完全に私事なんですが。
※気持ち悪い内容です。にげるなら今だ!
これ書いてるぼくの左足のかかとには
“ 『 ”
というまるで「カギかっこ」のような形状の傷痕があります。
子どものころに親が運転していた自転車の後輪に足を巻き込まれたのです。
法的に「 3 人乗り自転車」が容認されるとニュースが伝えています。
今回は、そんなニュースに関係あるようなないような、実体験というか、そこを踏まえての注意喚起というか、要するにふだん他人にあまり語ることのないようなトラウマ話を以下にお届けしたいと思います。
警察庁は 9 日、幼児 2 人を前後に乗せても運転に支障が出ない新型の「 3 人乗り自転車」の安全基準を公表した。 (YOMIURI ONLINE)
ってことで早ければこの 7 月とかにも安全基準に適した新型自転車であれば幼児ふたりを乗せた「自転車 3 人乗り」が容認される、という話がこのところ出てきました。
「めざましテレビ」で加藤綾子アナが自転車にまたがって安全性を訴えるなどしてました。他のニュース番組でも同じような趣向のニュースをちらほら見かけてます。
しかしぼくには自転車の 3 人乗りに関して、極めて忌まわしい記憶があるのです…。
えげつないノスタルジー
あれは幼稚園に入る前のこと。
今から二十五年以上も前ですから、やぁ時代はまだまだ昭和です。
我が家は札幌市内の団地住まい。のんきなもんでした。
その日は空がとても青かったことを憶えています。
そんな団地の敷地の中を、自転車に乗った母親と、まだ 2,3 歳くらいの弟と、そして自分の 3 人で歩いていました。何の用事があったんでしょうね。
弟がまだ小さいころのことで、母親は前輪上部のカゴに弟を乗せていました。自転車はふつうのママチャリです。
自転車は「弟だけ」を乗せていました。ぼくは歩きっぱなし。
これはもうスネるわけです。
「ぼくも乗りたい乗りたい」ってゴネ出したんですね。
いくら息子がゴネようが、そこで母親がダンコとして断ってしまえばよかったのですが、ぼくの押しが強かったのか、母親が押しに弱かったのか、とにかく断れなかったらしく。
乗った、と。
自転車はゆっくりとこぎ出しました。
前にも後ろにも子どもを乗せているわけですから明らかに不安定ですよね。ただのママチャリだし。別に母親も身体能力に秀でているわけではありません。
ただ、子どもはバカですからそんなムリがあるとか危険だとかは、つゆほども思いを馳せない。
「わーい」って足をバタつかせるわけです。
後輪の上で。
自転車は走る。
ぼく、足、バタバタ。
ってなりますよねそりゃもうそうなるしかないんです。
自転車の後輪に左足かかとが巻き込まれて骨と肉が削ぎ落とされていきます。
しかも裸足。
サンダル的なものは履いていたんですが靴下履いてませんでした。母親もペダル漕ぐのに必死で、異変にはすぐには気付かない。自転車は急に止まらない。
団地の敷地内だったので、騒ぎはすぐ広まりました。誰かしらに呼んでもらったタクシーにすぐに運ばれてゆきます。どうして 119 の救急車とかでなかったのか今となっては知るよしもありません。
タクシーの後部座席に乗り込んで、なにがしかの応急処置を母親に施してもらいます。
泣きながらそこでぼくが見たのは、むき出しの骨と肉でした。
初めてあらわになった自分の「内側」。
視界は血。
あとの記憶はありません。
後日、何針縫ったとか、母親が父親からこっぴどく叱られたとか、母親に聞いたことがある気もしますが、そのあたりも詳しいことは忘れてしまいました。家族の中での話もなんとなくそれっきりです。
ほんとに不幸中の幸いだったのは、左足かかとのかなりの面積がエグられたにも関わらず、後遺症がまったく何も残らなかったことです。
「歩きたくない。ラクしたい」
そんな欲望という名の自転車に乗った途端、血を見る。
齢 4、5 歳にして「自己責任」を強烈に思い知らされた出来事です。
むずむず
当時の法律とか知りませんが、少なくとも現段階において「自転車 3 人乗り」は法的には認められていないようです。
とはいえ黙認状態にはあるみたいで、だからこそ今般の「基準さえ満たせば 3 人乗りオッケー」がニュースになってるわけです。
今後「自転車三人乗り」は制限つきとはいえ認められるようですけど、車上の子どもの安全性はどうなんでしょうか。
新製品の自転車も夏ころから発売されるようで、もう自転車といえども二輪ではなく三輪や補助輪つきの製品も試作されているらしいです。
十分配慮に配慮が重ねられているのでしょう。子どもの足元には車輪ガード的な装備もなされているはず。
うん、ぼくが車輪に足を巻き込まれちゃったのとは、ぜんぜん別の次元の話かも知れない。
しかし報道を見るたびに、ぼくの左足のかかとの“ 『 ”は、むずむずと疼きだすのです。
これ読んでる人で「 3 人乗り自転車」の当事者のママさんパパさんが何人いるかわかりませんが、マジで気をつけてね。