出る杭を打つべきか

人気実力とも青天井の女子テニスプレーヤー、マリア・シャラポワの、たわわに躍動する胸部にて常に主張してやまない両の乳の頭の突起ぶりは、「外国人女性のファッションっていつもそんなもの」と理性ではわかっちゃいながら日本人の目にはいつまで経っても不慣れ、かつ恥ずかしいもので、また、サーブやストローク等のショットを打ち出すたびに喉の奥から振り絞るように漏れる喘ぎ声が、プレーが白熱すると共にそのボリュームを増していくことには、だいぶひく。

このように、「東レパン・パシフィックオープンテニス」という実に世界的で健全な女子テニストーナメントがせっかく日本で開催されているというのに、なんかこうテレビ中継にはうっすらと『 R 指定』的な淫靡なスメルが充満していたのであり、とてもじゃないがお茶の間で家族団欒、和気藹々な穏やか気分をもってして見られるものではないな、と思った。

しかもこれだけ誰の目にも明らかで世の中の好奇の視線を独占しているシャラポワの胸部の突起ぶりに、実況中継の担当アナも解説の松岡修造も伊達公子も誰ひとりとして、例 : 松岡修造「シャラポワの乳首は今日も元気に立ってますよ」 伊達公子「彼女の今の勢いが如実に現れていますね」といった具合に触れようとさえしないのは、大人の分別としては極めて当然なのかも知れないものの、こう「みなまで言うな」という公然の秘密めいた処理の仕方がどこか白々しいものではある。

しかしこの問題をより慎重に考えるべく他のスポーツから類例を探ってみると、たとえばジャイアンツ清原のユニフォーム越しに透けて見える股の間がいくら元気に勃興していたとしても、 例 : 江川卓「今日はまた一段とモッコリしてますねェ」とのコメントが出ることはないし、あるいは 例 : 舞の海秀平「出島の美乳にはいつも惚れ惚れとしますよ。現役時代はボクもよくお世話になりました」というのもだいぶ浮世ばなれした発言なので、じゃあそこに触れないのは賢明な判断なのかな、と。