何の変哲もないテレビ日記('09/02/21)

土曜日に見たテレビ番組のことを、「せっかく見たからネタにしないと」というしみったれた理由でざっくりあげつらってゆくことにします。

TBS 系「王様のブランチ」

小林麻耶のエンタメーノ」の一連の動作が見られるのもあと何回なのだろうかと思うと感慨もひとしお。全身をカメラに映し出されてアイドル的なブリった挙動において「エンタメー、ノ☆ えへ」みたいに一瞬の隙に小首を傾げるようなコケティッシュな悩殺ぶりが TBS アナウンサーとしての退職ならびに報道番組への転向によって失われるとすればその代償は計り知れないものがあるのです。

フジ系「めざましどようびメガ」

R-1 覇者の中山功太がゲストで「大阪で次の仕事の予定があるから」とケツカッチン丸出しで出番を終えたのが現在十分に売れっ子であることをにおわせてくれました。またこの番組レギュラーであるケンドーコバヤシによる「コイツこういう奴なんですよ」的なまっとうな「紹介」(それこそ既に関西では売れっ子みたいな)が奏功。寝ぼけたことを言うようですが「紹介」って実にありがたい普遍的なシステムです。少なくとも中山功太が R-1 の翌日に「めざましテレビ」に電話出演していてテンションあがりすぎてるせいでただでさえ音声だけの荒削りなコミュニケーションのために伝わりにくかったものがさらに伝わりにくくなっていて大塚&高島コンビが苦笑でトークをこなしていたように見えたのを思うと、その人のことをよく知っていると客観的に認識された立場(同僚とか上司とか)の語り部による「紹介」というのは、人が社会的に認知されていく過程では必要不可欠なことなんだな、と思いました。それに比べて「自己紹介」の汎用性と裏腹の信用のおけなさたるや。

※日テレ系「音楽戦士」

前日に録画しといた分でモーニング娘。がゲスト出演してます。「うたばん」をはじめ民放各局の歌番組からはおおむね見切りをつけられてるようなモー娘。ですが辛うじて NHK 総合「 MUSIC JAPAN 」とこの深夜の「音楽戦士」だけは出してもらえています。テンポのいい編集とキングコング青木さやかによる寛容な MC の接し方によって悠々と泳がされているのでここ数年来「音楽戦士」がもっぱら出色の出来になります。笑えます。対世間的に史上もっともタレントオーラに乏しいメンバー 9 人で史上最長に固定されたまま新加入も脱退もなく続いているモー娘。には、これ以上売り上げを飛躍的に押し上げるだけの原動力たる要素は今のところ決して内蔵されちゃいませんが、直近のコンサートツアーの映像をじっくり見てたら、歌唱やら舞踏やらのステージングには何度もほほぅと感嘆させられますし MC で不意に爆笑させられたりしたので個人的にはまだひたひたと足跡を追いかけます。道重のコメント力や久住の突き抜けた陽性資質は内輪の中庭でくすぶらせるには惜しい。

北海道文化放送タカアンドトシのどぉーだ!」

タカトシは前夜の日テレ系「日本アカデミー賞」生放送の MC で夜のスケジュールとしては完全に東京に滞在せざるを得なくなっていて、またこのタカトシの北海道ローカルの番組もがっつり土曜のお昼の生放送なので、本来であれば土曜の午前中の早いうちに飛行機で北海道へ飛んでこなきゃいけなかったんだけれども、大雪で来ることができず、東京のスタジオからものすごく荒い画質の映像で生中継の出演と相成りました。冠番組でスタジオに肝心の本人たちが不在という望まれない事態に陥ったわけですが、それだけ多忙ということですね、わかります。ローカル番組だからまぁやむを得ないかという諦めにも似たひねた共通認識が地元によく根付いてますよ。ついでに梨元勝がこの番組の準レギュラーか正式レギュラーか曖昧だけど最近よく出演していて、よくゴシップ的な芸能情報をしたり顔で伝えてくるので、うんざりして即座にチャンネルを変えることになります。

