落下ボーイ

2月3日(木)から2月6日(日)まで、渋谷区文化センター大和田・伝承ホールで吉木さん出演の舞台「落下ガール」が開催されていて、5日(土)と6日(日)の夜公演を鑑賞しました。



吉木さんがファンの前に姿を見せる催しものは、関東近郊の会場であれば今のところ極力足を運びたいと思っているのですが、ぼくが「落下ガール」に赴いたのは4日間のうち2日間だけ、と自分にブレーキが効いてしまった。

「ファンとしてまだ理性が保てている」

と喜ばしくもあり

「ありゃ、案外狂ってないのだな」

としょんぼりするようなことでもあります。

とはいえ5日の公演は「最前列どセンター」というどうしようもない席から眺めていました。それでもう十分かしら。


「落下ガール」のキャストには、吉木さんと同じ「キャンパスナイトフジ」メンバー黒田有彩高橋亜由美2名の姿がありました。

ふたりとも舞台は初挑戦。ところがなんの違和感もなくきっちり演技うまかったです。キャンナイ自体が生放送で笑いも涙も下世話さもある舞台だったことを考えると、それは演技もこなせるだろう、という気もします。

主演は「めちゃイケ」新メンバーでもある重盛さと美。なぜか声がガサガサで、本人的に納得のいかない部分も多々あったことでしょうが、明らかにレベルの異なる面白さを体現していました。

杉本有美が特別出演。170cm近い長身は大迫力です。この杉本さんと、あと乃下未帆という人のふたりが、声量や迫力、立ち振る舞いなど、ひときわ圧巻の役者ぶりでした。

日テレジェニック2010」の内田理央も実に凛としていてステキ。吉木さんと同じ事務所の田井中茉莉亜もひたすら巧かった。栞菜(元℃-ute)の演技も生真面目。

みんな、らしさ全開でした。


吉木さんには舞台経験において一日の長がある。さすがのキャリアでたたずまいは堂々としたもの。

演歌歌手の役をあて書きで与えられていた吉木さんは、この舞台用に作曲されたというオリジナル曲「とまどい岬」をコミカルに、それでいて迫力充分に歌い上げていました。

もちろん歌はうまい。華もある。つくづく「芸能」の人です。

そのぶん、千秋楽では最後の最後、舞台からハケるときにセットのドアにおもいっきり身体をぶつけてしまったりと、予想外のハプニングを招き入れたりもする。優等生でドジっ子。かないません。


「男性キャストがいっさい出演しない」。そんな特殊な舞台ではありました。

この芝居では高校のカメラ部の青春が描かれていたのですが、むしろこの芝居自体がキャストの人たちにとっては青春そのものだったのかも?? とは、わりと多くの人に共通する気持ちなんではないかと思います。

千秋楽のラスト30分くらい、キャストさんたちがやたらボロボロ泣いていて、これは芝居のストーリーに入り込んでいたという以上に「舞台があとすこしで終わってしまう……!!」というリアルな心情に揺さぶられたせいのようです。

無論もらい泣きしました。


会場で販売されているグッズを購入した人には、公演後の「お見送り握手会」が用意されていました。

お目当ての吉木さんとじっくり話をしたいというのが本懐でしたが、今回はキャストの人たちが一列になって、その前を流れていくベルトコンベア式の握手会。ひとりあたり二言三言しか話せない。とはいえ、黒田、高橋両名との握手は初めてのことで嬉しかったです。黒田さんめんこかったです。

そして吉木さんとの握手は、いつも新鮮。

2日間とも、ほんの一瞬の出来事でしたが、尋常じゃなく嬉しい一瞬でした。特に千秋楽は、これまでに記憶がないほどの印象深い握手。吉木さんが千秋楽でテンションあがっていたのも大きいのだろうけど、どっか地の果てまで連れて行かれそうでした。

吉木さんにひたすら堕ち続ける落下ボーイだということです。