8 回目[触媒]

今さらながらクレジットを見てみると、演奏がすべて daichi 氏の完全打ち込みによるものだということは聴いてすぐわかるとしても、これコーラスはつんく♂ひとりしか名前が記載されておらず、つまり曲中ずっと響いているいかにも女性的な高音コーラスさえも別に稲葉貴子とかが仕事を与えられているのではなく、どうやら完全につんく♂ちゃんが裏声でこなしているのだった。こちらが予想していた以上のワンマンショーである。

この曲をなぜモー娘。が歌わなくてはならないのか、という疑問も沸いてこようというものだが、むしろ全編が関西弁で貫かれたこの曲は、むしろ今のつんく♂が発表せな、世に問わなアカン、という欲求、願望が高まってしまって、その触媒となったのがモーニング娘。だと考えたほうが自然だろう。なまじ曲がよく仕上がってしまったもんだからつんく♂がソロ名義で出すよりもモー娘。名義のほうが遥かに世の中に知れ渡ることになる。

しかしひとりも関西人がいないモー娘。でこの曲をやってしまおう、というすっ飛んだ発想は相変わらず常軌を逸している。ハロプロ関西人には、中澤裕子松浦亜弥稲葉貴子、あるいは加護亜依岡田唯らがいて、「大阪 恋の歌」もその中の誰かにそのまんま歌ってもらえば良かった気はするし、セリフぴったりな加護ちゃんはもちろん中澤、稲葉、松浦あたりならイメージずっぽしハマるに決まってる。

でもやっぱりそれじゃつまらんのであるなぁ。