日テレ系「メレンゲの気持ち」

ゲストはベッキーと「世界の果てまでイッテ Q! 」でおなじみという女芸人「イモト」と渡辺裕之で、いちばん気になったのは松浦亜弥の髪形が絶望的に似合ってなかったことですがいつものこととも言えます。あとイモトよりも途中で出てきた「イモトの実母」のほうが断然キャラクターが濃かった。体型的には完全にただのおばちゃんなんだけれど顔の造作が番組内でも歌手の「イルカ」と言われてたようなあの顔だしトークにもあまりにもすっと馴染んだりもしていて驚異的でした。怖いものなど何もないおばちゃんの超絶的な溶け込み力。そのいっぽうで「早くスタジオから出ていけ」という久本雅美のありがちなツッコミに即座に首肯させられたのもまた事実であります。出オチ扱いでいいと思う。あとベッキーの楽屋訪問でベッキーの持ち物ひとつひとつに対して松浦と久本がカワイーカワイーカワイーカワイーと阿呆のひとつ覚えでカワイーを連呼していたのはさすがに萎えました。「カワイー」問題というのは、何をもってカワイーとするのかみたいな判断基準を云々するよりも、単純にカワイーごり押し一辺倒によるミニマルな無限ループの思考停止がひたすらに不可解だということなのです。なにか悪夢でも見てるかのようにほぼ全てのベッキーアイテムにまず一度は絶対に「カワイー」って言うんだもの。カワイー言わなきゃ二の句を告げないみたいな。あれですかなにか『弁』みたいなものですか。

NHK 総合「第 42 回 NHK 福祉大相撲

昼寝したあと毎年恒例の相撲取りによる社会福祉に貢献するようなイベントを途中から鑑賞。序盤見てなかったので断言できないけどあれだけ相撲界に激震が走っていながら結局はいつものほのぼのした雰囲気に終始してた気がします。最初になんか理事長からの挨拶とかあったのかしら。逆に何もないほうが興行としてはいい意味で平和ボケした感じで丸く収まったりするとは思います。内容的にはこのほど結婚を発表した関脇の把瑠都がちびっこと相撲を取るなどの余興がまずたのしい。把瑠都ってのは巨漢で怪人みたいな剛腕白人力士なんだけれど取組後のインタビューなどでもわかるように笑顔がかわいくトークに茶目っ気があって、土俵上でちびっこ力士に向かっておもいっきり塩投げつけてたのが笑えました。あと福祉大相撲といえば「歌くらべ」なコーナーが目玉企画です。生バンドを従えてのど自慢の力士たちがそれなりの歌を披露します。例年それこそハロプロ勢のようなアイドルもちょろちょろ出てきてましたが、今年はオール演歌歌手。豊ノ島豪風岩木山、鶴龍、そして元大関増位山の三保ヶ関親方が、それぞれ坂本冬美とか川中美幸とか藤あや子とかの演歌歌手とペアになって、あとでよくよく数えてみたらなんと全部で「 15 曲」という大ボリュームで歌ってました。デュエットで 1 曲、あとソロで力士 1 曲、歌手 1 曲。いくらショートバージョンばかりとはいえちょっとしたコンサートです。増位山が圧倒的に歌がうまいのは別次元として、現役では豊ノ島がシャ乱 Q の「シングルベッド」を甘い声とそれなりのビブラートで披露していてわりとイケてました。

フジ系「ミュージックフェア 21 」

ムッシュかまやつの 70 歳の「古稀記念」として、親戚関係にあたるという森山良子やら森山直太朗やら、あとつながりがよくわからないのだけれどお互いに思い入れはとても深いらしい今井美樹やら一青窈やら秦基博やら坂崎幸之助やらに持ち上げられっぱなしの 30 分でした。

