Gackt はダチョウ倶楽部のギャグをやってくれるのだろうか


日本テレビ系「ぐるぐるナインティナイン」の「ゴチになります! シーズン 10 」は前シーズン最下位だった矢部浩之がレギュラーの座を一時的にとはいえ奪われてしまい主軸を失ったわけでこんな苦境に立たされてだいじょうぶかしらと思っていましたが国分太一岡村隆史の二枚看板が残っていて十分闘える上に羽鳥アナの進行も滞りのないもので、これに加えて天真爛漫な森泉、年配層視聴者対策として欠かせなげな船越英一郎、そして新レギュラーの江角マキコ(すっかりバラエティづいてしまった)と布陣としては別に問題なかったりするのでした。

23 日放送のゲストは Gackt でした。そんな Gackt のことを超今さらながら遡上に乗っけます。

「アルファベット 5 文字男性歌手つながり」でむりやり考えを及ばせますれば 2008 年はいきなり躍進してきた DAIGO の年だったわけですが、Gackt とてまだまだトップランナーたり得る役者にございますなとはなはだ痛感させられた今般の放送でございました。DAIGO は「ウィッシュ」だの「たしかにー」だの実に民衆をたぶらかすほどの蠱惑的なフレーズをお持ちですが Gackt にそこまでなにか人たらしなフレーズがあるのかといえば特にないはず。忘れているだけかも知れませんが。

だからこそ Gackt にはフレーズ頼みにならない強さがあるわけですよね。

ミュージシャンとしての実力うんぬんを度外視すればキャラ先行で売り出されてもふしぎではなくパッと出てきてパッと散るような時代のあだ花として芸能生活をまっとうしてもおかしくはなかったといえると思いますのに、どんな共演者を相手にしてもいわゆる「 Gackt 様節」を持続することができる強靱な心肺機能があり、それでいてオレさま誇示の一辺倒になることもなくわりと柔軟にトークをまわしていけるという得難いキャラクタにございます。

教科書どおりの「真顔でボケろ」をとことん地でいくお笑い的な強さは自然と身につけたものなのか。トーク中に突如として発生するコント的な長い仕掛けにも対応可能なハイスペック。今回の「ゴチ」でも、たしか伊勢エビ or 鳥の二択で食べたい料理を選ぶみたいなシチュエーションになったとき Gackt は最初「鳥が食べたい」と匂わせといて、他の共演者を巻き込んでお望みどおり鳥が食べられる手筈になったとき、「実は伊勢エビが食いたかった・・・」と述懐する、というような、見事なフリオチを完結させていました(※詳細なやりとりは致命的にも忘れてしまいました・・・)。

たぶんアレです、ダチョウ倶楽部に端を発した、上島「俺こんなのやりたくないよ!」肥後「じゃあわかったよ俺がやるよ」ジモン「いやいやだったら俺がやる」上島「・・・じゃあ俺がやる」肥後ジモン「どうぞどうぞ」上島「どうぞどうぞじゃないよ!」という、おそらく開発されたのはそう昔でもなかったのに早くも「コントクラシックス」と化しつつある掛け合いに Gackt を事前準備なく突如として仕掛けたとしても、「やってもらえないだろうな」という雰囲気を匂わせといて、意外と確実に便乗してくれるかも知れない。そんな五分五分のスリルな期待感が拭えないのです。