「第60回NHK紅白歌合戦」を2時間にまとめる

昨年末に放送された「第60回NHK紅白歌合戦」は予約録画だけはしておいたのですが、リアルタイムでまさかの「年越しの数時間は酒飲んで寝オチ」という無意識の愚挙に及んでしまったため、今に至るまでほとんど見ておりませんでした。

気が向いて1月14日の早朝にようやくぜんぶ見ました。以下はその感想文です。

ぜんぶで「4時間25分」という長丁場。紅白だけでもHDDの容量をだいぶ圧迫している現状です。

手元に空いたDVD-R(4.7GB)があります。このディスクにいい画質でダビングするためには、「4時間25分」の紅白を、凝縮して「2時間」にまとめるという作業が必要になってきます。

「もしも第60回NHK紅白歌合戦を2時間にまとめたら?」というわけで、今回の更新では紅白を見ながらチャプター割りも同時にしていくことにしました。

チャプター1「オープニング」(3分42秒)


AKB48Perfumeが登場。

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1.浜崎あゆみ「Rule」
歌い終わったあとダンサーのひとりに背中を抱きかかえられるようにハケていったことに、一抹のモヤモヤを感じました。

2.EXILE「Someday」
EXILEの人たちが「かっこいいヒゲのはやし方」のカタログみたいになってるので参考にしたい。

チャプター2「AKB48」(3分37秒)


3.AKB48「RIVERサプライズ!紅白Remix」
曲前MCに大橋のぞみ登場。

それはともかくAKBのシングル曲はいい曲ばかりですけれど、メドレーというのは諸刃の剣だと思います。唐突にサビの盛り上がりどころが始まってしまう。「RIVERー!」のかわりに「赤ー!」と叫ぶのは一案だったけど、そこからのつなぎが武骨で、あまり「ミックス」になってない気がしました。「ハッピーバースデートゥーユー」というメッセージも紅白の場では意味がよくわかりませんでした。ラストの「紅白60回おめでとう!」は良かったです。

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4.flumpool「星に願いを」
加藤せいしろうと大橋のぞみの肝の据わった司会っぷりが中居&仲間のシャドーキャビネット。どうせほぼガチガチ台本ならやってることはそう変わらない。しかも中居さんこの時点でもう3回くらいセリフ「噛んでる」ので、せいしろうのほうが有能と言えるのかも知れない。そんなわけはない。

ゲスト審査員の紹介もせいしろう君とのぞみちゃんが担当。白鵬の背後に白鵬の美人の奥さんがフレームインしてる。深田恭子がいた。原監督もいる。なんか貫禄が出てきてる。勝間和代さん審査員やってた。いいなー。あと森光子。

「デジタル審査員が云々」みたいなくだりはものすごくあっさり流れていった。ゴチャゴチャしなくていいです。

5.NYC boys「紅白60回記念NYCスペシャル」
藤山一郎青い山脈」とか歌う。西田ひかるのディズニーメドレーと同列と考えるといいでしょうか。それにしてもEXILEもAKBもジャニーズも人海戦術が奮ってる。最後のほう人数多すぎたせいでカメラがスイッチングをミスってわけわかんない真っ暗な映像が一瞬映っていました。

チャプター3「いきものがかり」(5分41秒)


6.いきものがかり「YELL」
吉岡聖恵。この人の歌を聴いてると声をおもいっきり出せることの原初的な嬉しさみたいなものって、あるやんか、ってことを気づかせてくれて嬉しくなる。いま絶好調ですよね。この曲では中学生の優秀な合唱団がバックコーラスをつとめていたけど、素直にメインボーカルを気持ちよく熱唱したくなる。

チャプター4「さくらまや」(1分53秒)


こども紅白歌合戦」企画にさくらまや登場。エロい…。

この時点でさくらまやと大橋のぞみという両巨頭が揃い踏んだわけですが、しかしここにNHK教育「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん」でおなじみのクッキンアイドルまいんちゃんこと福原遥を出さなかったのがNHKの2009年最後の失策と言えるでしょう、なんて恨めしがられたり恨めしがられてなかったりします。まいんちゃんもうすぐ年齢的に辞めちゃうかも知れないんだから、最後の華もたせてあげたかった気はする。

