世界はピンク色

「女性タレントを見たら石川梨華と思え」との金言があるように、 21 日の「ダウンタウン DX 」にはたくさんの石川梨華が出演していたため大いに官能的な放送であった。

ここでいう石川梨華とは、すなわち吉岡美穂(目が細い)、山口もえ(スタイルがいい)、国生さゆり(声とキャラクターが似ている)、SILVA(色黒)、浜口順子(処女)の 5 人の石川梨華さん(ニセ)たちのことで、こうして集った 5 人ほどのニセ石川梨華さんたちからそれぞれ抽出した真・石川梨華的なチャーミー要素をぼくは脳内で一個にまとめて石川梨華の「結晶体」を組成しようとするのであるが、そのゼロから価値を生み出そうという錬金術にも似たうさんくさい妄想行為は得てして満足のいく結果を生み落とさないものである。

浜口順子の話していた腸内洗浄体験談は昔フジ系でやってた「もしも体感バラエティ if 」で放送されていたロケ企画のことで、これはリアルタイムでぼくも見ていたのだが、当時は特に何の感慨も沸くことはなかった。ただ、あらためてスタジオで浜口本人の口から「穴にくだを入れられた」とか「『うんこ出る!』って叫んだ」とか話されるや否や、まずもってスタジオのダウンタウン堺正章のテンションが明らかに急上昇。たしかにこれはもしかして、全部ひっくるめて(=「曲がりなりにも 10 代の現役アイドルが」「テレビカメラの前という恥辱的なシチュエーションで」「猥語を連発しながら」「アナル責めを受け」「しかも処女」という部分において)、ひどく興奮すべき事態なのではないか・・・という心理に危うく陥りそうになったわけだが、肝心の焦点であるところの石川梨華本人は、ナント! 「しない」のであり、浜口順子最大ともいえる持ちネタも石川梨華的なチャーミー要素としてはまるでカウントされないのである。


ところで石川梨華のラジオでは、本人が喋っている最中に盛んに「パン! パン!」という破裂音が聞こえてくる。これはいやらしい音では別になく、石川梨華が喋りながら両手をパチン、パチンとまるでリズムを取るかのようにかわいらしく鳴らし続けている所為である。「そうそうこないだこんなことがあってネ・・・」の「そうそう」あたりで一叩きするとテンポが実にいい。で、これとまったく同じことを国生さゆりが「 DX 」の中でパチン、パチンとやっていたのである。国生さゆりは声といい話し方といい身振り手振りといい、気を抜いているときの石川梨華とほとんど一緒だ。あんなに人生が汚れきっていても決してアイドル性を失わない国生さゆりという人物は、今後、石川梨華が食い扶持に困らないための目標とすべき理想像である。ただ超高級さくらんぼをよく食べているという山口もえに対して、国生さゆりが「どうせ男から貢いでもらったんでしょ、いやらしいわねこのスケベ女が」的な食らいつき方をしていったのは完全に勇み足で、「格付け症候群」だと思った。このあたり石川梨華は真似をしなくて結構。

あとそんな現役アイドルの石川梨華ではあるが最近とみに「美勇伝のセクシー担当はこの私だ」「こんどの新曲の振り付けは超セクシー」とまるで自ら暗示をかけるかのように己のセクシーぶりを公言して憚らず、あげく「いろんな単語をセクシーに言う」というようなコーナーさえ CBC ラジオ「ちゃんちゃか☆チャーミー」で臆面もなく始まっているわけだが、セクシーセクシーとうわごとのように連発しているうちに、いつか間違っておもいっきり『セックス』と言ってしまわないかハラハラしている、というかむしろムラムラしている。