オードリーの新作DVDを鑑賞したお(・ω・)ノ

7 月 22 日発売の『オードリー DVD 』を TSUTAYA でレンタルしてきたのでさっそく鑑賞したお!

この作品はオードリーにとっては意外なことに初の単独 DVD 作品になるということだお( ´_ゝ`)フーン

ってことで今回の更新ではチャプターごとの感想文をただ愚直に書き記していくことにするお!

ちなみにいきなりふざけた文体になってることに関しては、えっらそーにお笑いを語ることに常につきまとう「上から目線」という批判へのエクスキューズ、ということでひとつ堪忍してくれですおヽ('A`)ノ


漫才「親孝行」

オードリー流のスタンダードな漫才がいっこめのチャプターからさっそくお目見えだお。基本どっかで観たことあるようなやりとりの連発だけどすこし構成がヒネって変化するだけでだいぶ印象が変わるもんだお。ふだんテレビのネタ番組とかじゃ時間の制限の中でネタの余剰部分をカットするなどしたコンパクト漫才がもっぱらだけど、さすが単独ライブだけに所々で挟まれるアドリブのようなフワッとしたやりとりが、自由度の高さを示しているようでかえって心地いいお。お客さんもどうやらあまりテレビで見せたことないようなボケにことごとく笑ってるようだお。裏を返せばあるていどテレビの舞台で消費されてきたボケツッコミに関しては客席の笑いも単なる愛想笑いに過ぎないかも知れず、いったんそう推測してみると笑い声に秘められた冷静な批評眼に戦慄が走る思いだおヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ


結婚の挨拶

漫才のあとはコントだお。若林が婚約者を引き連れて自らの父親である春日に挨拶がてら引き合わせるという設定になってるお。このコントの春日はアメリカかぶれのヤバいマッチョマンという無茶なキャラクターデザインがなされており、国際問題に発展しないか懸念されるところだお。あえてたとえるならこの春日のキャラクターは髪形やヒゲなどまるでその昔アスパラドリンクの CM に出てた外国人「ハニホー・ヘニハー」のようだと思っていただいても差し支えないお。しかしこのたとえはあまり伝わらないかも知れないので、念のためにハニホー・ヘニハーの画像を貼っておくお。



なんと奇遇にも画像が「トゥース」


しかしブレイク前の春日がなにかまかり間違ってこのキャラでトーク番組とかに出てしまっていたら、と考えると恐ろしいお。男のぼくでも生理的に受け付けない感がマジで半端ないので一瞬だけ注目を浴びたにせよブレイクすることは1000%ありえなかったはず。地獄の道への一里塚といったところだったお。春日のボケの内容としては若林やその架空の婚約者(舞台上にはいないお。透明ランナーのようなもんだお)にてんで的はずれなレッテルをいちいち与えるというような春日の言い回しがキーポイントになってるお。春日が「おいチャイニーズ!」と呼びかけて若林が「いやオレ日本人だよ」とつっこむシステムだお。まるで 5GAP のホワイト赤マンを見ているようだお(´-ω-`)


漫才「転校生」

ふたたび漫才だお。若林が転校生になって転校初日の挨拶をシミュレートするもののその横で春日が妄想学級の生徒の声をことごとく代弁していくという方式になってるお。個人的にこの方式のオードリー漫才はゲラゲラ笑えてたまんねーものがあるお。春日の脳のなかでちっちゃいピクミンみたいな大量の人間がわちゃわちゃと自由闊達に活動しておりそれをなるべく手の動きだけで表現して、若林がそんなピクミンどもにつっこみを入れまくる、という虚構に虚構を上塗りしたような漫才とでも説明すればいいかお。春日の脳でデフォルメされた小集団を客の頭のなかにも投影させるわりに、セットも舞台衣装も人手も当然いっさい不要で金もかからず、ただテーブルトーク的なふたりの言動だけですべて話を展開することができるので、これこそがオードリーならではの妄想エコ漫才の真骨頂といえるお。見る側にも想像力が求められるわけで、いわば「バカには見えない漫才」なのかも知れねーお(`・ω・´)シャキーン


