5 日深夜に放送された NHK 総合「着信御礼!ケータイ大喜利」は、いつもの放送と比べてふたつほど趣が大きく違いました。
ひとつは録画放送だったこと。基本的に生放送の番組ですが、今回は一ヶ月以上前の「 8 月 1 日」にあらかじめ収録されたものでした。その 8 月 1日にもやはり生放送があって、その直後に収録されたものだということです。
そしてもうひとつは、板尾創路のお子さんが亡くなったあと、初めての放送だったこと。
非常に繊細な問題で、安直になにかものを言うのもものすごく憚られるのですが、「ケータイ大喜利」好きとしてこの影響はやっぱりどうしてもスルーできないです。
報道があったのは 8 月 17 日のことでした。
収録当日には、まさかそんなことを想像するはずもなく。
たまたま今回が録画放送だったのは不幸中の幸いで、ちょうどいいインターバルになりました。これで録画じゃなかったら…と考えると、いろいろおそろしいです。
それでも、見てる側の気持ちの問題はつきまとってくると思うんです。板尾さんは「審査委員長」として視聴者から送られてくる大喜利の回答をさばいていく。
ただ、画面の中のそんな板尾さんが、なんだかいたたまれない。
まだ何も起こっていないときに収録された放送ですら、板尾さんは虎舞竜の「ロード」ネタを最優秀作品にしたりしていて、あぁ「なんでもないようなことが幸せだったと思う」か…とひとりで勝手に変な気分になったりしました。
再来週、9 月 19 日深夜に「ケータイ大喜利」生放送があります。ことが起きてから初の生ケータイ大喜利。
板尾さんはフジ系ドラマ「救命病棟 24 時」の収録や他のお笑い系イベントにも参加していたようなので、もちろん番組にも出演してくれるはずなんですが、妙に胸騒ぎがしてしまいます。
お笑い芸人としても異質なほどに、あまりワイワイ騒ぎ立てるような芸風じゃなく、むしろ基本ポーカーフェイスなので、外見的にはさほど影響が見られない、というのが板尾さんにとってはせめてもの救いでしょうか。
7 月 12日に NHK ホールで大々的な公開収録がありましたが、そのエンディングで、最後の最後に板尾さんが「大反対です!」と言おうとして「ダーハイター」と噛んでしまった瞬間。
そしてそのときしばらく真顔で悠然と立ちつくした板尾さん。
今回の放送でも「奇跡のエンディング」としてあらためて紹介されるくらい語り継がれている場面で、ほんとに今年一番というくらい現場で爆笑しました。
公式サイトに「番組をご覧の皆さまへ」と題した板尾さんからのメッセージが掲載されています。
この度は皆様から沢山の励ましのメッセージを頂きまして本当に有り難うございました。
皆さんの一言一言に、どれだけ癒やされたことかわかりません。
これからも楽しい番組を皆さんにお届けできるよう、今まで以上に頑張って行きますので、「ケータイ大喜利」を宜しくお願いします。2009年8月27日 板尾創路
「どれだけ癒されたことかわかりません」なんて言葉づかいからは板尾さんの声が聞こえてくるよう。
余計な同情みたいなものこそ、板尾さんは忌み嫌うのかも知れない。もう、採用されるかどうか緊張してドキドキするのでまともに番組を見てられないんだけど、せめてネタでも送ってみようかな、と思ってます。