「民放紅白」なんて言われた前回に比べれば、香取慎吾による「こち亀」の両さんの傍若無人も、かなりおとなしめ。

さくらまやの背後でさかなくんが「大漁」の旗を掲げておどけていた。いっそ得意のサックスでも吹けばよかった。そしてさくらまや天童よしみになるだろうか。グレなければ可能性はありそうです。スノープリンス合唱団は、ぼくがあと25歳若かったら加入していました。

チャプター5「大橋のぞみ」(2分30秒)


大橋のぞみは歌が天才でしょう。紅組のトリひとつ前くらいの出順でもいいくらいです。

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MCで綾小路きみまろが「天気も不安定、景気も不安定。安定してるのは奥さまの体重くらいです」。うまいようでうまくない。

7.伍代夏子「忍ぶ雨」
流し目王子という触れ込みで早乙女太一が出現。早く「流し目王子」とか呼ばれなくなるといいですね。

伍代夏子は黒っぽい着物だったけど、まったく関係ない話をすると、そういえば「爆笑ヒットパレード」でアヤパンが着てた黒っぽくて白いストライプが入ってるような着物と、関根勤のテレ朝「笑うお正月」で大木優紀アナが着てた着物が、よく見ると実はまったく同じものだった、というトリビアははたいして話題になってなかった気がするので、ここで話題にします。奇抜な着物がカブるなんて。

8.北山たけし「剣山」
お義父さんに表情筋まで似せてきたんじゃないでしょうか。

歴代司会者として武田鉄矢が「お〜い龍馬!」ってことで長崎の福山雅治と中継。同伴してるのはブラタモリ久保田祐佳アナ。

9.GIRL NEXT DOOR「infinity」
ファーストインプレッションで「あ、これはダメだ」と思っても、そのあと思い直すこともあるし、逆に最初いいなと思っても、そのあと失速してしまうことがある。モーニング娘。ガキさんもマイナスからプラスに逆転するまで3年くらいかかりました。ガルネクの千紗はあと何年間、待たないといけませんでしょうか。

10.ジェロ「海雪」
イントロからダンス全開。そのダンスは曲発表時からあったようだし「うたばん」でもやっていましたけど、たしか前回の紅白では封印していた記憶があります。家族との話をメインに据えた演出なので激しさを控え目にしていたんでしょうね。今回は2年連続の「海雪」ということで変化としてはまっとうでした。

チャプター6「水樹奈々」(3分00秒)


11.水樹奈々深愛

出ました水樹奈々。ついでにテリー伊藤関根麻里も「紅白応援隊」ってことで一緒に登場。関根麻里の安定感もとんでもないですね。

水樹は「小さいころから歌うことが大好きで、紅白は家族みんなの夢でした!」と意気揚々です。最近お父様が亡くなられたそうですが「お父さん紅白大好きだったので、きっと一緒にステージ立ってると思います!」。運命とはいえ初登場でそんなの泣く。水樹奈々ストーリーは他のオタの人に比べればぜんぜん共有できてないけど、かなり直球ストレートに紅白的な存在だった。

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12.ファンキーモンキーベイビーズ「ヒーロー」
少し感動的な水樹奈々のあとに、いくら歌のテーマがお父さんのことを歌った真摯なものであるとはいえ、このケミカルの丸めがねにヅラという出で立ちは度し難い…。曲前MCには日テレ羽鳥アナ登場。これはいいサプライズですね。でも羽鳥さんこんな顔だったっけ。

白鵬がコメントしている間、常に美人の奥さんが確実にフレームインしてる。わざとなんでしょうけど。でも紹介はされない。

13.中村美律子河内おとこ節
今年もTOKIO中村美津子を応援するという。「みっちゃーん!」って言わないと年を越せないらしい。TOKIO中村美津子も、その立場をまるごと関ジャニに渡せばいいと思う。関ジャニにも「浪花いろは節」って河内音頭をモチーフにした曲があるじゃないですか。

曲後MCに「ザ!トラベラーズ」が出てきた。雨上がり、タカトシトータルテンボスケンコバ、オリラジ、ブラマヨなどの豪華お笑い芸人陣だ。「アメトーーク!」の「紅白出たかった芸人」に出ると思って夢想までしたんですけど。

