司会者が「手ぶら」を嫌がっている

火曜日の「笑っていいとも!」を見てましたら、テレフォンショッキングともうひとつのコーナーが終了した番組の後半、CM 明けに、中居正広がまずどアップで画面に映し出されまして。

さてコーナータイトルの「どなり」でも一発いつものように入れてくるのかなと待望しておりましたところ、しかし中居はなかなか「どなり」を入れることもなく、ぐずぐずしてなかなかコーナーを始めようとしないのです。

はて甚だ不可解。

それはなぜかと中居みずから弁明することには、ハンドマイクもカンペみたいなものも何も手に持たずに「手ぶら」で司会進行をしていくことに、すごく抵抗がある、みたいなニュアンスのことを主張するのです。

たしかに中居はそのときいっさい何も手に持たず、いや持たされず、というべきでしょうか、まるでぶらっとアルタに立ち寄ったよレベルのフランクな見栄えではあるのでした。

もちろんマイクなら胸のピンマイクもありますし、遠くから音を拾ってくれるガンマイクも有用でありましょう。また進行も現場のディレクターあたりから指示があるだろうから中居くらいの達者であれば滞りなくやっていけるに違いありません。

しかしどうも「手ぶら」であること一点に、とにかく違和感を感じたらしいのです。


新鮮な主張に聴こえました。


なるほど、そういえば「いいとも」の進行役ってたいがい手に何か持ってる。多いパターンとしては右手にハンドマイク、左手になんか見開きカンペみたいなもの、という装備になってます。

「盾と矛」スタイルっていうんでしょうか。もっぱら月曜日のコーナーを司り続けている香取慎吾のスタイルが想起しやすいです。

いいともの主要人物タモリにしても、オープニングの登場時や、コーナーで司会をするとき、あとエンディングでも、基本的にマイクを手離すことはありません。番組内で自由に立ち振る舞うポジションに置かれたときは別ですが、ほぼぶっ通しでハンドマイクスタイル。

それは「タモリ倶楽部」でも「ミュージックステーション」でも同じことです。ただし「ミュージックステーション」に関してはピンマイクをつけてないようで、真にマイクが必要なのでしょう。

それらアイテムが実際的に必要かどうかは別にして、持ってないと落ち着かないというか、「きまり」が悪いというか。芸能としての「見栄え」も関係してくるでしょうか。

もはや一種の「型」と言えそうです。


ってことで、中居が「手ぶら」であることの不自然さを訴えることによって、その司会者としての身体的な違和感が、いきなり伝わってきた不測の事態でありました。

ちなみに結局このとき中居は手ぶら状態のままコーナーを滞りなく進めていっており、マイクもカンペも別にぜんぜん必要ないっちゃ必要ないってことに変わりはないのです。