女子にプロレス技決められるのって、いいよね

思い出話を聞いてください。

小学校 4 年生のときはまだバリバリのリア充で、サッカー少年団ではフォワードで点取り屋でしたし、学校でもクラスの活発なグループの中でワイワイやってたんですよ、30 歳を過ぎてもアイドルにお熱をあげている、こんなぼく(無職)でも。

小学校の給食後の休み時間は、みんなでお掃除タイムだったんですよ。

今となっては「とにかく人に怒られるのがイヤだ」という消極的な理由で拭き掃除、掃き掃除、ガラスの窓拭きなどをなんでも粛々とこなすという人間性に成長しましたけれど、当時はヤンチャで掃除サボってギャーギャー遊んでたりしてたわけです。

ちょっと記憶が混ざってるかも知れないけど、もしかするととんねるずの「仮面ノリダー」ごっことかやってたのかも知れません。「ドゥエイ!」「ねーぎトロ巻き巻き」とか言って。「ラッコ男だ! ラッコラッコ」とか言って。88 年ころのことです。

掃除サボってますから当然モラルには欠けてますけど、なんだかそのときのほうがよっぽど人間としてのエネルギーが充満していて良かった気がするなぁ。あんなとんねるずのマネとか怖くて今じゃもう出来ないもんなぁ…。

だんだん感傷的になってきましたが、とにかくそんな具合にチャラチャラしてたら、ほうき持ったクラスの女子に咎められてしまったわけです。「ちょっとなにやってんの!」「掃除しなさいよ!」つって。当然ですよね。

ただこっちも生意気盛りですから「うるせー勝手にやってろー」とか反発するんですよ。

そのうち揉めだして。キーキーって。で、最初は口げんかオンリーだったはずが、そのうちやいのやいの言いながら、手を出して、足を出して、ちょっとした肉弾戦になってくるわけです。

いつの間にかぼくは教室の床にうつぶせに寝かしつけられていました。ベターって。

なんだろ、今考えればまずありえないシチュエーションなんですけど。虚弱体質でもなく、いじめられていたわけでもなく。もしかしたら自分から倒れていったのかも知れません。床のひんやりした冷たい感触が、ほっぺたと二の腕に残ってます。

当時からマゾっ気を発揮していたのかなぁ?

で、まぁ、そんなうつぶせの自分の上にですよ、女子がね、またがってくるわけです。「もう逃がさないわよ!」なんつって。ジャージ的なものを履いた女子が、またを開いて。馬乗りっていうのかな。


「あぁ、女子の股だ…」


禁断のぬくもりを背中に感じてしまった小学校 4 年生のあの教室。

その瞬間、ぼくは「掃除をサボってこらしめられてる」という設定に従って「やーめろー!」かなんか抵抗していたはずですが、本音としては完全に「あぁ女子の股だ」であり「別に痛くもなんともないし」であり「しばらく背中にぬくもりを」でした。

またがられていた間、首を持ちあげられてキャメルクラッチでも喰らっていたのか、あるいは単純に言葉責めに終始したのか、そこは忘れましたけど、とにかく地べたに這いつくばって異性に屈服させられながらもなお、こんなに心って浮き立つものなんだな、ってことだけは得心しました。

惜しいかな、ずっとまたがり続けているのもまたがられ続けているのもお互いに変なので、数秒後にはビャッと離れて、あとはぼくが掃除を始めることで和解をしてしまったんですが、その女子は可愛くてそこそこ仲も良かったので(今じゃ考えられない…)、この場面は今でも妙に記憶に残っているのです。

ちなみにその子も今やとっくに結婚して子どももいるそうな。あーもう。


と、ここまでが前フリです。


結局なにが言いたいのかというと、「女子にプロレス技決められるのって、基本、いいよね」ということです。

もちろん本物の女子プロレスラーにガチで骨折られそうになるのとかはまっぴら御免ですよ。そんなんじゃなくってね。

29 日放送のテレ朝系「シルシルミシル」のオープニングで、市川由衣が「プロレス詳しい」とか自信ありげに言ってて、アンタッチャブル山崎に技をかけるというくだりがあったんですよ。


プロレスのドラマやってたんだって


で、ただ無邪気なだけなのか、男たらしの下心があるのか知りませんけど、市川由衣ザキヤマさんの背後にスッと回って、こう、その首をグイと絞めあげようとするわけです。


スリーパーホールドで


でも、カメラの前で本気出して首を絞めてザキヤマさん落としちゃうわけにもいかない。当然ソフトタッチにもなりますよ。あらザキヤマさん痛くない。そして市川さんのいろんな感触が背後から感じられて…。



恍惚ですよそりゃ。ザキヤマさんの顔は完全にバービー(フォーリーンラブ)ですけど



「ごちそうさまッス!」だって。あぁうらやましい!