出川哲朗のリアクション講座 - テレビの土踏まず

10 日放送の日テレ系「中井正広のブラックバラエティ」で出川哲朗がリアクション講座みたいなのを開講してました。以前同じようなことをダチョウ倶楽部がやっていてその続編の趣です。

ただ、リアクション講座のていを取りながらもその実は出川の言動をあげつらっちゃおもしろがるみたいな風向きは大いにあって、中居正広をはじめ、オセロ中島、勝俣州和、石原良純、カンニング竹山、小倉優子らの出演者が、出川の講師ぶりを終始茶化してました。

それでも講座は講座として見どころもあったので、今回の更新で書き残します。ちなみに出川がセリフを噛んだり言い間違ったりするのはいちいちおもしろいんですが文字にするとややこしいだけなので最大限に出川の本意を汲んだかたちで適宜伝わりやすいよう修正しています。

「出川哲朗のリアクション講座」　梗概

1.正しい CCD カメラの使い方
　1-1.大事なのはガムテープ
　1-2.倒れるときは右肩から
　1-3.水を使ったロケの注意点
2.リアクションの鉄則 13 か条
3.実践「箱の中身はなんでしょね？」
4.実践「どら焼きロシアンルーレット」
　4-1.「サソリのどら焼き」の場合
　4-2.「タガメのどら焼き」の場合

1.正しいCCD カメラの使い方

1-1.大事なのはガムテープ

・CCD カメラをぐるぐる巻きで固定すべし

出川「ぐるんぐるんぐるんぐるん巻きにしとかないとダメなの」
勝俣「ぐるぐる巻きよりもっと強く？」
出川「そう、ぐるんぐるんぐるん巻きくらいにしないと。
CCD カメラが動いちゃうとホント腹立つんです」

・過去にカンニング竹山がロケで転倒して CCD カメラが機能しなかったことを説教

出川「おまえ転んで CCD がチョコンと曲がっちゃったろう」
竹山「はいはい」
勝俣「違うところ撮っちゃって」
出川「なんですぐ戻さない！？」
竹山「いや、夜でよくわからなかったから。それはぼくのせいっていうかスタッフのせいでしょう？」
出川「どんなことがあってもすぐ戻さなきゃダメなんだよ！」
竹山「へー」
出川「これは絶対基本！」

さっそく厳しい出川講師

1-2.倒れるときは右肩から

出川「右肩から必ず入ってください」
勝俣「なんでですか？」
出川「左肩から入ると CCD カメラが地面にガーンとぶつかってしまう」
中島「あー」
中居「右肩から行ってもガーンってなるんじゃないですか？」
出川「いや右からだと絶対にガーンってならないです」
勝俣「カメラ動かないんだ」
出川「はい。右から必ず入ってください」

カメラのアームみたいなのが左サイドに伸びてるからのようです

1-3.水を使ったロケの注意点

出川「“水ものロケ"の場合、カメラレンズが濡れちゃう。そうすると見づらくなっちゃう」
中島「（レンズに水が）溜まってきて」
出川「そういう場合はすぐさまバレないようにレンズを拭いてあげるんだけれども」

このとき水滴は拭ききれず、レンズに水滴が残り、CCD カメラが映す出川の顔も歪むのだが……

勝俣「もっと見づらい！」
中島「出川さん、映りが変ですよ！」
出川「ちょうどいい感じです。これが言いたかったんです！」
勝俣「これは良い状態？」
出川「この（レンズに付着する）水の量が画面の 35% まではオッケーなんです」

※番組テロップ「そうか？」

・過去に石原良純が番組のロケで水かけられすぎて CCD カメラ壊したことを説教

出川「水攻めされたでしょ？そんでカメラ壊したでしょ？」
石原「はい」
出川「あんなのありえないよオレからすりゃ！」
中居「あーそう」
出川「なぜ？ Why？」
勝俣「出た」
出川「命の次に大事なんだから、どんなに濡れようがまずカメラをこうする！（ガバッと保護するような感じ）」
勝俣「守る！」
出川「そう、守りながら『あ〜冷たい冷たい！やめてくださいやめてくださいよ〜！』…わかったか！」

大熱弁。しかしこの手本を見せるくだりで出川がカメラに必要以上に水をかけすぎてしまったため、出川自身が「命の次に大事」と主張していた CCD カメラは、なんと本当に故障してしまったという

