オードリー若林の世界を変えたナイナイ矢部の一言

4 日深夜のニッポン放送ナインティナインのオールナイトニッポン」は、岡村隆史が“大人の事情”で欠席。代わりに「矢部浩之オールナイトニッポン」と題して矢部がピンでパーソナリティを担当してました。ナイナイ ANN の長い歴史で矢部のひとり喋りとなったのは通算 4 度目とのことです。

番組ではオードリー若林と TKO 木本というふたりのお笑い芸人をゲストに迎えてツッコミ三者鼎談を展開していました。リスナーからの無茶ぶりにボケてみたりというゆるい感じがおもしろかったのですが、その中でもオードリー若林がしていた下積み時代の話がとても新鮮でした。

2008 年末の M-1グランプリ準優勝以降ずっと売れっぱなしのオードリーはテレビでよく下積み時代のエピソードを披露しています。「昔はボケとツッコミが逆だった」「春日は自分がさんまだと思い込んでいた」「でもツッコミとしてはポンコツだと言われた」等々。

しかし今回の矢部ラジオで披露された下積み時代のエピソードは、個人的にはどれもテレビで聞いたことがないものばかりでした。瀕死の窮状に陥っていたオードリーを救うきっかけになったのは、日テレ系「ぐるナイ」の若手ネタ見せコーナー「おもしろ荘へいらっしゃい!」、そしてオードリーのネタ見せ後に矢部が口にしたとある一言だった、と若林は語ります。




矢部に促された若林がトークの主導権を握ります。


矢部「ちょっと若林さんも・・・けっこうあるよね下積み」


ぼくそうですよ去年の元旦の「ぐるナイ」で漫才やったのが
(テレビでは)初めてですから


矢部「すげぇな」


いやそうですよ
ぼく元旦に「ぐるナイ」で漫才やった帰りに
「あ、これでもう辞めれるな」と思って帰ったんですもん
その漫才が出来たから、テレビで


矢部「テレビ出たし」


ぼくら 8 年間まったく出ることなくて
同期とかもガンガンネタ番組には出てて
後輩とかも出てて、でもぜんぜんで


もうあのー
どきどきキャンプ」の単独ライブの
お客さんの場内整理とかやってたんですよ


矢部「それは厳しいなー」


どきどきキャンプ、あとから入ってきて、うちの事務所に
「つめて座ってくださーい!」つって
どきどきキャンプのお客さんにやってたんですよ


矢部「へーそれは知らんわなー」


そうですそうです
だからあまりにもテレビに出れないので
「漫才以外のことで出なきゃ」と思って


なんか渋谷で銀行強盗が起こって


「犯人がまだ渋谷を逃げてる」
みたいな速報のニュースがあったから
春日と「原付で犯人捕まえてテレビ出よう!」って
グルグル渋谷回ってたりしたんすもん


矢部「笑) テレビに出たいだけや」


もうわけわかんなくなっちゃって
下積みをこじらせちゃって


矢部「それ、わけわからんようになってんなー」


そして TKO 木本のエピソードなども挟みつつオードリー下積み話は続きます。


矢部「いや、でもそれだけ追い込まれてるっていうこと」


完全に追い込まれてますよウケてないですし
ライブでもウケてないですし
でまた番組が無かったですから


矢部「うーん」


で、インターネットテレビっていうのがあって


「春日がソムリエになって
歩いてる女の人の足の臭いを嗅いで
『これは何年ものだねぇ』って審査して
足を上げる角度でパンチラを撮って欲しい


っていう仕事が来て


矢部「笑)」


「もうそんなんもうー!」と思ってキツイじゃないですか


矢部「キツイなー」


6 年目くらいで(事務所の)社員の人に相談しに行っても
「ん、どういうことー?」って言われて
「こうこうこうで正直やりたくないんですけど」って言っても
「忙しいから!」って掛け合ってくれない感じになっちゃって


1,2 回やりましたもんね


矢部「やったんや!」


それでもう敗北感がすごくてー


でボクそれであれですもん
あのー「テレビ出れないから死ぬー!」つって
道路に酔っぱらって大の字になったんですけれども
本気じゃないから T 字路の奥のほうで大の字になって
後輩に「若林さんダメです!」って抱えられたりして


わっけわかんなくなっちゃってて


矢部「そこまで行ってたんや」


ネタってのは自分たちの名刺ですから
それが認められないというのは


矢部「まぁそうやな」


それで「ぐるナイ」のオーディション
あれ 3 回くらい通って「出れる」ってなって
生放送なんですよね、収録じゃなくて初めての


矢部「そうや、年末のときのはな」


で、またネタだけで終わりじゃなくて
ナイナイさんと絡めるじゃないですか


矢部「あーそうや」


フリートークの時間で


で、うちの相方がもう「喋れない」ことで
事務所内で大問題になってるくらいで


原口あきまささん先輩にいるんで
矢部さんのものまねを原口さんにやってもらって
岡村さんをはなわさんにやってもらって
練習したんですもんトーク


矢部「笑)ぜったい無駄なリハやな。本番そのとおりにならへんもんな」


ちょっとミニコントみたいになっちゃうんすけど


で、シミュレーションの結果
「よしもうこれは春日喋れない。
どんなにシミュレーションしても喋れないから
『トゥース!』推しでいこう」って言ってて


矢部「いや言ってた」


そしたら「なんだコイツ」ってなるから
っていうような感じで打ち合わせで


矢部「でもそのとおりになったな本番」


そうなんですよ


矢部「トゥースはスベんねん。
スベるけど春日やり続けるから俺らがやっぱ引っかかるわけ。
『なんでスベってんのに…』(笑 でもそっからやもんな」


それでネタをいよいよやるってなって
もう明けてすぐですよね年が


で、やって


テレビで 8 年間漫才やってきて
(テレビで漫才を)出来たっていう“旗立てた”から
「これで辞めれるな」と思ったんですよ
後腐れなく、後悔することなく
っていうような気分でボク出て


で、ネタ終わったんすよね


そしたら矢部さんが第一声で



「やったね。オードリーやったね」


(※関西弁風のイントネーションで「や」にアクセント)


矢部「笑)」


「あ、オレやったんだ!」と思って
もう鮮明に覚えてますもん


矢部「笑) オレそんなこと言うたん?」


「これはやったね」って言って


矢部「たぶんオレ全員には言わへんから。
あのね、その回に(オードリーが)爆笑取ってん。
まちがいなく。だから、あ、来たな、と思って」


ぐるナイは見てるんですよ注意深く「やったね」が出るか
(他の芸人では)出てないっすもんまだ


矢部「笑) それはオードリーの力よ、もうそれは。きっかけやから」


TKO 木本「それで安心して出来る、っていう、ちょっと免罪符的な?」


いやホントそうなんですよ


童貞捨てたときと同じくらいの嬉しさ
初めてテレビで「やったね」なんて


童貞捨てるときってもうめちゃくちゃ世界が変わるじゃないっすか


矢部「男あげた感じやな」


もうそういう感じですよ
童貞捨てたと同じ勢いのホントに


矢部「いやでも良かったなー」


いやーもうそうです。感動してそれで

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