「ロリコンパワー炸裂」

安倍なつみさんと矢島舞美さんのユニットというのもいきなりすぎるし何の接点もなさそうだったしでいったいなぜ? というのが根底にありながらも、新曲 2 曲の視聴が始まってしまいました。携帯サイトを利用してのファン投票の結果によっていわゆる「 A 面」曲を決めてしまおうというありがちなような気がしつつしかしやんわりと斬新な企画ではあるのですが、いかんせん携帯電話の機種が古すぎて投票に参加できないぼくには実はめっきり縁のない話なのであります。情報格差情報格差! カメラの機能とかあるはずもなくもちろん QR コードなんて読み取れるわけもないから最近 CD に封入されているようなイベントの抽選とかにも応募できないのです。ただふてくされずにとにかくリンクだけは貼っておきます。貼らなくてもたどり着いちゃってる優秀な方ばかりだとは思っています。

http://www.up-front-works.jp/abe-yajima/


で、なんと KAN さんが 2 曲とも作詞作曲の責を担っているわけですよ。ソングライターとして作曲だけならまだしも「作詞も」というのは他の歌手への楽曲提供においてはほとんど類例のないめずらしいことです。後藤真希さんの「スッピンと涙。」も KAN さん作曲ですが作詞はいつものつんく♂さんでした。

そんな KAN さんはかなりきっちりとした公式サイトを好調運営中でありまして、はてなアンテナで更新情報をキャッチさせてもらっている週に一度の「金曜コラム」も本人執筆でかれこれ 2 年以上おそらくまともに休むこともなく超安定的に続いていてファンとしてはとってもいい塩梅なんだけれども、昨日あたりに更新されたばかりのコラムで KAN さんは今回の安倍&矢島ペアへの楽曲提供について、いろんなことを述べております。

http://www.kimurakan.com/column/index.php

以下、おおっぴらに転載。

私の所属するアップフロントエージェンシーのお嬢さん方による“ハロー!プロジェクト”の、安倍なつみさんと矢島舞美さん(℃-ute)がデュエットをすることになって、“ 16 歳と 26 歳のデュエットソング”というテーマで 2 曲、歌詞も含めて私が書いたんですが、いやぁ、やはり私の世代には私の世代なりの“女の子アイドル観”みたいなものがありまして、それはなにかというと、女の子アイドルってのは“ただかわいいだけでしょ”ってことで世間的には決して尊敬される存在ではなく、そんなアイドル自身は「わたし、もう泣いちゃうかも、グスン」みたいなカヨワさ・ハカナゲさを常に放っているもので、それに対して「そんなことないよ、ボクが守ってあげるからね」と男子諸君が束になって応援する、みたいなことなんですが、そのような私の世代のアイドル観をそのまま作品化したような 2 曲です。で、これがどちらも素晴らしくどっちを A 面にするか決められない、ということに会議でなったようで、これら 2 曲のどっちを A 面にするかを携帯サイトでみなさんに投票してもらって決定しよう、ということになりました。御興味のある方は当サイトの『最新情報』を御覧いただき、【公認!アップフロント着信。】にてロリコンパワー炸裂の 2 作品を聴きくらべて、あまり深く考えずにノリで投票してください。

よどみのないダラダラ長文が KAN さんの“文筆家としての”持ち味のひとつでして、これが往々にして情報量豊富、かついい意味で根本的にくっだらない内容になっているのが大好きなのですが、要約すると、すなわち今回のお仕事は「ロリコンパワー炸裂」ということらしいです。

たった 2 曲のハロプロ楽曲を作詞作曲しただけで自らをロリコンとうそぶくことになってしまった KAN さん。これまでそのような自意識を見せつけることはあまりなかったのに・・・。いくら仕事とはいえ「 40 代男性が 16 歳女子の気持ちを代弁する」みたいなことの業の深さをあらためて思い知らされる次第です。

しかしこのことでかえって思い起こされるのは、かれこれ 10 年近くにわたって平素よりロリコンパワーをひたすらフルスロットルで炸裂させまくっている我らがつんく♂大先生のガチのキチガイっぷりですね。だてに「付き合ってるのに片思い」「愛のスキスキ指数 上昇中」「わ〜 MERRY ピン Xmas!」みたいな成人男性が口に出して言ってみるだけで憤死したくなるようなタイトルの曲を途切れることなくリリースしてないです。やっぱすごいんです。つんく♂大先生ありがとう。


あと話は戻って今回の 2 曲に関するアレンジの話。

この投票用の試聴音源はあくまで投票用に製作してもらったもので、実際に CD になる音源はこれから作ります。その録音も私がやりたかったんですが、いかんせんこの時期やるべきことが他にもたいへんに多くあるもんですから、信頼のおける 2 人のアレンジャー、小林信吾さんと添田啓二くんにそれぞれ1曲ずつ、私の作った基本演奏データを渡してゆだねることにしました。どちらがどっちをアレンジするかは、デモ音源を聴く前に歌詞だけを読んだ状態で「オレはこっち」と選択する方法をとりました。

アレンジは商品用に新録されるわけですね。

投票用に用意された音源は聴けばわかりますけれどあくまでチープなものでした。ってことで CD としての完成形にはほんのり期待しています。ちなみにアレンジャーのお二人さんはミュージシャンとしては著名な方だとは思うのですがあくまでハロプロの流れではなく昔からの KAN さんの人脈で、いくら同じ事務所とはいえ KAN さんとハロプロという二つのパラレルワールドがここへきてそこはかとなく融合しまくってる感は個人的には延々とたまらなく感慨深いものがあります。

ちなみに「 2 曲を比べてどちらかを選べ」ってことに本気でなりますと、どちらかといえば「 16 歳の恋なんて」のほうを好いております。メロだけ聴くとわりと正統派なポップソングぶりぶりでありながら安倍さんと矢島さんという 10 歳の年齢差があるふたりがなぜかお互いにピリピリとディスり合っている歌詞が適度に狂っているのです。これ歌詞の続きが大いに気になりますね。