最近の AKB48 が名曲ばっかで屈服せざるを得ない

大声ダイヤモンド」「 10 年桜」そして「涙サプライズ!」と AKB48 の直近シングル 3 曲がどれもこれもすばらしすぎて一気ににわかファンと化してしまいました。もうどうしょうもありません。

きっかけは「涙サプライズ!」の CM が読売新聞のキャンペーンにかこつけて 6 月のテレビでごりごり大量に流れていたことでした。このたった 15 秒とか 30 秒で聞こえてくる束ものアイドルソングが、ごり推しのわりにはなんだか好感触だったのです。「あれ? こういう女学生が大量に出演してお祭り感を演出するような昂揚感のある曲って、ぼく実はどストライクじゃね?」と思ってしまった。それでもってためしに YouTube で「涙サプライズ!」のミュージッククリップを見てしまいました。

これがマズかった。


序盤こそサプライズパーティに向けて前田敦子(あっちゃん)が目隠しで学校の校舎内を踊りながら連行されるなど背徳感さえ漂う雰囲気で若干不穏ですが、3,2,1,0!とカウントダウンを経て幕が開いたあとは華々しいかぎり。

延々とファンファーレが鳴り響いているかのような派手派手しいアレンジや、どこまでも続く夏休みのようなありもしないユートピアっぽい幸福感の演出。「おたんじょうびおめでとー!」というスタンダードなメッセージにかこつけて、ためてためて充満してやがてぶち撒かれる、そんな圧倒的なパワーにすっかりやられたのです。

後半に繰り返される「陽」の要素しか存在しないサビメロには、まるでぼくが AKB48 の人たちからワショーイと胴上げでもされているかのようなふしぎな浮遊妄想を喚起させられます。

で涙がにじむのです。

http://www.youtube.com/watch?v=MI7lzJD13aM


その次に立て続けに見てしまった「大声ダイヤモンド」は CM でチョロッと聞いたことがある程度でしたが、やはりクリップの毒牙にかかってしまうと、やたら構成が凝ってる上に、曲自体にも自分がリアルに体感もしてなかったはずの青春時代の疾走感やら焦燥感やらといった名状しがたい「感じ」がたっぷりつまっていて胸にグッと来っぱなしで、まんまとハメられてしまいました。

「♪大好きだ! 君が大好きだ! ぼくは全力で走る!」「♪大好きだ! ずっと大好きだ! 声の限り叫ぼう!」なんてサビの歌詞は単純だけど最高じゃないですか。甘酸っぱいはずだけどなんならシリアス気味な音階に載せてそんなハイになっちゃった歌声がこだまするんです。歌詞はもちろん秋元康の手によるものですけど、そのメッセージはもう AKB48 の人たち自身から闇を切り裂くように発せられるもので、たまりません。

http://www.youtube.com/watch?v=18VXf36Mfio


そのあとに「 10 年桜」を聞きました。シングルリリース順とは前後しますが、これが極めつけでした。

あらためてまともに聞いて、どんだけ全編サビみたいな曲なんだ! という感想を抱きました。B メロこそ PPPH 御用達って印象を受けましたが、あとはもう「仰げば尊し」を下敷きにしたロックテイストのアイドル楽曲というめちゃくちゃなイメージに終始していて、あんまりな力業に噴き出しそうになりました。♪ダダッダッダッダ ダッダダーダー!みたいなサビのリフも耳に残り、この曲もやっぱりぜんぜんアリだったのです。全敗やがな。

クリップもストーリー仕立てでそこそこ意味深な見応えのあるものでした。「メイキング映像」さえもしっかり作ってあって、もうみんながみんな真剣です。

http://www.youtube.com/watch?v=D-QhcZt2fSo


トータルで秋元康が印税ガッポリみたいなこともつい頭をチラつきますが、もうしょうがないことです。儲けることができる人はほっといても儲けるんです。AKB 商法とかやり玉に挙げられることもありますがこれは客が自己制御ができればよいのです。


シングルに屈服するのと前後して 20 日に札幌でおこなわれた AKB48 の握手会に行ってきたんですよ。

「会いにいけるアイドル」みたいな名目で AKB が活動してるのはご承知のとおりですよね。でも札幌でイベントをするのはかれこれ 3 年以上ぶり? とからしいんです。アイドルの活動期間、寿命からみれば、致命的にブランクがあいている。いくら秋葉原密着とはいえ地方都市の放置は自分たちの首を絞める行為なんじゃないかと思うし、実際そのあいだぼくの AKB 熱が高まるようなことはありませんでした。3 年前も興味はありましたが行っておらず、今の今まで AKB の存在は歯牙にもかけちゃいませんでした。

でも今の段階で来るとなっちゃ歓迎するしかないじゃないですか! 据えアイドルと握手せぬはオタの恥!

