℃-ute冬ライブが最高だという話

ハロー!プロジェクトの5人組アイドルユニット・℃-uteのことが著しく好きな状態がしばらく続いています。
もともと行われる予定がなかったというライブツアー「℃-uteコンサートツアー2012冬 神聖なるペンタグラム」が11月と12月にかけて4カ所10公演開催。追加公演が来月2月2日(土)に2公演決定して、ツアータイトルも「℃-uteコンサートツアー2012〜2013冬 神聖なるペンタグラム」に微妙にマイナーチェンジされました。
11月24日(土)の東京・渋谷公会堂の昼夜公演、12月8日(土)の名古屋・日本特殊陶業市民会館 フォレストホールの昼夜公演、あわせて4公演、観に行ってます。名古屋公演は当初行くつもりではなかったのですが、ちょうどその日吉木りささんのシングル「世界は教室だけじゃない」発売記念イベントが昼に名古屋で行われたこともあり、あわせて日帰りで参加したのでした。
「もともと予定がなかった」を裏付けるように全体の公演数は少ない。その稀少性ゆえなのか、いやしかし実際きっちり作りこまれたツアーです。
本日1月7日に発売された「Top yell」というアイドル専門雑誌の2013年2月号に℃-uteの表紙巻頭特集が組まれています。「即日完売冬ツアーに完全密着!」「いまの℃-uteは見逃すとヤバ!」「真・実力絶対派宣言!!」「7年かけて完成した最高レベルのパフォーマンス!!」などと仰々しく煽り文句が書かれている。
すでに手元にあるのですが、まだ読んでません。早く読みたいです。読む前に、自分の言葉でライブレポを書きたい書きたい書きたいな、と思いましたので、5人くらいの読者の方に向けて書きます。

4公演行きましてどの公演もそれぞれすばらしかったのですが、いちばん高まったのは11月24日の渋谷公会堂での夜公演でした。たしか17列目くらいの通路席でした。身動きが超取れた。しかも前の席が女性でそんなに飛んだりする人じゃなかったので視界も良好。ライブ全体の出来とはまったく関係ないんですけど、個人的に楽しめるかどうかはどの座席だったかが大切です。
1.会いたい 会いたい 会いたいな
このツアーでは、ホールを会場にした場合、ステージの上手(かみて)サイドと下手(しもて)サイドに、それぞれ巨大な縦型のモニターが設置してある。それがまず凄く“威容”って感じで迫力があっていい。人類は二足歩行に進化を遂げてから横よりも縦にシュッと長いフォルムの生命体なわけですから、モニターはむしろ縦であることによって機能を果たします。あとペンタグラム=五芒星をテーマにしたライブなので、至る所にそういうデザインが施されていて、ステージの構造自体もなんだか五芒星。そしてメンバーが舞い踊るその五芒星の足元には、字幕が入るような横に長っ細いモニターが設えてあり、ここに歌詞なんかが表示されたりする。客席のセンターから観ていると、5人の下に歌詞テロップが出ることも。あたかも℃-uteが歌番組に出演しているかのようです。正直サビとかで若干ノリにくいこの曲「会い会いな」ですが、ツアー初日時点での最新曲ということもあり、1曲目としては不足のない役割を果たしてるんじゃないかな、と理屈っぽく思いました。
2.最高ミュージック
会いたい 会いたい 会いたいな」のカップリング曲。同じカップリング曲でも「悲しきヘブン」が、たとえばミュージックビデオが後日制作されたり、僕に寵愛されていたりと破格の扱いを受けているのに比べると、いささか地味な存在ですが、抜群に明るくて一緒に踊りやすいのはたしかです。2曲目にしてぜんぜんモチベーションキープ。間奏では5人の自己紹介がてらのソロダンスがあり、萩原舞さん、マイマイが脚を高々と掲げているのが印象的です。というかこのツアーでの萩原さんの表情が明らかに以前に比べてよくなっている。
3.キャンパスライフ〜生まれて来てよかった〜
タイトルは「キャンパスライフ」だけど歌詞の中ではキャンパスライフすなわち大学生活のことが一言も触れられていないよ! という不足感を補ってあまりあるエバーグリーンな名曲感は否めません。このツアーが始まる直前の11月21日に「(2)℃-ute神聖なるベストアルバム」が発売されていて、おそらくこの収録曲からの選曲が中心となるだろうと予測されていたセットリストですが、「会い会いな」「最高ミュージック」そして「キャンライ」とここまでの駆けつけ3曲には、1つもアルバム収録曲が含まれておらず、中盤から後半にかけて力を蓄えているなぁ、という並びになっています。

MC
4.「大好き」の意味を教えて!
