マラソン走行中のインタビューは誰も得しない


「正直しゃべりたくない」


22 日放送の TBS 系特番「壁を壊そう!炎の 240 時間マラソン」で、山本高広の 10 日間に及ぶマラソンの模様が生中継と VTR をまじえて伝えられていました。

あとこの企画では長井秀和も「ナイトランナー」とか言って夜中に山本高広からバトンをもらって距離を伸ばしてたんですね。さほどフィーチャーされておらず、走り損のような気がちょっとしてます。


山本高広はマラソンを必死で走ってる中、いろんな人からやたら話しかけられて、なんだかかわいそうでした。沿道の一般人から声援を送られるとかは仕方ない面があるのですが、もう「身内」から不躾にズケズケつけこまれてる感じです。

TBS 系のさまざまなテレビ生放送で山本高広のマラソン中継は随時挟まれたようなんです。で「はなまるマーケット」のヤックンや「王様のブランチ」の谷原章介などのスタジオ司会の人たちが、走ってる「まさにその最中」の山本高広に対して、「どうですか!?」「元気ですか!?」とたくさん話しかけていた様子。

もちろん本人もお笑い芸人でサービス精神もあるだろう人ですから、普段ならものまねのひとつも交えながらリアクションするはずなんですけど、マラソンを続けていくにつれ、体力は極限的に奪われ、精神的にもつらそうで、そんな余裕はとっくに失われている。スタジオからの呼びかけに対して、けっこうはっきりとシカトしちゃうような場面も多かったみたいです。

特に今回の生中継では恵俊彰がゴール地点の「赤坂サカス」のステージから司会をしていたんですが、もうゴール目前でヘロヘロになりながらも走っている山本に対して、恵が「山本! 山本!」とものすごくうるさかった。いくら仕事とはいえ!

恵「山本!もう何がなんでも絶対来い、ここに!」
山本「(聞こえてるのにシカト)」
恵「…なんかちょっと“空気”が違ったみたいなんですけれども(苦笑)」

こういうのって、シカトしちゃう山本高広もちょっと感じ悪く見えちゃうし、モニター越しに執拗に呼びかけている恵のほうも、どうしても走ってるのを妨害してる感じでうるさく見えちゃう。誰も得しません。

たしか日テレの「 24 時間テレビ」でマラソン中のタレントが話すのって、走ってるまさにその瞬間じゃなくって、休憩地点でマッサージとか受けてるひと休みのタイミングがほとんどだったと記憶してます。もう「走ってる最中の人にやたらと話しかけて返答を求めようとする」という演出自体が、人の気持ちに配慮しない人がやることだよなー、と思いました。


ちなみに山本高広の生中継でのゴールシーンはさすがに率直に感動的なものでした。しかし織田裕二のものまねは最後まで特にありませんでした。これ以上の格好の使いどきは無いだろうと思われる「キターーー!」も何もなし。

それどころか放送中「織田裕二」という単語すら一言として出てこなかったです。もはや禁句なのかな?

ラソン前の山本高広へのインタビューで、本人が「ものまねは、もういい」「今の自分をさらに超えて新しい自分が生まれるといい」とか言ってたみたいです。「ものまねへの訣別」とも取れる発言。そのあたりについて 25 日放送予定の「キミハブレイク」 2 時間スペシャルでは、なにか掘り下げて言及されるのかどうか。

ただ、完走後に涙ながらの興奮状態でインタビューを受けている山本高広の声は、完全に織田裕二そのものでした。別にものまねではなかったようなんですけど。もはや「切っても切り離せない」ものだな、と感じました。