ありがたいことに、「涙サプライズ!」披露のときのいわゆる「選抜メンバー」 12 名が、出し惜しみなんてこともなくそのまま来てくれるようでした。実際には直前になって少しメンバーが代わりましたが(松井珠理奈 12 歳まさかの欠席! 惜しい!)、予習として「ミュージックステーション」で「涙サプライズ!」に出演していたものを何度も繰り返し見て、「週刊プレイボーイ」に掲載されてた AKB メンバー図鑑みたいなのと首っ引きで、ド短期つめこみ教育って感じでなんとか顔と名前を一致させることにしました。名前も知らずに握手なんておこがましいですからね!

そして名前を覚えるのと同時にだんだん数珠つなぎ的にいろんなメンバー個人の動画とかも見ることになるわけですよ。誰がいちばんビジュアルがすてきだとか、歌うまいとか、次々と発見していってね。もしかしたらいちばんたのしい時期なのかも知れません。でそうこうしてるうちに握手会の日程が近づいてきて、なんだか次第に「あぁあと○○日でナマのスターさんに会える!」ってだんだんミーハー気分に浮かされて指折り数えてその日を待ちわびていくわけです。今年 31 歳の無職がです。でも属性とかそんなのいっさい関係ねぇんですよ! アイドルの前ではみんな平等だおo(`ω´*)o


握手会は北海道のアイドルイベにしちゃかなりの人だかりでした。比較するのも忍びないんですけど同じ場所でちょっと前におこなわれたハロプロ真野恵里菜ちゃんイベの十倍くらいの見物客がリアルに集ってました。これは別に優劣とかではないです。真野ちゃんスキスキスー。

AKB の集客力は予想外のものでしたが、そりゃそうだ最近の曲めちゃくちゃいいし、セールスも伸び始めているようです。あとメンバーがキャラ立ってておもしろい。単純にキャワユスな方々も多いです。ぼくはそのあたりにさっぱり目もくれず、なぜかどこかで植え付けられていた先入観でバカにしてました。お恥ずかしい限りです。



サッポロファクトリーアトリウムにて


12 人の選抜メンバーの握手の列は 3 つに分かれていて、結果 4 人と握手しましたよ。もちろん買い増せばもっといろんなメンバーと握手できましたけど、そこは! 自制心! 足るを知る!

でもって握手したのは左から順に、渡辺麻友まゆゆ)、柏木由紀ゆきりん)、板野友美(ともちん)、前田敦子(あっちゃん)で、わぁなんて豪華なの? 流れるように握手したあと腰がくだけました。

彼女たちのアイドル性やタレント性の魅力を十分に語る言葉は今のところ持ち合わせてませんが、直感として、ゆきりんに惚れました。握手しながら「ゆきりん!」となんとなく全力で叫んでみたら「ハイッ!?」と全力で瞳孔を開いたような顔になってくれたからです。一瞬のレスポンスとして最強でした。なるほどこりゃピストルさんも夢中になるはずだわ、と得心するとともに、この日をさかいにピストルさんに対して嫉妬の炎がメラメラと沸くことになりました。ぼくはもうダメです。

あと、まゆゆはちっこくて現実感が乏しくて、あっちゃんは「あ、あっちゃんだ! 芸能人だ!」でした。そして特筆すべきはともちんの存在感。色の黒さ、手の感触、ちょっとしたけだるさ、表情などが、なんとすべて石川梨華ちゃんとうり二つだったのです。いろんなものが一気にフラッシュバックするようでした。


と、こんな具合に、一度に仕入れたインプットが多すぎてオーバーヒートしそうだったので、握手会の翌日、ぼくはアウトプットのためにひとりカラオケに出向いて「涙サプライズ!」「大声ダイヤモンド」「 10 年桜」をほぼエンドレスで歌い続けることにしました。

振り付けもほとんど知らない状態でしたが、なぜかかけていたメガネが幾度となく歌の勢いでボフッと吹っ飛んでしまうほどの大熱唱を演じてしまいました。声も枯れましたが、これはドリンク代をケチって何も飲まずに歌ったせいでもありそうです。

まだアイドルの追いかけ方としては超浅いもんだと思っています。疑問点もちょいちょいあるし、過度に評価してしまってる部分もあるかも知れない。そしてもしかしたら明日にはいきなり飽きてしまっているかも知れません。

しかし遅ればせながら AKB48 への見方がガラッと変わってしまったこの初夏だよ、ということは事実であります。とりあえず現状の思ってることをおおよそぶちまけてみました。AKB に転向したハロプロファンの方々の気持ちがちょっとだけわかりました。

ただ、やみくもにお金を搾り取られることだけは何としてでも避けたいところです。ちなみにあれだけ熱唱したひとりカラオケも「 2 時間 200 円」という超リーズナボーな料金で済んだんですお(=・ω・)ノ



↑8 月発売のニューシングルは、まだ詳細が公表されてないようです。しかし、もう他人事じゃありません