伊集院光の説明力

31 日放送の「 Q さま!」の「プレッシャー STUDY 超難問 SP 」。

その中の「プレッシャー説明力」というコーナーで伊集院光が活躍してました。「説明者」が自席のモニターに映ったお題について口述で説明して、そのお題をひとりづつ解答者に当てさせるゲームです。

「 Q さま!」の中で伊集院光はひらめきや類推によって難問の正解さえたぐり寄せてしまえる達人、みたいなキャラクターを獲得しています。

そしてもうひとつ「説明力」も買われている。落語家の出身であり、また「絵」の見えないラジオという媒体で長年活躍しているという実績に基づくものです。言葉によって聞き手のイメージを瞬間的に喚起させる能力。

今回はそれを堅実に発揮してました。テーマは「理科用語」。150 秒のタイムリミットというちょっとした焦りの中で、全 10 問を矢継ぎ早に説明していきます。


※ゲーム前

三村「ラジオ力ってのはこれ必要なんですよ」
大竹「説明力すごいから!」
三村「達人達人!」
伊集院「ハードルあげんなって」

同じホリプロさまぁ〜ずにプレッシャーかけられながら開始

優香「さぁそれではいきましょう、プレッシャー説明力!」「スタート!」


vs宮崎美子

Q.これは「燃えると出る」やつですよね。「人間が吸うと出す」やつですよね

A.二酸化炭素(CO2)
※まずはストレートに


vs関根麻里

Q.「グルグルグルーって回すと外に向かってギューンとかかる力」ですね。おもりとかをヒモつけて、こうやっておもりにかかる力ですよね

A.遠心力
宮川大輔的な擬音ぶり


vsますだおかだ岡田

Q.鏡とかで遊びましたよね。鏡とかで人に向かって光をね、ピカピカやって

A.反射
※岡田がそうやって遊んでるビジュアルが目にうかぶ


vs板東眞理子

Q.酸性とアルカリ性を調べるために、こうつけるやつですね。ちっちゃいこう短冊状のやつをつけて赤になったり青になったりして調べることができる

A.リトマス試験紙
※「ちっちゃいこう短冊状のやつ」


vs大塚範一

Q.もともとアルカリ性だったものに酸性を入れて、それをこう真ん中にする。その逆もそうです。酸性だったものにアルカリ性を入れて真ん中の状態にする

A.中和
※説明自体がなんだかシンメトリーで美しい


vs金田一秀穂

Q.電気を通しません。ゴムとかがそうです。銅とかに対してゴムとかは電気を通さないので、こういう風に呼ばれています。なんでしょうね、「お前とはもうつきあえない!」っていうときに、断りの書状を出しますよね。国語的にはあの言葉でもいけると思います

A.絶縁体
※「国語的には」とか金田一先生にすり寄った


vs市川亀治郎

Q.外から光を受けて光っているのではない、と。自分から光っている天体のことです。自分でいつも光っている天体のことを、こう言います

A.恒星
※実況役の清水俊輔アナ「完璧な説明だぞ」


vsやくみつる

Q.お水を紙の上に、たとえば食塩水とかを紙の上に入れて、下からアルコールランプで照らすと、お水が無くなって、ぜんぶ蒸発してしまいます

A.昇華
※説明としては違うようだけど答えは一発正解


vsロザン宇治原

Q.「ブレーキをかけたら僕がつんのめる」 これは何故ですか。「電車の中に乗っています。電車が急ブレーキをかけると、まだ前に行こう前に行こうという力が働きます」 これは何が働いているからでしょうか?

A.慣性の法則
※宇治原用にクイズ形式


というわけで残り時間を 21 秒残して全クリアしました。1 人当たり所要時間は約 13 秒。即興で説明を考えてそれに筆書で答えさせる一連の動作を考えるとかなりのスピードです。

ぜんぶがぜんぶ完璧な説明じゃないかも知れないし、特に「昇華」については「厳密には違う」とフォローが入ってましたが、これもニュアンスでやくみつるを一発正解に導いたので、説明力と同時に言葉以上の共鳴力みたいなものも働いているような気がします。

たとえ伊集院自身が「中卒」を自称していようと、これほどの瞬発力や伝達力が備わっていればこその、深夜ラジオの第一人者ですよね。つくづく頭の回転の良さ=学歴じゃないです。