サラリーマン NEO 年の瀬スペシャル

NHK の番組に通底しているしんとした一種冷徹な空気感をそっくりそのままパロディに援用する。

ニュース、テレビ体操、「あすを読む(もしくは「視点論点」あたり)」、討論番組などの元来まじめな番組を 180 度くるっと転回させて限りなくくだらなく仕上げる手腕は一級品。NHK であることを逆手に取った、NHK でしか出来ないコント番組だと思う。30 日の放送では今ひとつ出来のよろしくない未放送のボツコントを「言い訳」を挟みながらそのまま流してしまっていた。レアでいい。

そういえばボツコントお披露目も含めて番組は全体的に「笑う犬」の流れをくんではいる。ウッチャンのいとこ内村宏幸氏がともに作家で参加している。

かといって「笑う犬」をはじめ民放のように最初はストイックにコント主体でも次第にてこ入れとかいってゲームコーナーを増量してしまったり、出演者同士のトークに比重を置いてしまったりすることもなく、今のところはとにかくコント主体。合間のコーナーもハプニング性を重視するものはなくあくまで「つくりもの」感を崩していない。というか出演者同士が「素」で会話している場面ってほとんど記憶にない。その徹底して作り込んでいるパッケージぶりが気持ちいい。

落とし穴としては、沢村一樹のアドリブ調子こきっぷりに若干注意が必要。