初期矢口

タンポポだけでも語り代は無尽蔵にありそうで眩暈がしそうなので矢口に絞る。

今でこそなんかあれこれありすぎて「とりあえずぞんざいに扱っておけ」が矢口の接し方としてはデフォになりつつあるこの世知辛いハロプロ界隈。ところがぼくはこないだ、地元でネットされていないテレ朝系の深夜番組「やぐちひとり」を DVD 1,2巻レンタルしてきた。

矢口と劇団ひとりのほぼ 2 人のみによるゆるくてディープなツーショットトーク。なんだよちゃんと成立してんじゃん。やっぱり語彙が足りない感じはしたけれど、笑ったり怒ったりよくリアクションするから重宝がられてもおかしくはないや。ともかく「やぐちひとり」 DVD は個人的に矢口のことをだいぶ見直すいいきっかけとなった。矢口にとって実に居心地の良さそうな「ホーム」だった。

そんなバラエティ適合力があるなど考えもしていなかった超初期型矢口の「センチメンタル南向き」(1999)は、最近とんとお見かけしない河野伸による傑作アレンジで、いにしえのダンスクラシックスなテイストを矢口のスウィートなボーカルでミステリアスにデコレーションしたファンクでメロウなナンバーだ。って言ってること適当すぎるか。

彼氏の自転車のうしろにちょこんと乗って風を感じる物憂げな矢口のか細い歌声に、リリース当時は問答無用で惚れた。