14.ポルノグラフィティアニマロッサ
ボーカル昭仁が間奏で「紅白歌合戦が60回目ということで、ぼくのブーツのヒールが60ミリになってまーす! どうでもいいですかー!」と本当にどうでもいいことを叫んでいた。これはかっこいい。

15.天童よしみ花筏-Hanaikada-」
09年に現役引退した女子テニス・杉山愛が審査員席にいる。杉山愛のお母様がコーチとして国内外の大会遠征に付き添った、というエピソードと絡めて、「お母さんありがとう」的な歌を天童よしみがピアノ一本を伴奏にして歌う。超スケールのド演歌という曲ではないぶん、「15曲目」という天童よしみにしては中途半端な曲順に収まっている。

チャプター7「春日ワールド」(10分53秒)


16.美川憲一さそり座の女2009」
「桃組」とか言ってIKKOとはるな愛。毎年同じようなことやってる気がする。KABA.ちゃんがいなくなったりマイナーチェンジを繰り返している。美川憲一の出し物は小林幸子との対決とか足枷が無くなって軽快になった。エスニック風味な音楽は「ケータイ大喜利」に通じる。あと、オードリー春日、別にスベってないじゃないですか。春日の「トゥース!」も「キャースガ!」もイヤホンで聴いてたら右左右左でパンして聞こえてきたのでウケました。

17.坂本冬美また君に恋してる
水樹奈々がMCで「小さいころから坂本冬美さんの歌が大好きでした!」。そんな坂本冬美が歌うのは演歌っぽくない歌謡曲。姿形も洋装だし髪型もふつう。バラエティで出る姿の延長線上みたいです。曲もCMソングで聞いたことある。袖から見てる水樹奈々がすごく無邪気っぽいのはいったい何なんでしょうか。

18.細川たかし「望郷じょんから」
紅白復帰ですね。昭和53年生まれのぼくの記憶はだいたい「昭和58年」頃からで、プロ野球では原辰徳、大相撲では千代の富士、そしてテレビの音楽界では細川たかしというのが、初期的な記憶として根強くて離れません。「北酒場」とか「矢切の渡し」とか。そんな細川たかしが歌ってるのを審査員席で原辰徳が見てるのとか、けっこう個人的にグッとくる感じです。この「昭和58年」っぽさ。家のカラオケセットは「ハチトラ」でした。

曲後MC、関根麻里テリー伊藤のレポートで、嵐がこの日ようやく初めて脚光を浴びた。

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19.大塚愛「Is」
前の前の職場の上司が大塚愛を評して「ザ・関西女っぽくて好き」と言っていたことがとにかく思い出深いです。独自路線を歩んでるようで、中居が曲の後「大塚愛ワールド炸裂ですね!」とコメントしていました。

チャプター8「粉雪」(4分20秒)


もうひたすら「トークを伸ばせ伸ばせ」という現場ディレクターからの全力ボディランゲージな指示が画面に映りこんで目立ちます。曲前MCに出てきたのはタカトシ、華丸大吉、チュートリアルの三組。このあと歌われる「粉雪」が得意だといって、タカが「♪こなー……きじーじい」と歌ってトシ「ぜんぜん違うじゃねーか!」という漫才をしていました。そういえば爆笑問題がすっかり出なくなりましたね。「年越し雑学王」があるとはいえ、すこし惜しい気もします。

20.レミオロメン「粉雪」
「今年の紅白で始めて歌われる曲」としては屈指のヒット曲。ちょっと前のリリースだけどそこそこ新鮮味もあって、多くの人が知っている。みんなネット上でも「弾幕」を打ったり、Twitterで叫んだり、楽しいことでしょう。いいJ-POPです。

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歴代司会者として審査員席の西田敏行が次の曲を呼び込み。

21.川中美幸「ふたり酒」
2005年に細川たかしの「北酒場」と川中みゆきの「二輪草」でオープニング、という紅白がありました。つい最近のことのようです。「演歌でトップバッター?」って感じだったけど、あれはあれでよかった。「北酒場」Bメロとアイドル文化「PPPH」との親和性。