「(2)℃-ute神聖なるベストアルバム」唯一の新録曲。いい意味でへんてこな楽曲だと思います。カップリングっぽい。しかし今更ですが「●●の意味を教えて!」というタイトルは、辻ちゃん加護ちゃんのW(ダブルユー)によるシングル曲「愛の意味を教えて!」となかなかに重複しており、ハロプロ15年、つんく♂さんも曲作りおつとめご苦労さまですなんですけど、これはさすがにチェックされるべきじゃないのかと思ってます。
MC
5.まっさらブルージーンズ(2012神聖なるVer.)
ここからがベストアルバム収録曲コーナー。昔からの楽曲がリアレンジされて復活してます。僕はこの試み、メンバーのボーカルも新たに録音するとかも含めて、大正解だったと思う。今後も永久的にこの「2012神聖なるVer.」がライブで使われるのかどうかはわかりませんが、ともすれば聴きすぎた℃-ute曲を、またそれこそまっさらな気持ちで聴くことになりました。ライブの盛り上がりもこれまでと遜色ないと思う。でも、この「まっさらブルージーンズ」については、オリジナルではスラップベースが大きな特徴で、今回のアレンジでは綺麗さっぱりそのあたりの要素が消えていて、原曲との差別化という理由もあるようなのですが、それでかえってせっかくこの曲が持っていた個性を削いでいる気はしました。でももとのメロとか振りつけとかが抜群にいいので大盛り上がりです。巨大縦型モニタが、サビの「ラミラミ」の部分で大写しでメンバーを捉えます。
6.即 抱きしめて(2012神聖なるVer.)
もともとのアレンジが個人的にあんまりお気に入りではなく、リアレンジされてもそんなにテイストが変わらなかったので「あれ?」と拍子抜けしましたが、それでも不協和音的な部分が解消されてる気がしましたので、だいぶ助かりました。微妙な変化なんですけど。サビの終わりの「♪すごいわー」のところで背中おもいっきりのけぞるフリがあり、クセになってつい一緒にやってしまいます。
7.わっきゃない(Z)(2012神聖なるVer.)
5曲目から連なる「神聖なる」3連発は序盤の山場と言ってもいい盛り上がりです。ももクロさんのところよりもいち早くZが採り入れられて、ノリやすくていい曲。これらの曲が始まる前に、MCで一度「神聖なるバージョン」が届けられることが説明される、という折り目正しさもよかったです。
MC
8.江戸の手毬歌II(2012神聖なるVer.) /鈴木愛理
ここは回替わりの演目だったんですが、11月24日の渋谷夜公演は鈴木愛理さんソロ曲でほんとに最高でした。もともとシングル曲だった「江戸の手毬唄II」は、お世辞にも人気があった曲とは言えないと思うんですけど、なんかBPM倍速っぽいし、キーも上がってるし、あげくソロ曲になってるという原型とどめてないんじゃないかくらいのアップデートを遂げて帰ってきた。完全に別の曲です。それでいてありがたい。そして鈴木さんが唖然とするくらい歌うまい。男前。生で聴いたのがこの1回だけだったので、追加公演で聴きたいですし、映像にも残してもらいたい貴重な1曲です。すばらしかったです。
9.大きな愛でもてなして(2012神聖なるVer.)/中島早貴萩原舞
ここも回替わり。中島早貴さん、なっきぃと、マイマイの2人が歌います。これも℃-uteの代表曲で、なにものにも代えがたいんですよね。2人の小悪魔的なかわいさがきっちり生かされた演目です。
10.涙の色(2012神聖なるVer.)
