カジュアルディナーショー全体を貫く方針なのだろうが、なにしろカバーが多くてね。そういうものだとハナから分かってはいたものの、歌い手本人による強烈な「歌いたい」という熱意が伝わって来れば受容できるものを、そうでもないらしい曲を歌われてしまうのが多くって、若干そこがね。せっかくの濃密な時間がもったいないじゃんよー、という気分にもさせられる。ちゃんチャミでおなじみ『梨華セレクション』的なセルフ選曲の連発だったら納得するんだけども。そんなわけで 7 曲目は丸山圭子の「どうぞこのまま」。ボサノバ調が耳に残る 1976 年のヒット曲らしいんだけど、正直なんの思い入れもねーですよ。ていうか初めて聴いた。石川さんもイスに腰かけながら、しっとり、といえば聞こえはいいがその実あんまり気合いの入ってない様子であった。歌なんてこの日いちばん音を外していた。あとでネットで検索したら MIDI 音源が見つかったので、今はそのメロディを石川さんから発せられたちょっと調子っぱずれの歌声の記憶と重ね合わせてしんみりしている。
