導かれる表情

3月5日(土)15:30から埼玉県・大宮駅前の「ARCHE(アルシェ)」屋外特設ステージで行われた「yoshiki*lisa」こと吉木りささんのフリーライブにうきうき赴きました。
吉木さんが埼玉のラジオ局・FM NACK5バカボン鬼塚がパーソナリティを務める「おに魂」水曜アシスタントに着任した2010年10月以来、埼玉との心の距離がめっきり近くなった気がします。埼玉は東京の南東部に位置していると30年くらいずっと信じ込んでいたのが申し訳ない気持ちです。
この日、吉木さんはまずライブ前にFM NACK5HITS! THE TOWN」生放送にゲスト出演。ARCHE建物内にスタジオがあり、そこからの公開生放送が観覧できるのでした。もし「おに魂」もこの放送形態だったなら毎週通うのですが(;´Д`) ともかく普段はアシスタントという立場なのに今日はゲスト、というバカボンさんとの関係性が特殊で、面白い放送でした。
ラジオ生放送への出演が終わり、次はそのまま同じ施設内でライブへ。するとライブ開始30分ほど前には吉木さんがステージ上に一度ひょっこり現れ、公開リハーサルを開始しました。
既に現場にはほとんどお客さんが揃っているため、この状態ではほとんどリハーサルでもなんでもないのでは?? といった照れくさい状況の中、吉木さんは3月2日に発売された新曲「Destine Histoire(ディスタン・イストワール)」とそのカップリング「限りある世界で」を、ともにワンコーラスずつ歌唱してくれました。吉木さんがこの2曲を実際に歌うナマの姿を見るのはこの日が初めてで、リハーサルとはいえ感激しました。
ライブ本番ではトークなども充実。屋外で観覧フリーだったため多くのお客さんが遠くから近くから見守る中、一貫して丁寧にお客さんとコミュニケーションをはかろうとする吉木さんの気さくさが本当に素晴らしかったです。
本番の「Destine Histoire」はさすがの迫力。早くも貫禄さえ感じられるような歌いっぷりで、いつか生バンドで聴きたいです。お客さんの中にはアイドルライブさながらにコールを入れたり持参したサイリウムを振ったりしている人が何人かいて、ぼくもいわゆるヲタ芸を入れるのも決してやぶさかではないのですが、吉木さんの前では完全にすっとぼけて、ずっと腕組みしてじっくり凝視してました。
骨太のバラード「限りある世界で」も吉木さんがお気に入りというだけあり、歌唱にはたいへんな精魂。途中の大サビというかブリッジのメロ展開が変わるところでは、あまりの爽快な歌いあげぶりに一瞬、涙腺が緩んだりしたものです。アウトロの椎名林檎ばりのファルセットもきっちり決まったように感じられ、すべて歌い終わったあとには吉木さんも感情がやや昂ぶっていた様子。まるで「歌いきった!!」みたいな、フィギュアスケートの選手が演技を終えたあとに氷上でポーズ取っているときにも似たような超然とした表情を浮かべており、トータルでひたすら胸打たれる歌唱でした。
あのー、吉木さんが美しいのは当然だとしても、歌を歌っているときの表情がほんと特別に素敵なんですよね。歌に入るまでトークでへにゃへにゃしてるのが急にキリッとするその切替の早さには驚くし、眼力もあり、口元も引き締まっていて、よりいっそうめちゃくちゃ凛としている。見惚れる。
個人的には最近「歌うまい」とか「トークうまくなった」とか痛感してばかりで、それって吉木さんに2011年3月のいま求められているようなグラビアとかDVDとかの水着超たまらんwエロいしwwwみたいな市場的ニーズとの間には、相当の齟齬があると思うんです。
そのあたりを自覚してはいるのですが、グラビア仕事はもちろんのこと、それ以外にもほんとに芸能的にも人間的にも、あとブログとかTwitterでもいちいち素敵すぎるので、もう抗う術がない。吉木さんはその身ひとつで芸道に邁進していて、それがいかにリスキーなことで、だからこそとんでもなく立派なことでもあるんだな、というようなことを、仕事の帰り道とかによく考えています。