「神聖なるバージョン」になって、よりよくなったなと思う曲のうちの1つです。そんなに細かい変化はないのですけど、バックトラックの押し出しが強くなって、スケール感っていうんですか、世界の広さやぶ厚さが増した。あと鈴木愛理さんの後半のサビのファルセットが、これは見事に成長してリリースの2008年4月とかに比べて段違いにうまくなってる、とかそういう恍惚感もストレートに耳を刺激することでありました。あとこの曲は、発売当時にボツになったという幻のバージョン「ジュリエットジュリエット」に取って代わって、タイトルも歌詞も全部すげ替えられて名古屋公演からお披露目されている、というのもなんだか重要なトピックになってます。珍しい試み。1粒で2度美味しい。この変化版「ジュリジュリ」にも、歌いだしの「♪One Day」とか、サビの「♪羽ばたくジュリエット」とか、耳に残るフレーズがいくつかあります。とはいえ思い入れはまだ断然「涙の色」のほうが強く、涙の色が聴きたいなー、でもあります。
11.約束は特にしないわ
バラード曲。この回の夜公演に関していえば、セットリスト10曲目にして初のバラード登場といえます。アップテンポな楽曲一辺倒でひたすら盛り上がればいい、ってわけじゃないのかも知れません。メリハリは大事。だけど、いい曲ばっかりでもうすでにこの時点で相当汗だくになってるところに箸休め的な部分でゆったりした曲が来るのは、心底ホッと落ち着くところです。
12.LALALA幸せの歌(2012神聖なるVer.)/矢島舞美岡井千聖
このシングルもまた発売当時はぜんぜん評判がよくなかったりした気がしないでもないんですけど、矢島さんと岡井ちゃんの陽気な2人によってシンプルに新たに構成されることで、これまで見えなかった曲のよさが見えてきたというか、「どうしてこの曲そんなに好きじゃなかったんだっけ?」と悩んでしまうほど、何のしこりもなくスルッと聴けてしまうのでした。
MC(「ペンタグラムでペンタグラフ」のコーナー)
℃-uteメンバーを1人ずつ、プロデューサーのつんく♂さんが5項目にわたって5段階評価をしたので、その結果を観ていきましょうという内容のトークコーナー。これは名古屋公演の昼が白眉で、中島早貴さんが「唇エロ度:5」とか超直接的なこと言われて本人照れに照れる、でも現場のカメラはそんななっきぃの唇をどアップで映してそれが縦型巨大モニターにドーン! という、なっきぃがやたら身悶えるからこそ完成する一種の禁を犯している感ありがとうございました。
13.FOREVER LOVE(ステッキパフォーマンス)
この曲だけ唯一口パク、というか口パクすらもしていない気もする。ステッキパフォーマンスということで、ダンスに専念みたいな感じで、メンバーのみなさん光るステッキを手に、ほの暗い照明の舞台上でひたすらダンス。ときにうっとりした表情を浮かべながら、であり、たいへん色っぽいことです。ステッキを重ねあわせて五芒星を形作る、みたいな芸当もこなしている。シュワッとかシャッみたいな効果音が曲に挟まってくるのもイレギュラーで面白いです。「FOREVER LOVE」という曲はイントロとアウトロのギターが必要以上に重厚で、その雰囲気がAメロBメロと続いて、サビで一気にアッパーなメジャーコードに転じる(という表現でいいんでしょうか)という構成の曲なのですが、このステッキパフォーマンスを体感してからというもの、重厚なイントロも、アッパーなサビも、まるで耳に息を吹きかけられるような、いわば聴く媚薬といった効用です。
14.君は自転車 私は電車で帰宅(Winter Ver.)