チャプター9「森進一絶唱」(4分30秒)


22.森進一「花と蝶」
因縁の故・川内康範が作詞。森進一が紅白に初めて出演したときに歌った曲だそうで、そのときのVTRも白黒で出てきました。ちょっと前の「金スマ」森進一スペシャルを見たせいで、だいぶ森進一に関する知識が深まった気がする。ド貧乏だったのと頭おかしい人にストーカーされたという記憶ばかりが残っています。

ここで前半終了。ニュースを挟む前にオードリーが揃って出てきました。春日が次の5分間ニュースでキャスターをつとめるアナウンサーに対して「武田アナ、がんばれ!」と一言エール。その流れを受けてすぐに映し出されたニューススタジオの武田真一アナは少し微笑んでいました。あと一瞬「ハハハ」ってニューススタジオのスタッフの笑い声が入ってました。

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5分間ニュース。携帯電話メールの規制等。

チャプター10「歌の力」(7分17秒)


後半開始。久石譲が作曲したという紅白のテーマソング「歌の力」を出演歌手が合唱する。「We Are The World」みたいに一パートづつ歌い継いでいくのとか、こういう時しか出来なくていいですね。Perfumeはマイク持たせてもらってないけど三人揃って口ずさんでた。こんど歌姫あ〜ちゃんにも歌わしたってください。

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「紅組応援歌手」という肩書きで、スーザン・ボイルが登場。立ち振る舞いが高見盛みたいでした。木村拓哉がスーザンさんをエスコートしてインタビューしたりしてましたね。よもやテレ朝「SMAPがんばりますっ」の企画「トマト生活」がこのとき裏でひそかに進行していたとは、誰も思うまい…。

原監督がステージに出てきた。原監督が歌えばいいのでは?たしかうまかったはず。

23.遊助「ひまわり」
NHKホールの観客席を背に歌う。お客さんがひまわりを一本づつ持っていて、そんなひまわり畑が舞台セットという見え方です。

aikoの次の曲が主題歌というつながりで、NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」の倉科カナ登場。

24.aiko「あの子の夢」
間奏のときにカメラに抜かれた倉科カナ羽田美智子石黒賢の三人が、「いい曲だね!」とか(おそらく)言いながら手拍子してるのが、すべて芝居に見えました。

ここで必ず毎年挿入される「NHKラジオ第一」の中継席からのレポート。今回は稲垣吾郎。特に中継してるアナウンサーの紹介とかはありませんでした。そのつながりで次曲が始まります。それはおそらく今回かぎりの展開です。

チャプター11徳永英明」(3分10秒)


25.徳永英明「壊れかけのRadio」
テレ東系「アリケン」でザブングル松尾が得意の徳永英明のモノマネやってた回が抜群に面白かったです。ホリケンと何番も相撲を取ったり、最終的にはものまね芸人のツートン青木と相撲を取ったり。全力で相撲を取ることの意味のなさに本当に笑いました。

徳永英明の歌唱後の中居のコメントは、腹の底から息を吐き出すように「最ッ高です…。最高でした」。

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26.平原綾香「ミオ・アモーレ」
フジテレビのミオパンを歌った曲ではない。平原綾香の歌は安心して聞ける。ギター担当はROLLY。特に不自然もなかったです。

TOKIOの曲前に嵐が「TOKIO」の五文字を使ったあいうえお作文。「お」が「お年玉ください」というオチでした。まぁ健全ですね…。あと中居から若いときの顔写真のパネルをしれっと紹介されたリーダー城島茂は、いよいよ40代に突入。

27.TOKIO太陽と砂漠のバラ
曲前トークとかでもなんでも国分太一がもっと喋ればよいと思った。

28.秋元順子「愛のままで…」
舞台は「ハッピーサマーウェデイング」のPVみたいな画面でした。宮本笑里(えみり)がバイオリンを演奏。

ふたたび長崎の福山雅治と中継。「龍馬伝」の宣伝が過ぎる。

チャプター12「Perfume」(3分15秒)