番組ナレーション「ちゃんと弁償してね」

2.「リアクションの鉄則 13 か条」

出川「いくぞ！」
小倉「はい」

出演者の中でひとりだけ返事

リアクションの鉄則 13 か条

鉄則 1 「リアクションはカメラの前で」
鉄則 2 「現場には必ず替えパンツを持参」
鉄則 3 「服を脱がされる時は自ら脱ぐ」
鉄則 4 「水に入る時はマイクを外す」
鉄則 5 「スタイリストの衣装は汚さない」
鉄則 6 「危険は最高のチャンスである」
鉄則 7 「リアクションは団体芸である」
鉄則 8 「全身タイツはリアクション芸人の正装」
鉄則 9 「水をなめるな」
鉄則 10 「出血したらフレームアウト」
鉄則 11 「猛獣に詳しい」
鉄則 12 「爆発ロケの一番の敵は強風」
鉄則 13 「リアクション芸人にスタッフの優しさはいらない」

特注のボードをもとに解説を進めていく

以下、各論

鉄則 1 「リアクションはカメラの前で」

出川「よくもうリアクションしてると熱中しちゃって、
（周囲の状況が）分かんないで『アチチチチ』『痛い痛い痛い』って
カメラが来る前にやっちゃうパターンがあるから」
小倉「はい」
出川「ちゃんと自分で見極めながら。
そう、カメラってのは撮られるもんじゃないからな」
勝俣「えっ？」
出川「自分で引き寄せるもんなんだよ！」

「カメラは自分で引き寄せるもの」。なるほどリアクション芸人として生き抜いてきたからこそ得られた名言と思う。黙ってても向こうから撮ってくれると思うな、と。しかし他の鉄則についても出川の熱弁は続くものの、すべて編集で「やりました」というていでばっさりカットされてました

3.実践「箱の中身はなんでしょね？」

出川「♪箱の中身は…おぃおぃカットカット！」
勝俣「どういうことですか？」
出川「♪箱の中身は…合唱だろうが！」
中居「いきなり言われても、あの『せーの』とかないんですか？」
出川「わかりましたわかりました」

いきなり歌い出して合唱を強要して合図がないとつっこまれる

・以降「もしも箱の中身がかわいいヒヨコだとわかってしまったとき」を出川が実演

「うわ、こえー」
「これは怖いわマジで！」
「うわ怖い怖い怖い！すげー怖い！」
「なんか怒ってる怒ってる」

中居「なんかピヨピヨ言ってる」
出川「…ピヨピヨ言ってる、ってなんだよ！ 営業妨害になるわ！」

「うわこえー」
「ヘビとかじゃないの？」
「おー動いた！」
「これもうちょっとやめようよ〜」
「全然聞こえない」
「うわ、こえ〜、怖い！」
「うわ何それサソリサソリ？」
「うわうわ噛まないで噛まないで」
「怖い怖い怖い怖い」

「…ちゃんと噛めよ！（ヒヨコに）」

あくまで知らないふりを貫き通しながら箱の中に手を突っ込んで怖がるだけ怖がっといて、でも最後の最後に「実はぜんぶ知ってた」というていで箱の中身に対してキレる、と

4.実践「どら焼きロシアンルーレット」

4-1.「サソリのどら焼き」の場合

・当初は竹山が食べるはずだったのを出川が引き受けるはめに

竹山「どういう風に食べるんですか？」
出川「え、何その質問」
中居「師匠じゃないですか」
勝俣「へたしたら針刺さるんですよ」
中居「毒まわるんですよ」
石原「出血したらフレームアウト」
小倉「どうするんだろう？」
中島「痺れない？」

見た目が毒々しいサソリを牽制する一同

・衆人環視の中

出川「このパートナー（＝サソリ）は初めてだなぁ」
中居「一気にひと口でいっちゃうんですか？」
出川「いただきます」

中島「…あれ意外に？」
竹山「おいしい顔してる？」
出川「…美味しい」
勝俣「サソリ美味しいの？」
中居「リアクションダメじゃないですか？」

出川「…うえ〜！（ワザとらしく）」

中居「ど、どうしたいの？」
小倉「わかりづらいです」
中居「どっちでいくの哲ちゃん、もう。ハッキリしようよ」

出川「だからダメだっつうの！こんな！ね！
針ついてるサソリとか用意するな！ってことですよ」

※この一連の流れっていろいろ細かく紛糾しててややこしいんだけれど、要するに「見た目がガチで危険そうなのに実際は意外と美味しかったりするとリアクションの軸がブレて困る」ということだと思います。「マズイならマズイで貫き通してくれ」と。もしくは「針ついてるサソリを用意するとか番組側が本当にバカで危険性を考慮してない可能性もあるからやめてくれ」。ただあえて番組側がそういうめんどくさい困らせ方（「針サソリを起用」「実は美味しい」）をして愉しんでいるという趣ではあった