2012年発売のシングルでぶ厚いバラードで、歌詞が拙いとかこのタイミングでなぜバラードなのかとかいろいろ意見はあったのですが、春ツアーでも本編ラストに歌われたりしてきっちり楽曲の重みはある。それがリリースから7カ月あまり、原曲とはガラっと軽やかに色合いを変えてきて、完全にクリスマス仕様、冬の色合いがよく似合うキラキラソングに変化してきたので、侮れないなと思いました。間奏のハーモニーの重ね合いも綺麗で、どこか讃美歌のような趣があり、これこそ「神聖なる」に相応しいアレンジなんじゃないかと。「このバージョンでベストアルバムに収録してくれればよかったのに!」というのはけっこう多くの人が抱いているであろう感想だと思いますし、私もそう思う。舞台の照明とかモニターに映し出される冬っぽさ全開の演出も満点。あと名古屋ではたしか夜公演だったと思うのですが、歌の出来があまりによすぎて、それはほかの客席の方々も同じ気持ちだった、かどうかはわかりませんが、あまりの空気感の居心地のよさに、曲が終わった後で拍手が起こらなかった、ということがありました。マナー違反? とは完全に真逆で、そこまで気持ちがどっぷり入り込んで、会場全体が陶酔しきっていた、というなかなかたいへんな現象だった、と伝説的に思い込みたいです。
15.会いたいロンリークリスマス
そして冬の名曲キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 「君は自転車 私は電車で帰宅」まさかの冬アレンジに続けて、こちらはアレンジこそ施されてないものの、だからこその正攻法の冬のマイナー調ソングですばらしいです。なかなか冬にしか聴く機会がないのが貴重。1年を通して季節を問わず好きな℃-ute楽曲の1つです。これくらいレアなほうが末永く楽しめてよいのかも知れません。こちらはあえて贅沢を言えば、もうちょっと冬感満載のステージ演出があってもよかったような気がします。でも曲単体だけでもキリッと引き締まります。
16.青春!無限パワー
その「会いたいロンリークリスマス」のカップリング曲が、そのまの曲順で登場。なんとなくビートルズっぽいエッセンスがうっすら感じられる曲として印象付けられています。
17.悲しきヘブン
2012年の℃-uteを振り返る上での最重要楽曲の1つ。鈴木さんと岡井ちゃんが歌い出すと同時に、ステージ左の縦型巨大画面に鈴木さん、右の縦型巨大画面に岡井ちゃんの顔が映し出されて、それだけで迫力です。力感のこもった演出。ステージのよりお客さんに近い側で、矢島さん、なっきぃマイマイの3人が踊る。そして鈴木さん、岡井ちゃんがより高所で、それぞれ舞台の端っこから中央に歩み寄っていくような流れ、だったような気がします。熱い! ノリ方が難しいし、この曲に関してはさほどノリノリになる必要はないのだと思います。ステージ上で完結してる。それでも間奏とかではびょんびょん飛べばいいとおもう。ちょっと思ったのは、5人の陣形としては、これは好みの問題なのでしょうが、このツアーで行われている「前方に3ダンサー&後方に2ボーカル」よりも、これまで概ねそうだった「前方に2ボーカル&後方に3ダンサー」のほうが、見栄え的には遥かによいです。とはいえ、この曲が万全の体制で歌われているという時点で、どっちみち関係ない気もします。
MC
18.世界一HAPPYな女の子
イントロを聴いただけでたちまち気持ちが高揚。ほんといいライブ。サビの右足をクイって持ち上げてぴょんぴょん跳ねるのは、そこそこ足腰がしっかりしてるのでできるのですけど、手をワイパーみたいに右へ左へ下へ動かす例の一見規則正しげなフリは、右も左もわからない方向音痴気味の性質なので何百回やってもよくわからなくなってきます。細かいことを気にしながらも結局とことん居心地のよいこの曲の大味な楽しさが好きです。
19.Kiss me 愛してる
会場中ちょっと雰囲気が高ぶりすぎてて、渋谷の夜公演はほんとにそうだったんですけど、とうとうこの曲で自分の目の前が真っ白になった。決して気を失ったわけでもなく、舞台装置にドライアイスが仕込まれてて白煙があがってた、みたいな物理的なものがあったわけでもなく。お酒を飲んで入場してもおらず、それ以上の変なこともしていなくて、ただ幻のようにメンバーが遠くにぼんやり見えるし、それでいて爆発的に盛り上がっていて、気が遠のくようで、それが現実だとも幻だとも捉えられない揺らぎの間に恍惚があるのかも知れない。この段階での「Kiss me 愛してる」の配置はダメ押しにもってこいだと言うことです。すごい曲です。
20.いざ、進め! Steady go!
