2 日放送の日テレ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」の企画「芸能界怒り王グランプリ」で、お笑いピン芸人の「もう中学生」が、ふつうに喋ってました。
ネタやトークのときに荒唐無稽なテンションで立ち振る舞うことが多いもう中学生が、自分のネタをつくる準備段階では、ごくふつうに打ち合わせをしていたんです。
舞台裏では別の顔。なんて、お笑い芸人にしてみれば至極当然のことわりです。もちろんそうよ。とはいえ、そんな姿をテレビで見るのは初めてだったので、あぁ、ふつうなんだな、と安心しました。
企画自体はふだん滅多に怒らない「温厚タレント」が、別のタレントに対してドッキリ的に突如として「怒り」を見せ、その態様を松本人志が評定するというもの。
もう中学生が、「ぬるま湯」という若手コンビにネタ作りを協力してもらっている最中に、むりやり怒る、という流れです。その様子を収めた収録済の VTR を、ダウンタウンの 2 人がモニタリングしています。以下にその様子をしるします。
・まずはカメラに向かってひとりしゃべり
もう中:えーぼく、もうすぐライブをやるんですけども、それのお稽古をしているときに、えーそのお手伝いを「ぬるま湯」君にしてもらって…
浜田:なんやねん「ぬるま湯」君て! 腹立つ名前やな
もう中:ちょっとぬるま湯くんがお手伝いあんまり上手くいかなかったりしたところを、「わっ!」と怒りたいと思います!
この時点ではまだいつもの「もう中学生」です
・「ぬるま湯」と対面後ネタの打ち合わせ
もう中:あ、はい、あ、おつかれさまですー。おひさしぶりー
よかった、ゴメンね本当に、待たしちゃって
じゃあ、ちょっとさっそく台本観ていただきながら…うん、ちょっと書き加えたりして、一度ちょっとやってみて欲しいの
2 人で見て、ちょっとおしゃれな感じとかで、ここの前くらい…
浜田:コイツふつうに喋れてるやん
もう中:どう思う? 2 人で出すの。
うん。なるほどー
そうだよねー、うん。でも、薄明かりでちょっと…
じゃあ 2 人に持ってもらう形で、うーん、そうだね…
で、このあとは「わざと怒り出す」というくだりになって面白いんですけど、そこに至るまでのやりとりは、ぜんぶセリフを書き出してみても特になにもないほど、別にふつうでした。感想としては浜ちゃんの一言がすべてかも知れない。
この静かな打ち合わせから、あのエキセントリックな芸風が生み出されてるとは、ふしぎな感じです。きっと、もう中なりの周到な計算があったうえで、アレなんですよね。それはそれでひそかに狂ってて興味深いです。
もう中学生の声のトーンや抑揚が、いつもよりちょっとだけ「おとな」でした。表舞台で見せる表情はとことん明るく、目尻垂れ下がりっぱなしなのに、その裏で見せる表情には、少しアンニュイな影がある。
あらやだ、なんだかそのギャップに、少しクラクラしちゃいそう…。