スタイリスト

コントに戻るお。若林のスタイリストだという春日が、なぜか黒パンツ一丁のほぼ全裸かつ己のボディをテラテラに油でぬりたくった姿でマッチョに登場するお。まったく「油谷さん」かお。当然そんな春日がまともなヤツなわけもなく、終始ろくでもないスタイリスト仕事ぶりを見せつけるという悪ふざけに終始しているお。マッチョだけに頼ったネタでは老い先みじかいかも知れないけど、マッチョネタ“も”できるという芸域の広さを示してはいるお。春日にはあまりセリフが用意されておらず、むしろ常人には理解不能な身体動作のみで笑いを取ろうと意気込んでいて、これが案外バカにしたもんじゃなく、若林のツッコミとあいまってハマる人には爆発的な笑いを喚起するくらいのポテンシャルを秘めたネタのような気がするお。特にエキスパンダーで若林のズボンの寸法を測ろうとするくだりがバカすぎて白眉だお。春日のメリハリの利いた壊れっぷりは完全に制御不能で、その一挙一動に若林も台本を超えたニガ半笑いが抑えきれなかったようだお(´・∀・`)


若林ピン

野球のユニフォームを着た若林がめずらしくピンネタを披露しているお。自分のからだを東京近郊の鉄道の路線図に見立ててバッティングの指導をするというターゲットの絞られた野球漫談だお。ほんと芸人さんはみんな野球が大好きだお。野球あるあると東京ローカルあるあるでひたすら推し続ける構成で、東京ローカルの話題についていける人ならたぶん超おもしろいはずだというのがお客さんからの拍手喝采からも伝わってきたお。仮にローカルな話題についていけなくてもガンガン攻めこんでくるような熱量もあってつい笑かされざるを得ないお。なんか NHK 総合「笑いがいちばん」の客層にしっくりきそうなネタだという気もしたお。こないだ若林はテレ東系「アリケン」でも「オードリー若林の単独ライブ」とか称して冗談っぽくピンネタを披露していて、あの場では番組の特殊な空気が原因で多少スベリ気味になってたけれど、さすがに単独ライブは「ホーム」だったお。若林の底力を見たお(・∀・)b


ショートアメフト

ふたりしてアメフトのユニフォーム姿に全身を固めて「ショートアメフトやります!」とかうそぶくんだお。典型的な設定ボケだお。日常生活のどんなことでもアメフトに結びつけてそこから滲み出る不条理な浮遊感を味わうのがどうやら醍醐味のようだお。テレビでは見たことない好き勝手ぶりがほほえましいお。学生時代に一生懸命やってきたことが見事に生きてるということだお。アメフトのルールとかよく知らないけど相手を激しく吹っ飛ばすタックルは華やかな魅力をまとっていると得心したお!(`・ω・´) シャキーン


漫才「カスガクイズ」

三本目の漫才だお。つくづくオードリーの本領は漫才にあるお。今回はおなじみ「春日クイズ」で超絶的にテンポがいいお。このネタでも春日は二本目の漫才に続いて妄想のピクミン生み出す的なあの手法を駆使して己の両手で「虚構のお客さんのリアクション」ってやつを演出しているお。おもえば NON STYLEM-1 グランプリのときにあのボケ担当の白い装束の石田が一度ボケたあとにふたたび自分のふとももを叩いて自虐ツッコミをするというような二段構えで笑いの手数を量産し、またそういうあまり見慣れない手法を考案したことが審査員の印象にも残ったりして結果優勝を果たしたわけだけど、春日の「ピクミン手法」もまたボケの発信地をひとつ増やすことによって、そのピクミンに若林がつっこんだり春日が自ら乗っかったりするという幾重もの枝分かれな展開を可能にし、もののみごとに重層的な漫才の構造をつくりだすことに成功してるわけなんだお!! さすがに春日クイズと春日ダンスは既出だったけど、その他の細部はことごとく目に新しかったお(*´∀`*)