29.Perfumeワンルーム・ディスコ
一人暮らしを始めるにあたって、この曲の歌詞はわりと全編、ダイレクトにしみるものでした。女子大生みたいな感慨ですみません。ただPerfume的には2009年のシングルがこの一曲だけだった、というのは印象としてはやっぱり弱かったです、たしかに。もうすこし攻めてもよかった。あ〜ちゃんの胸は攻めてました。

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30.東方神起「Stand by U」
複雑怪奇ですね。「メンバー間のいざこざでみんなやる気なさそうにしてた」というレビューをmixiで読んだことがありましたが、別に普通に見えました。うつむいてるのは曲がクールなミディアムテンポの曲だからじゃないでしょうか。「お辞儀をしなかった」という評判も立っていて、たしかに最後右から二番目の人だけお辞儀してなかったけど、すぐ次の画面に切り替わったので、単に「歌い終わったあとクールに決めてるだけ」に見えました。あとのことはわかりません。

阿部寛がステージに出てきて仲間由紀恵、あるいは中居も巻き込んでの「TRICK」コント。トリックの面白さは疑いませんが、さすがにそろそろ潮時かも知れませんね。

31.水森かおり安芸の宮島
「全国ご当地ソングシリーズ」という誰もができそうでできなかった独自路線を貫いている。これは本当に強いです。歌手活動それ自体が「港港に女を作る」みたいな絶倫ぶりに等しい。

MCで三國連太郎登場で西田敏行と「釣りバカ」コンビ。スーさんこと三國は「藤山一郎ディックミネの歌を心に秘めながら、何千人という社員を引き連れてきた」と、どこまでも社長業。

チャプター13「五木ひろし」(3分29秒)


32.五木ひろし「凍て鶴」
アップフロントの看板タレントとしての五木ひろしには何の想いもないけど、紅白に出てる五木ひろしは本当にすごいです。ぶ厚いコーラスに早くも紅白のクライマックスを感じました。

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追悼コーナー。忌野清志朗、加藤和彦森繁久彌、そしてマイケル・ジャクソン

チャプター14「マイケル・ジャクソン」(5分31秒)


マイケルの追悼ステージはSMAPが主導していました。木村拓哉が「ビリージーン」を踊ります。「トマト生活」で栄養が偏って身体も冷えまくっていた、という影響を微塵も感じさせないパフォーマンス。血液検査で異常がなかったようなのが不思議です。続いて「スリラー」は草なぎ&香取。「バッド」は木村&稲垣。次のなんかの曲も中居マジダンス。5人揃って「I WANT YOU BACK」。ラストはいろんな歌手が揃って「HEAL THE WORLD」。ことさらにマイケルジャクソンを美化するのも取って付けたようですが、「SMAP×SMAP」で本人に会っているSMAPがやるのは説得力があります。

チャプター15「木村カエラ」(2分41秒)


33.木村カエラ「Butterfly」
ドラゴンボールの人造人間「18号」(金髪の女性)と「19号」(白くて太った男)が混ざったようなビジュアルです。曲は震えるくらいいい曲。

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アリスの曲前MCで嵐がなんか熱いことを言ってます。「アリス」と「嵐」で名前が似てるからでしょうか。ついでに言うと、中村美津子が毎年やたらTOKIOに担ぎ上げられるのは、森光子と「みつこ」で名前が同じだからでしょうか。

34.アリス「チャンピオン」
「還暦になった今年、アリスは活動を再開しました」だそうです。いつ復活していつ活動停止してるのかアリスはよくわかりません。谷村新司がイントロで「さぁみんな立ち上がろうか!」と煽って、客席の大部分が立ち上がってました。中居が「紅白始まって以来じゃないですか?」というように、たしかにありそうでなかったノリ。ライブは基本立って見たいですよね。でも別に立ちたくなくても前の席の人が立っちゃうと視界が塞がれるから仕方なく立つ、というのはあります。

ここでまたオードリー。春日が「春日のファッションを真似る人をカスガーという」「今日は熱烈なカスガーを呼んでます」ってことで呼び込んだのが、春日のスタイルに身を固めた天童よしみでした。「春日ダンス」をいっしょに踊ってました。ここは審査員席の勝間和代が出てきて「カスガーならぬカツマーです。トゥース!」中居「勝間さん“断る力”を発揮してください」とやって一部の人を笑かす案もあるな、と思いました。