※フジ系「さんまのまんま」

藤岡藤巻ゲストの回が北海道ではこの日に放送。遅れ気味でしょうかね。明石家さんまのヒィヒィみたいな引き笑いは実はウソ笑いなんではないか? みたいなことが定説になってるかどうか知りませんけど少なくともぼくはそう思っていて、じゃあなにがさんまの「本気笑い」なのかというと、たまにガハハハハハと低い声でうつむき加減で笑うときが本気で笑ってるときなんじゃないかとこれも勝手に推測してるのです。でこの藤岡藤巻というおっさんふたりはさんまよりも年上で、別に芸人じゃなくって基本はかぎりなく一般人に近いという印象をまとった歌手のふたりなんだけれど、娘がいる父親の身の上話とかさんまも身につまされる話があるらしく、女優を相手にするときのように体裁を取り繕うこともなくガハハハハと笑い転げていたように思われました。掛け合いがボヤキ漫才気味というか、おぎやはぎの 20 年後のようにも存在感がダブって見えた。常に「自分オチ」に持っていくのがさんまの死ぬまで治らない芸風とは思いますが、そんなアクの強い中で「自分より年上でなおかつ最低限の敬意を払って接しなきゃいけないような人」を相手にするときは、多少なりともアクが弱まって聞き手に徹する傾向が強く、そのぶん爆発力はなくなるけれど番組も見やすいです。あと藤岡藤巻がギター弾き語りで歌っていたコミックソングは、歌詞を最初から最後までしっかり聴いておけばおもしろいオチが待っている、というまともな構成で、CD 買うか買わないかったら別に買いませんけれど本気で聞き惚れました。

TBS 系「ザ・イロモネア

いわゆる「サバイバル」の新形式が定着しかけてますが、やってることは以前とそんなに変わらないです。しいて言えば一組のお笑い芸人やコンビがぶっ続けで 1 ラウンドから最大 5 ラウンドまでこなすよりかは、 1 つのテーマごとに芸人のほうが入れ替わりながら挑戦していくほうが見映えも変わってくるし、「このコンビつまらないからチャンネル変えよう」みたいな行動原理の抑止力にもなってくるので、有効な視聴率対策には思えます。「俺ショートコントきらいだからチャンネル変えよう」っていう理由でチャンネルを変えるような絶対数は少ないでしょうし。アンガールズが最終的に 100 万円獲ってましたけど、それよりもクールポコの引き出しの少なさにはこの先だいじょうぶなんだろうかと不安がよぎらずにはいられません。どのテーマの出し物でも他の芸人に比べて一段レベルが低いように感じられました。でもモノボケであのハゲた師匠じゃない弟子のほうの「せんちゃん」が、「右手だけ鍛える人」とかいってシンバルシャリーンって強打して右シンバルが左シンバルぶちのめしてたのは笑いました。

※テレ朝系「アメトーーク

昨年 10 月に放送された「ハンサム芸人」を録画しといたのがまだ途中だったので今さら最後まで鑑賞。うんちく垂れ流し系の企画もいいですけど「ただハンサムをひたすらゴリ推ししてうぬぼれる」というボケどおしな姿勢はそれはそれで心からっぽにして見られたりもして心地良いものです。すがすがしいほどに内容スッカスカでした。ところでハンサムと非ハンサムの境界線が男性の自分としては今ひとつわからず、ライセンスのふたりが「ハンサム」側に入るのだとこの企画で初めて知りました。それがたとえ番組に出るための口実だとしても「少なくとも他の芸人よりは」というアドバンテージがどこかにあるのはたしからしく、わりと目が点。そんな視線で見たこと一度もなかったです。そんな、ライセンスかっこいいわー、みたいな視線で見たことがあるとすれば同年代の男としてそれもどうかと思いますが。あとロザン菅がチュートリアル徳井に「徳井」と呼び捨てしていたのが引っかかりましたが芸歴が菅のほうが若干上みたいですね。ベビーフェイスだしとてもそんなようには見えませんでした。

日テレ系「エンタの神様

ザッピングしながら見どころのあるコンビの出番だけを見ます。第二のサンドウィッチマンを発掘するだけの青田買い根性がぼくには備わっていない。U 字工事が茨城県出身の番組 MC 白石美帆をいじり倒してました。なるほど U 字工事にしかできないネタです。向かって右側の益子のほうが白石美帆の生年月日はおろかその曜日と生誕した時刻まで克明にいきいきと伝えているさまは、天津向が「レッドカーペット」で見せるアイドル妄想ネタのようでありました。またハイキングウォーキングは笑っていいとものテレフォンショッキングの電話がかかってくるかも知れない芸能事務所という設定のコントを繰り広げています。ハイキングウォーキングのコントには簡素なセットが組まれていて、いかにも事務所らしく簡単な本棚が設えてあり「知恵蔵」「現代用語の基礎知識」「イミダス」などが並んでいたんですけど、その中身のひとつ「知恵蔵」が『 1997 年版』だったのが、いくらなんでも古すぎだろうと思いました。


