キャプションのしきい値

9月14日(水)に発売されている「月刊ヤングマガジン」10月号の表紙と巻頭グラビアに吉木りささん。

http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/28886/newest
華やいだ水着でタンポポ畑に身を横たえる無邪気さ、夜景をバックにうすく微笑を称えるアンニュイ具合。全体に透明感のある爽やかなグラビアだと思います。


表紙にはこんなことが書いてある。

ビーナスの癒しとエッチな身体がバカウケ!!
日本を代表するお尻クイーーン!!

写真の爽やかさに反比例するかのように、だいぶ針をふりきっている。
たしかに表紙はお尻をきっちり捉えたアングル。ありがたいことではあります。


グラビアのキャプションも

吉木さんが実は「ドM」なのでは?

といったテーマをもとに展開されていて、
最後のページには

あなたをドMアイドルに認定します!!

などと書かれています。認定されてしまった。


この誌面のグラビアと「ドM」的な部分は、特になにか直接関係があるわけではない。それこそ“本当に”ドMなグラビアなら、もっと別のSMなんとかみたいな雑誌に受け皿があるだろうから、そこはぜんぜんシレッとしてもらって構わない。あくまで精神性の部分で、吉木さんにはいわゆるドM気質がありますよー、ということが力説されている。

1日の拘束、長くても数日で終わるグラビア撮影のお仕事で、とことんまでパーソナリティを掘り下げられるようなことはないはず。被写体のアイドルさんの気質云々はグラビアの仕上がりにさほど関係ない気もする。

ただ、吉木さん活躍の要因には、本人の容姿や資質、努力のほかに、おそらく現場ウケが抜群によいこともあると思う。いつもニコニコ。まるで菩薩。よく雑誌の付録についているメイキングDVDでも、もちろんファンとのイベントなどでも、そのあたりは本当によくわかる。その部分をすべて「ドM」というキーワードで頼るのは、たしかにわかりやすい。

雑誌の編集者やライター、そしてぼくのようなファンは、吉木さんをなんとか言葉で括ろうとする。今こうして更新しているのもそう。「月刊ヤングマガジン」が生み出したのは「ビーナスの癒しとエッチな身体がバカウケ!!」であり「日本を代表するお尻クイーーン!!」であり「あなたをドMアイドルに認定します!!」だった。直情的なキャプション。

でも本当にこんなことばっか言ってていいのだろうか?

吉木さんは常に言葉を超えたところで魅力を体現してくれる。もっと「吉木りさ」をステキに伝える方策はないものか……。追いかけっこは続く。