35.中島美嘉「流れ星」
決してきらいじゃないです。こんな歌を歌う人はいない。でも、特に何にもなかった気がします。

36.ゆず「逢いたい」
北川のお父様が他界したということを踏まえての悲しい曲。沢田知可子以来、真野恵里菜ちゃん「マノピアノ」を経由しての「あいたい」です。気の毒だけど、ゆずがこんな紅白っぽいあり方の存在になるとは思いませんでした。ちなみにぼくが今いちばん逢いたい人はアヤパンです。

37.アンジェラ・アキ「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」
「ピアノ弾きながら歌う人」枠は完全にこの人だ。身振り手振り歌声ぜんぶ少しづつ大げさだけどスタジアム級の大スケール。

紅白司会したことある人として森光子と堺正章が揃って登場。森光子がちょっと何言ってるかわかんないですけど気持ちは伝わります。次に歌う布施明は「紅白は後進に道を譲るため出演をひと区切りする」と宣言しましたが、そんな布施に森光子は「とにかくこれからもたくさん歌って欲しい」と力強いエール。

38.布施明「MY WAY」
平凡なおっさんがカラオケで「MY WAY」歌うと確実に周囲からイヤがられる、というあるあるネタは、結局のところメロの歌い手による自由裁量の部分が大きすぎるせいで、そこをカラオケで悪い意味で暴走してやらかしちゃうのが不評をかう一因なんだろうと思ってます。溜めすぎとか、走りすぎとか。歌ってる本人は100%気持ちいいわけで、そこに歌い手と聴き手の気持ちの乖離が発生します。もちろん布施明の歌声は誰が聴いたって凄い。

MCで西田敏行武田鉄矢堺正章の三人が揃い踏み。濃い。「GSとフォークと新劇で仲が悪い」とかいうトークは面白いですね。あと途中で着ぐるみの「せんとくん」が応援に駆けつけた。どういうことですか。

チャプター16「メガ幸子」(5分10秒)


39.小林幸子「万葉恋歌 あぁ、君待つと」
メガ幸子」を目の当たりにして「ありがたい!」とひたすら拝み倒す中居、西田、武田、堺のベテラン勢。審査員席で勝間和代も拝んでました。デカいと拝みたくなるみたいです。今後も「ロボ幸子」「幸子タワー」「幸子大仏」とか巨大化シリーズでまだまだいけそう。

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40.福山雅治「はつ恋」
16年ぶり2回目の紅白。ヒット曲ボコボコ連発してるときに出て欲しかったです。口パクに見えました。

41.倖田來未「2009紅白KODA SPECIAL」
misono登場。バラエティでがんばっていれば、どさくさ紛れにこういういいこともある。こんな姉妹共演が実現しているいっぽうで、小林麻耶小林麻央姉妹の映像上の共演はついぞ実現しないまま(雑誌のグラビアとかならあるのに)、麻央ちゃんが海老蔵のもとへ嫁いでしまいました。時宜を逃すとおかしなことになる。

チャプター17「嵐→矢沢永吉」(14分48秒)


42.嵐「嵐×紅白スペシャルメドレー」
満を持して! 4曲メドレーは質量ともに素晴らしかったです。曲後のトークで中居が「いい緊張感で、いいタイミングでの紅白だったと思います」二宮「来年もこの場所に来られれば」。ジャニーズの出演は次回からどういう配分になるんでしょうね。

ここでサプライズ的に矢沢永吉。日テレ24時間テレビで「募金持って武道館にやってきた」みたいな入り方でした。嵐のトークで時間をつないでたんですね。スムーズでヤマッ気のある楽しい登場の仕方でした。

「時間よ止まれ」の途中で歌詞を飛ばしてるように見えたんだけど、もう歌詞飛ばしたのかどうかすらもよくわからないのが、なんだかすごいです。最初は表示されていた歌詞のテロップも、途中から完全に出なくなってしまいました。NHKが「歌詞を出すのを諦めた」ように見えました。

中居「どうして紅白に?」矢沢「今日60回でしょ。この区切りのいいときに、出れて幸せです。紅白と同い年なんだなって思いました」。原監督も「先輩に対しておこがましいですが、カッコがいいです」と絶賛。