どっから持ってきた

TBS 系「情報 7days ニュースキャスター」

ビートたけしが今いちばん張り切ってる番組のような気がしてなりません。オープニングトークや中盤の特設コーナーで小ネタ連発。あるいはニュースにかこつけて誰か別のキャラになりすましてデタラメなことを言いまくるお約束 VTR の入念な仕込みもあり。昨年の「 FNS 27 時間テレビ」の中継が好評を博したことによって「たけしが自分でやる」お笑い魂に火がついたんじゃないかとも考えられますが短絡的でしょうか。ただ、あのラストの松本あゆ美のお天気コーナーだけは、本人も中継スタッフもどういう意識で取り組んでいるのかふしぎで仕方がない。見てる人にもそれがわかるようになってる「つたなさ」の確信的な演出で、あれはたけしとの掛け合いの絶対に噛み合わない齟齬を笑いに変換しようとしてる? まったくもってノーフューチャーです。わざわざリスク取らなくても、全国区にポッとあらわれるような新人女性お天気キャスターにはその属性による一点突破だけで「正攻法」の成功例がいくらでもあると思うのですが。

TBS 系「チューボーですよ!

ゲストは高嶋政宏でしたイェイ。小林麻耶アナのハキハキとしたアシスタントぶりが見られるのもあと何回かと思うと感慨も(ry  それにつけてもときめいたのはそんな小林麻耶のハレンチぶりですね。妙な「騒動」があったのです。とかいって記憶は早くもおぼろげなんですが、たしか軽いコント的な展開が調理中に堺正章を機転に始まって、まずは堺正章高嶋政宏に「耳打ち」をします。次は高嶋政宏小林麻耶に「耳打ち」をするわけです。で、小林麻耶は言ってることがよく聞き取れないらしく、高嶋政宏の手をグッと握って自分の耳を高嶋政宏の口のほうに近づけます(レベル 5 )。


恍惚


で、こんどは逆に小林麻耶のほうがなにか言いたいことがあるらしく、今まで横を向いてた顔を高嶋政宏のほうに正面向いて、耳打ちをしようとします。が、まだ高嶋政宏小林麻耶のほうを向いたままなので、つまりふたりはお互いの口と口が急接近して必然的にチューみたいになってあらあら超いやらしいこと!(レベル 10 )。


このあと逃げ出す


こういうのを我々の業界では「 BOYS BE...」的シチュエーションと申しまして、うらやましがったりときめいたりさらなる妄想の糧にしたりします。

NHK 総合「着信御礼ケータイ大喜利

ゲストは高部あいが初出演。2009 年は「声フェチ」をアピールしていきたい自分としては高部あいのグラビアで見せる輝かしい肢体もさることながらそのふにゃふにゃ声に魅力をおぼえることがあるんですけど、この方は大喜利的な感度には今ひとつにぶいところがあるようで、ずっとニコニコと朗らかではあるものの、投稿ネタが披露されたあとのトークの内容が他のレギュラー陣の今田・千原ジュニア・板尾というお笑い黒い三連星に比してあまりにも圧倒的に貧弱すぎました。そんなことが仕方ないのは当然すぎることながら大喜利をたのしむうえでの障害になっていたことは否定できません。まぁ「かわいいからそれでいいじゃん」で済ませてしまえばそれで万事解決するんですけどね。けど! あと「この番組の投稿者に対する姿勢が手厳しすぎるんじゃないか」という意見をよく聞くよ、という主旨のオープニングトークの中で、意見を問われた板尾がひとこと

「いや、まぁ視聴者も NHK に厳しいですからね、お互い様ですよ、どっちもどっちですよ!」

とキレ気味に言っていたのは含蓄がありました。千原ジュニア「それ、ギリギリ放送で言っちゃいけないことじゃないっすか」。