日ハム金子誠は月間 MVP でも「 16 年間で一番サボったオフでした」


マンドクセ(¬ε¬)デモアリガト


北海道日本ハムファイターズ金子誠選手が 4 月のパ・リーグ月間 MVP (野手部門)に選ばれました。プロ生活 16 年間で月間 MVP は初の受賞だそうです。

4 月の金子誠はバッティングが絶好調。「 7 試合連続二塁打」の日本新記録を樹立したり、月末まで打率 4 割をキープしたりと、昨年までの通算打率がとても.256 の打者とは思えない“恐怖の 9 番打者”ぶりでした。

ところがプロ野球の月間 MVP を伝える全国放送のスポーツニュースでは、同じパ・リーグでも楽天田中将大セ・リーグでは阪神金本知憲の受賞会見がフィーチャーされてばかりで、ぼくの見たところ金子誠の会見の模様にはまったくお目にかかれていません。

知名度や注目度では田中・金本に敵わないというのはあると思いますが、それにしてもちょっとせつない。

ただ、全国ニュースに乗らなかったのには、どうやら理由があるらしい。

というのも、金子誠の会見は、だいぶ『ひねくれてた』らしいんです。


日刊スポーツの web サイトでは、ごくふつうの記事になってます。

日本ハム金子月間 MVP「びっくりした」

 日本ハム金子誠内野手(33)が8日、4月の月間MVP賞に選ばれ、試合前に記者会見が行われた。4月は打率4割2分3厘と好調で、33安打、12二塁打も合わせてすべてリーグトップ。7日のロッテ戦から15日のオリックス戦にかけては、7試合連続二塁打プロ野球新記録も樹立した。プロ16年目での月間MVP初受賞は、同賞が制定された1979年以降、パ・リーグではもっとも遅咲きの記録。「びっくりしました。自分には縁のない賞だと思っていた。いい思い出ができました」と笑顔だった。

これだけ目を通すと、簡潔明瞭、あぁよかったねよかったね、で収まる話です。地元北海道新聞のサイトにも多少詳しいですが金子が「率直に喜びを語った」みたいなニュアンスで同じような主旨の記事です。


しかし、ほぼ日ハム専属解説者といえる元日ハムの岩本勉が、10 日放送の HBC ラジオ「ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組」の中で、金子誠の記者会見について

「あんなひねくれ会見テレビで流せられるかーい!」

と関西弁でつっこんでいました。

金子誠の会見はどうやらラジオの日ハム応援番組みたいな放送で 3 分間ほど放送されていたらしく、そこで聞くことのできたナマの金子誠の話が、岩本勉に言わせるとテレビで流せそうにない「ひねくれ会見」だった、と。


そんな音源ぜひとも聞きたいわけですが残念ながら手元にはありません。しかし北海道日本ハムファイターズ公式サイトで会見の模様の一部がテキストで置いてありました。

内容的には正直ちょっと物足りないのですが、ここにありがたく引用します。

金子誠といえば、もともとユニークなヒーローインタビューや、ときどき見せるシニカルな言動、あるいは 2 アウト走者無し的な打席でのどう見てもやる気なさげな態度(昨年まで散見された)など、独特のセンスを持ったベテラン。


そのあまのじゃくな魅力の、ほんの一端です。

受賞会見コメント


―まずは MVP 受賞の率直な感想を


金子「自分には縁のない賞だと思っていたので、びっくりしました。
タフィー(ローズ選手=バファローズ)さんが目の前で打っていましたので。
オフの間は 4 月から野球が出来るとは思っていませんでしたし。


4 月中旬ぐらいに色々な人から
「(月間 MVP が)あるよ、あるよ」
余計な事を言われ
ゴールデンウィークの 9 連戦までは頑張ろう
と思っていました。
4 月中は打線の中で自分なりにつなぎ役に徹することが出来たかなと思います」


―ご家族からはどんなことを言われましたか?


金子「特になにも。また打ったね、とか」


―好調の原因は何だと思いますか?


金子「さっぱり分かりません。何も変えたことはないので。
16 年間で一番サボったオフでしたし
先ほども言いましたが、4 月から野球が出来るとは思っていなかったので、
オフのつけがいつかは出てくると思いますね


―今後狙ってみたい賞などありますか?


金子「何もありません。
自分らしく 1 日 1 日謙虚に、チームに貢献出来たらなと思います」

なんというツンとデレのアンサンブル。

記者の質問に対してまずは「わからない」「何もない」といった否定や自虐から話を切り出す。しかし最終的には話にきっちりオチがつく感じになるのです。

ずっと腰とか股関節に故障を抱えながらの出場ということもあって、決して万全の体調じゃないからこその謙遜、というのもあるのでしょうけれど。実にベテランらしい会見だったようです。


10 日(日曜日)母の日に札幌ドームで行われたオリックス戦でも、金子誠は序盤にタイムリ二塁打を放ってましたが、その際、金子はまだ試合途中にも関わらず球団広報を通じて『ぜんぜん連絡してないけど僕は何とか元気にやっていますヒット』と母の日にちなんで打法を命名してました。

テレビ中継でもそのコメントがベンチレポートで伝わってきて、実況席解説の岩本勉がまた「めずらしいなぁ〜」と大笑い。そんな日ハムデイズです。