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43.コブクロ「STAY」
もはや貫禄ですね。とはいえ感情過多気味の歌唱で、声質とか音程とかハモリが破綻してる気も、ちょっとしました。

44.和田アキ子「もう一度ふたりで歌いたい」
言うほどへたじゃないし、かといって言うほどうまくもない。声の立ち上がりがぜんぜんよくないです。「完璧な和田アキ子像」というイデア的な何かが存在しているのだとすれば、その「85%」ほどがこの世に現出している、というような漠然とした気持ちでいます。「メガアキ子」の誕生が待たれます。

チャプター18「氷川きよし」(3分17秒)


45.氷川きよしときめきのルンバ
10回目。ここまでまったく大過なくスターでした。掘ってみれば、もっといろいろある気がするんですけど。順風満帆だった。今回は楽曲的に本格演歌でもお得意の股旅ものでもなく、ちょっとした谷間。それでいてもちろん出るべくして出てる。夏まゆみが振り付けたダンスを踊りながら、ルンバ曲で歌唱力をきっちり見せつけて、まっとうに盛り上げてました。ミスター紅白。

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46.石川さゆり津軽海峡・冬景色
もちろん最高なんですけど、絶対の期待値に反して、歌も演奏も衣装も、なんか少し「軽かった」です。稀代の名曲「津軽海峡・冬景色」がもったいない。ルンバを歌った氷川きよしとのマッチメイクという意味では同等なのでしょうけれども。

チャプター19「絢香SMAP」(12分15秒)


仲間由紀恵が曲前MCで絢香を紹介。それ背後で聞いているあ〜ちゃんの表情が異様にかわいいです。

47.絢香「みんな空の下」
ひとつのカメラでひたすら絢香を撮り続ける。絢香の顔がアップになって、その後いっかい引いて、またアップになって、二番に入って、また引いて、最後はずっとドアップでした。マニアックなこだわりを感じました。ステージセットも特に用意されてなかったんじゃないでしょうか? 伴奏はピアノ一本。超すばらしかったです。西田敏行が泣いてました。

48.SMAP「そっと きゅっと〜世界に一つだけの花
引き芸みたいな「そっと きゅっと」だけでは紅白で歌うには楽曲パワーが足りなかったようです。あと木村拓哉は「トマト生活」お疲れ様です。今この時期に見てしまうと、ひたすらこの感想です。

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仲間由紀恵が森光子に対して「白組紅組にエールを頂けますか?」。すると森光子は「……わたしから?畏れ多くて……」。緊張感のあるやりとり。仲間が場をつなぐと、森は「わたしが言うんですか? ……皆さんと同じです」。仲間由紀恵の司会ぶりが、肝っ玉すわってて偉かったです。

チャプター20「ドリカム→エンディング」(18分24秒)


49.DREAMS COME TRUE「その先へ〜紅白スペシャルヴァージョン〜」
ドリカム懐深いです。あらゆるものを包み込むかのような。すごいすごい。圧巻でした。

50.北島三郎「まつり」
圧巻のドリカムのあとは力の抜けた「アンコール」みたいな出し物。もうこれでいいです。

すべての演目が終わって「全曲まとめ」のコーナー。一歌手あたり、わずかばかり2秒ほどの、今放送されたばかりの映像がダイジェスト的に次々流れていきます。前回か前々回あたりから始まった試みですけど、単純におもしろくて好きです。あ〜ちゃんが「涙サプライズ」の一部を口ずさんでました。AKB48がひそかに衣装を変えてました。

「結果発表」。

電光スクリーン一発でめちゃくちゃ瞬間的にわかりやすかったです。本当に進行がスムーズになってる。白が勝ったとかいって、中居に原監督から優勝旗が渡されました。中居は原監督に「握手してください!」と気持ちの方向がよくわかりませんが、感激しているのは伝わりました。いい紅白だったと思います。


ってことで、いろいろカットしていったところ、なんとか「1時間59分33秒」に収まりました!

まぁわざわざ2時間に凝縮しなくても、最初からDVD-Rを2枚とか使えばいいだけの話なんですけどね……。(おしまい)