ダメ押ししたはずなのにまだまだ終わらない。なっきぃセンターのここのところライブで頻発されるキラー曲。必然的に盛り上がらざるを得ない攻め攻めのお膳立てがすごいし、頭をブンブン振る、たしか岡井ちゃん発案だったともすれば攻めすぎた振りつけも、見た目のインパクトからすると品行方正になりがちな℃-uteからすると、ちょうどいい。
21. SHINES
ようやく本編ラスト。タオルミュージックで各々がタオルを持ってぶんぶん振り回します。会場によってやらないところがあったと思うんですが、この曲のラストにメンバーがみんな持ってたタオルを客席に投げ入れたのは、かなり衝撃的なシーンでした。そんないわゆる「使ったタオル」ほど使いこんではいないはずなんですけど、それにしても潔いファンサービス。
アンコール
22.JUMP(2012神聖なるVer.)
サプライズがサプライズでビックリしました。メンバーの客席降臨。こないだ2013年正月のハロコンでも執り行われた演出なのですが、それ以前、秋の℃-uteライブ初日の渋谷昼公演で遭遇したときはめちゃくちゃ驚いた。2階席の後ろのほうでひっそり楽しく観てたんですけど、アンコールが始まった途端、舞台上には矢島さんしかいなくて、巨大縦型モニターには、なんかお客さんにまみれたメンバーの人達が映し出されていて、あまりの異世界ぶりに「???」と数秒間ほんとに思考停止していたら、2階席の通路にマイマイが! なんでそこにいるの!? そして入れ違って今度はなっきぃがそこに! だ。ほかのアイドルさんライブとかでもこういう演出はあるのかも知れないし、ハロプロでもディナーショーとかで客席の間をぬって歩くみたいなサービスは、そういえばあった。でもホールライブでいきなり目の前に出没する、というのは予想してなさすぎて唖然。しばらく続いたどよめきや、ライブが終わった後のいつもよりひときわ満足度の高そうなお客さんの笑顔が印象的でした。メンバーがお客さんに近すぎてタッチされたりするのでは? みたいな心配もたしかになくはないのですけど、今のところ大事には至ってないみたい。前後をスタッフで固めてたり、資料用なのかフェイクなのか、その客席降臨の様子を至近距離からカメラで抑えているのも防犯用なんじゃないかという気はするので、そこのガードの高さは安心したいです。
MC
ここのMCでなっきぃが若干うるっと涙ぐんでたのが本当にこっちもグッときました。「(2)℃-ute神聖なるベストアルバム」の初回限定盤Bに封入されているDVDが5人のインタビュー集で、これまであまり公に触れられていないことが、けっこう明らかにされている。このDVD自体がお涙頂戴と言ってしまえばそれまでかも知れないけど、みんなそれぞれ本音を打ち明けているようで、おそらく会場にいるファンの多くがそれを観てからライブに臨んだ。満席で充実感に満ち溢れた場内。メンバーも客席も、なんとなく気持ちのベクトルが同じ方角を向いている。そのあたりの諸々を感受性豊かに受け取ったなっきぃの涙。本人の言葉数はそれほど多くなかった気がするけど、あまり類を見ない一体感に包まれていました。

23.Danceでバコーン!
そしてラストは、とにかく℃-uteの代表曲でことさら暴力的に盛り上がったまま終わる、という最高の余韻。この曲はフリを覚えてからのほうが圧倒的に楽しくなった。「ジャッジャッジャー」の部分は、ギターを弾くふりで振り下ろした右手が、いつしか後ろではなく、前に推進するようになっていた。些細なフリの変更。そして特になっきぃがBメロの「♪AH ヤダー」の部分で見せる波打つような体重移動や、サビの腰を突き上げる動作での滑らかなスライドなど、どこまでも滑稽なんだけど完全に真剣。見ても動いても大好きな曲です。
とにかくいろんな意味で隙のない、すばらしいライブでした。メンバー全員それぞれにかわいくて、というか突き詰めるともう大好き! の意味はそこに尽きるんですけど、こちらの気持ち的にも実態としてもまごうことなき眼福ぶりですので、うまいしすごいし面白いし、ごく自然に、それは気負いなく、また次も、となります。2月2日の追加公演も本当に楽しみです。