直感的・本能的に、やっぱりだめな曲はいくら聴いてもだめだし、いい曲は百回聴いてもいい。
その点このディナーショーというのは、これまで開催されたものの選曲リストを追ってみても、おおむねだめな曲が演奏されることが多い気がします。大衆をひきつけてやまないようなダイナミックでエキセントリックなメジャー楽曲が配置されてこない。
だもんで、いやな解釈ではあるのですがディナーショーには「だめな曲を生音の演奏にて蘇生させよう」というふしぎな魂胆があるような気がしてやみません。言ってしまえば「駄曲再生工場」というべきか。なんでそうなっちゃうのかは非常に謎なのですが。
で、はいネタばれします。
しますよ。
いきますよ!
一曲目はカントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。)の「色っぽい女 SEXY BABY」でした。はい、どう考えてもこの選曲は「無い」でしょう。何もかもが相応しくない。
・・・とか言いながら実はぼくこの曲かなり好きで、理屈では受容しがたいものの気分は超ノリノリでした。新しい生命が吹き込まれたセクシーベイベーに祝福の花束を。
そもそもバンドの編成的にはキーボード、パーカッション、ギターというシンプルな構成です。原曲の鈴木 daichi 秀行氏による下世話なアレンジが、ちょっとおしゃれに蘇りました。こういうの大好き。
web 上に点在するヲタで音楽的能力に優れた人がリミックスの音源を上げてくれたりしますけど、そういうのヘタすりゃ原曲より多く聞いている場合あるんですよ。「あぁ!」の「 FIRST KISS 」のロックなバージョンとか。
ただね、それだけに、ハロプロとは関係ない楽曲のカバーもあったんですけれど、これは既存のアレンジとの差異だとかにおもしろみを見出すわけにもいかず、よほど退屈な演目のように思われ。
たとえば今回、石川さんが同じ横須賀出身ということで山口百恵「秋桜」をカバーしてました。そういうのは、まだわかります。
が、同じく途中で挿入された、丸山圭子という人の「どうぞこのまま」なんていう初めて聴いたフォーク的な歌を、よりによって貴重な梨華ちゃんソロコーナーで歌わせるというのは、もう完全に「暴挙」という他なく、あまりに時間も労力も惜しすぎてやるせなかったです。同じカバーするのでも優先順位としてあと 2 億曲くらいはハロプロ内外問わず歌うべき歌が梨華ちゃんにはあるはずなのに。
梨華ちゃんも気乗りしてないのかこの日はこの曲でいちばん音をはずしてました。