、しかし妙にヒネってへんちくりんな出来になってしまうくらいであれば、まだストレートなほうがいい。あとの味付けは石川さんがどうとでもしてくれる。同じつんく♂ちゃんの作曲としては#1で取り上げたおがまなの「同級生」と曲調的にカブるところもある。どちらもすてき。


#6「マノピアノ真野恵里菜

♪レースの カーテン 開いて
そっと 水を あげたの
花びら しとしと
でも 私の こころ カラカラ

ねぇあいたいよ〜

さて、エロい歌詞ですね。作詞作曲は我らが KAN 。あのね世のみなさん大いに誤解されてますけどね、あんな「愛は勝つ」なんて別に純愛応援がんばれソングでもなんでもないですから。ただの「童貞同士の傷の舐め合いソング」ですから。そこを取り違えちゃいけないです KAN の場合。みんな知ってる歌い出しのフレーズ「♪心配ないからね 君の思いが 誰かに届く 明日がきっとある」ってのも、よくよく考えれば「誰かに届く」ってのがミソですよ。「あの娘に届く」とかじゃなくって「誰かに届く」。楽観的にして絶望的、そしてテキトーなんです。今は多弁はしませんが、そういう童貞視点の解釈でもういちど聴いてみると、「愛は勝つ」観が目ウロコで変わるのでぜひ試してみて欲しいです。同様に「マノピアノ」もエロ解釈で全編聴いてみるとじんわりたまらないでしょう。これは詭弁でもなんでもない。


#7「涙の色℃-ute

涙の色(初回生産限定盤)(DVD付)

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つんく♂ちゃんはこういうマイナーど歌謡曲とディスコファンク曲だけ作ってればいいんだよ、とセルフィッシュに言い放ちたいのだけれど彼なりの音楽的な多様性(悪い意味での)がそうさせないんだろうな。聴かず嫌いは犬も喰わないといえ「 LALALA 幸せの歌」とかマジ聴く気しない。あるいはライブで ℃-ute ちゃんたちの振りつけとかその場の雰囲気とか味わえば「 FANTASY 」みたいに劇的ビフォーアフターってくらいに印象も変わるだろうか。あと 7 月 30 日に発売されるという、なんか江戸家猫八だか小猫だかという ℃-ute ちゃんの新曲もイヤな予感満点。そういう予感を覆されてこそ、というのは醍醐味としては承知してるんだけれど、経験則ってのもアテになるしー。


#8「土俵の英雄(リキシマンのテーマ)」串田アキラ

ほぼハロプロ寄りのアイドルポップスばかり聴いているのが我ながら薄気味悪すぎるのでウソでもいいから河岸を変えて別ジャンルのモダンでスタイリッシュな曲を紹介しようかと思ったが、結局たどり着いた先はキン肉マンであった。引き出しが貧弱。しかし自分にやっぱりウソはつけず、ずばりキン肉マン世代なので、幼少の頃から「アイドル超人のテーマソング」をカセットテープで聴きまくってました。またこのキン肉マン生誕 29 周年という記念すべきメモリアルイヤーの 2008 年、いい音で聞き込んでみると、あらためて一曲ごとの完成度の高さに唸るばかりです。特に当時から聞き込んできた、テリーマンロビンマスクウォーズマンラーメンマン、リキシマンそれぞれのテーマソングは感涙もの。リキシマンのテーマは美勇伝カッチョイイゼ!JAPAN 」に通じるところもありそうななさそうなジャパニーズエレクトロポップで、リキシマンがすごく強そうに錯覚させられる勇壮な曲です。


#9「シークレット シークレット」Perfume

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

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「 GAME 」収録。シングルカットこそされなかったものの、俺様楽曲大賞を開催するとすれば今年の上半期一位はこの「シークレット シークレット」できまりです。この曲のどこが良いってまぁぜんぶ良いんだけど強いて挙げるとすればイントロと間奏とアウトロ(っていうのか)で、二つの印象的なシンセフレーズが並行しているような噛み合ってるような譜面っぷりがあまりにも快感。このキラキラしまくってる輝かしくて甘ったるくて耳に贅沢な世界がもうどこまでも果てしなくエンドレスで続いていって欲しい。むろんライブでもすこぶる昂ぶったし、そりゃ Pino にも手が伸びる。


#10「やったろうぜ!」音楽ガッタス

クソ曲との誉れ高い音楽ガッタス 2nd シングル。ダンス☆マン久々の起用に心躍ったオールドハロプロファンも少なからずいたものの、どうにもいろいろと肩すかしを食らったような結果に終わったといえる。でもね、この曲、ひそかに歌詞がすごくいい。こちらはつんく♂ちゃんの作詞だからマノピアノみたいに深読みはしないよ。どうせいつもの手癖歌詞なんだろみたいにうっかり右から左へ受け流しがちだけど、よくよく聴いてみると、1 コーラス目では恋のよろこびを無邪気に表現していながら、ひるがえって 2 コーラス目では愛のせつなさみたいなもんを訥々と語ったりもしてる。まず、構成がちゃんとしている。

そしてサビでもずーっといいことを言っている。

♪大好きなことやるんだから 損得なんて思わない
♪大好きなひと守るために 躊躇は必要ない

あるいは

♪大好きなこと始めるのに 遅いも早いもない
♪大好きなこと伝えるのに 遠慮は必要ない

うんぜんぶ正しい。別にそんなたいして深くはない気もするけど、一言一句、つんく♂ちゃんもそれなりに考えてるんだなー、って身につまされる想いがしたのです。うっかり見過ごしてしまってるけど他にもそういう曲はたくさんあるのかも知れない。というわけで、ラブリーつんく♂ちゃんの想いを新たにさせられた「やったろうぜ!」事変であった。



10 曲おしまい。


あ、駆け込みでおまけ。


#11「瞳がキラキララ」キャナァーリ倶楽部

瞳がキラキララ

瞳がキラキララ


2008 年 7 月 16 日発売予定でまだ amazon にもジャケ写とか出てないけど、ナニこの曲すげーいいじゃん。清涼飲料水とかの CM ソングにほんとに起用されたとしても別に何のふしぎもない爽快夏ソング。サビメロ一発ノックダウンです。つんく♂ちゃんの意気も十分伝わってくるわメンバーもおおむねカワイくて華あるわ。案の定おがまなヤバいし。距離的な制約こそあるものの近くて遠いそっちの世界にだんだん行きたくなってきた。私信っぽく独白すると、スズキさんとか本町さんって、もしかして今ものすごく「おいしい」んじゃないか? で、楽曲自体はモーニング娘。悲しみトワイライト」をおもわせるオケヒ攻勢がさすが同じ山崎淳という人のアレンジだけあって好き嫌い分かれるくらいクセあるけど、個人的には苦にもならず、というかつんく♂ちゃんがこの音色大好きだってんなら仕方ないかってことでそろそろ感覚がマヒってきた。



寝ます。