激しく鳴り響く太鼓の音と、まるで燃え上がる炎のように真っ赤っかな照明にてらされて、フンドシ一丁姿の春日がおもわせぶりなパフォーマンスを見せつけるんだお。はたしてその雄々しさの先にあるものは…! 端的に申し上げて小ネタだお(ノ゚д゚)ノ


サラリーマンファイター

若林がゲームディレクター、春日がスター気取りの尊大なタレントにそれぞれ扮し、春日が対戦格闘ゲームの声優としてアテレコをするという設定のコントだお。春日が「サラリーマンファイター」としてゲームの必殺技(「名刺カッター」等)のセリフを次々と吹き込んでいくという流れを基軸に、わがまま三昧な春日のボケに対して若林が徹底的につっこんでいくお。表向きはスター春日に迎合しながらも裏では別のスタッフに陰口をたたいながらアテレコ作業をこなしていくお。若林は本音と建前を使い分ける人物像になってるわけだけど、ひとつ舞台装置として感心したことがあって、その本音と建前をお客さんにわかりやすくするために、収録ブース内の若林のマイクの「オン・オフ」が、机上のライトの点灯の「オン・オフ」でそっくり視覚的にわかりやすくなっていたんだお。やぁこりゃ親切設計だなと思ったお。また春日のセリフが次第にアドリブやら台本セリフやらわからなくなっており、若林が春日にアドリブを強要するみたいな流れになったのも一興かお(・ω・)


漫才「デート」

漫才もとうとう四本目に突入したお。これまで気にならなかった春日の顔面のホクロがいきなり気になりだしたお。春日のホクロは顔面の「左側」にのみ偏っており、若林のつっこみを受けるのが春日の顔面の主に「左側」だということを考えると、もしかするとつっこみがホクロを生成しているのかも知れないお。ホクロと見せかけた「血豆」かも知れないかと思うと漫才も K-1 に匹敵するちょっとした格闘技だお。ライブは最終盤に突入していると見えて、オードリーご両人ともにけだるさを隠せない様子だお。あげく春日がリーサルウェポンの「噛み」をこの漫才でようやく初めて炸裂させたお。若林も噛んだことを迷惑がりながらもそのハプニングにまんざらでもなさそうで、すべてのやりとりを漫才の枠に押し込めようとしながらも、ちょっとフリートークの様相さえ呈してきたお。若林が「ショーパブ 8 年出てんだよ!」とアドリブで芸歴への自負をのぞかせていたのが印象的だったお。結局この漫才がラストネタということで、渾身のライブおつかれさんだお。・゚・(ノД`)・゚・。


スタッフロール

最後はスタッフロールが流れながら BGM として若林の独唱する GReeeeN 「キセキ」が流れてくるお。これでオール〆だお。若林の歌唱力はご案内のとおりだお。


まとめ

2009 年も中盤を迎えて、こと春日のキャラに関しては今年中に飽きられそうな当落線上にいる気がしますけど、ネタのクオリティにはたしかな地肩の強さが感じられたお。実力不足という理由だけで人気を落とすことはないはずでその点では心配いらねーお。若林のピン芸もまっとうにおもしろくて頼もしいかぎりだお。「飽き」だけが唯一の敵なので、せいぜい露出過多になりすぎないほうがいいかもな、と老婆心ながら思いますお。

なおセル DVD 版の特典映像には「春日にお金を使う楽しさを知って頂こうプロジェクト」というのが収録されているらしく、どうやら周囲の人間が春日に対してお金を使う喜びを説き伏せるようだお。この特典は未見なので何とも言い難いですけど、本ネタのほうに限っていえば、よっぽど春日そのものやマッチョな半裸体に対して強烈なアレルギーがないかぎり、自信をもっておすすめできる一作だお( ´_ゝ`)σ


オードリー DVD
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